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リテールテック2024/NEC、凸版印刷など小売課題解決につなげる最新技術紹介

2024年03月15日 18:00 / 経営

日本経済新聞社は3月12日~15日、東京ビッグサイト東展示棟(東京都江東区)で、第40回となる流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2024」を開催した。

<会場の様子(15日)>

出展社227社、1029小間の規模で実施。AI技術に省人化、電子棚札など、流通業界が抱える課題の解決につなげる最新技術を集約させた展示会となった。

<NECの顔認証サービス>

NECでは生体認証サービスを活用した一連のソリューションを展開。「少し先の未来の買物」をテーマとしたもので、大型店舗での回遊性促進につなげるため、紙やスマホを持たずにポイントラリーに参加できる「顔認証スタンプラリー」、顔認証機能を搭載した「フルタイムロッカー」などを紹介した。

重要顧客の来店を顔認証でとらえることで、居客の特性に合わせたクーポンや情報を発信したり、接客対応に活かしたりするなど、生体認証を販促につなげる提案を行った。

<イオンの生成AI>

イオンの展示では、2021年に発足したデータイノベーションセンターが生成AIを用いて、商品情報を生成する過程を実演した。対象商品に関する情報を入力することで、商品名・セールスコピー・説明文・商品タグなどの情報を自動で作成可能。実際にウェブ上で、一部の商品紹介文に生成AIを活用し始めているという。

<客席でキャッシュレス決済が可能に>

リンク・プロセシングはPAX Japanと協働し、市販の端末にキャッシュレス決済機能を組み込む「SPoC(エスポック)」技術を活用した決済端末を開発。飲食店のオーダー端末など、さまざまなセルフ操作機器に決済機能を追加することで、顧客がレジに向かわずにその場で会計できるようになる。2024年内にサービスを提供開始予定だという。

従来のキャッシュレス決済デバイスは、店舗スタッフなどによる有人対応が必要なものが多く、人材確保が必要であることが課題だった。スタッフを呼ぶ必要がなくなることから、省人化にもつながる。会計後は電子レシートのQRが表示され、紙資源も削減可能。主要な決済手段、磁気・IC・NFC(タッチ)全てに対応し、会計画面では多言語でも表示できる。

<配膳ロボに決済機能>

一方、東芝テックは、配膳ロボットにレジ機能をそのまま搭載した「移動型セルフ会計機」を提案していた。スタッフの代わりにロボットが会計役を担うもので、こちらは現金払いも可能だ。

<フルカラー電子棚札>

凸版印刷では「フルカラー電子棚札」を紹介。従来の電子棚札が3~4色表示のところを6色まで表示できるようになり、フルカラーでの表現が可能になった。印刷業で培った凸版独自のカラーマネジメント技術による販促表現が可能だという。

凸版印刷の持つ電子棚札のソリューションと組み合わせて、時間帯やキャンペーンごとに応じた販促にも使える。商品ごとに設定した販促企画を電子棚札に反映でき、店頭の棚札表示をオンタイムで要り替え可能だ。

<欠品チェック作業を省人化>

また、イシダでは電子棚札とロボットと組み合わせた技術を開発中。欠品チェック作業を代替するというもので、ロボットの側面に取り付けたカメラで、電子棚札のバーコードと陳列状況を認識する。スタッフの品出し時には、補充陳列位置にある電子棚札が光ることで、新人でも補充位置が分かりやすくなるという。

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