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スシロー/新たな体験価値提供「デジタル スシロー ビジョン」実験導入

2023年09月27日 13:30 / IT・システム

あきんどスシローは9月27日、「回転寿司の一歩先へ」向けた新たな取り組みとして、「デジタル スシロー ビジョン(デジロー)」を一部店舗に導入すると発表した。

<デジタル スシロー ビジョン>

同日、都内で開催した「GO!スシロー40周年事業戦略発表会」で、新居耕平社長が発表した。新居社長は、「40周年というタイミングを機に、回転寿司の一歩先を作っていきたいと考えていたが、コロナ禍という非常にインパクトがある出来事があった。そこで、外食シーンにおいては、これまで以上に楽しい空間作りを行う必要があると考えて、デジローを導入した」とデジロー導入の背景を解説した。

<新居社長>

デジローは、各ボックス席に設置しているタッチパネルの機能を持つ大型デジタルサイネージで、すしが流れたり、ゲームが体験できるなど、これまでにない店舗体験を楽しむことができる。横約1.5m、縦約50cmの大型デジタルサイネージに、すしを流すイメージ画像を放映することで、回転レーンにすしが流れているときの醍醐味である、様々なすしを見ながら、新たなすしに巡り合える楽しさ、選べる楽しさをデジタル上で再現した。現在、設置場所は、ボックス席のみで、カウンター席は、通常のタブレット端末を配置している。

<デジローの機能>

大画面で、複数人が同時に画面を見ることができ、2人まで同時タッチパネルとして操作することが可能。タッチパネルの順番待ちが発生しにくくできる。また、新しいネタとの出会いを提供する「すしナビ」機能を搭載。ハッシュタグでテーマ別に商品を絞り込むなど、今までのタッチパネルにはなかった機能を搭載した。

そのほか、会話を盛り上げる豆知識やクイズが流れるほか、注文額に応じてゲームがスタートする「だっこずしスロット」などのエンタメ要素も搭載し、子どもを中心に楽しめるコンテンツを提供する。デザインコンセプトは、「ディスプレイ越しに広がるもうひとつのスシローの世界」で、すしが主役の舞台の幕が開くイメージとした。

<導入店舗>

デジローは9月21日から、大阪府吹田市の準都市型店舗「スシロー江坂店」に32台を先行導入した。9月28日から東京都新宿区の都市型店舗「スシロー新宿西口店」に42台を展開する。10月5日には名古屋市の郊外型店舗「スシロー天白秋山店」にも導入する予定だ。

<オートウェイター>

同社では、2016年から、デジローに先駆けて、都市型店舗限定で、タッチパネルで注文した商品が直接席に届く、「Auto Waiter(オートウェイター)」を導入している。従来型の店舗では、下段に回転レーン、上段にオートウェイターを配置していたが、デジローは上段に設置するため、今後は下段にオートウェイターを設置する。

オートウェイターは、よりスピーディーに専用レーンで商品を届けることができるほか、省人化とともに店舗スタッフの負担を軽減する効果もある。そのため、来期となる2024年9月期末までに、オートウェイターのみの店舗を準都市型店舗・都市型店舗・郊外型店舗の合計約80店舗に展開する予定だ。オートウェイターは、新店舗や商圏動向からニーズが高いと思われる店舗から導入する計画だ。すでにオートウェイターを設置している店舗のオートウェイターの移設は、新規導入が一段落した後を想定している。

今後のデジローの展開について、新居社長は、「新しいものは、最初は好印象だが、それが本当に長い間支持されるのかは分からない。少し長い期間をかけて検証したい。また、現在、回転レーンには注文された商品のみを流しているが、回転レーンに商品を流す運用を再開するかは、社内でもさまざまな意見があり、まだ検討中だ」と述べた。今後は、デジローを導入した3店舗での顧客の声を参考にして、オートウェイターの上にデジローを設置することも視野に入れているという。

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