伊勢丹メンズ館/刷新し目標年商500億円、高級&オーダー強化
2019年03月18日 17:00 / 店舗レポート
伊勢丹は3月16日、新宿店「メンズ館」をリニューアルオープンした。同日関係者向け内覧会を開催した。
三越伊勢丹の竹内徹専務・百貨店事業本部長は、「2003年9月に誕生したメンズ館は、15年ぶりに大規模リモデルする。ラグジュアリー、デジタル、オーダーに重点を置いた。従来の顧客に続き、ミレニアル世代、インバウンド顧客も取り込むため、品揃えのバランスを変え、MDを減らし、顧客とのコミュニケーションする場所を増やした」と説明した。
メンズ館は現在2018年売上442億円となる見込みで、改装による効果で2020年までには、2007年の過去最高売上の476億円を超える500億円を目指す。
現在のメンズ館では、ボーナス期の売り上げ減、定番アイテムのエントリープライスの低下、国内ブランドの苦戦、クリスマス・父の日・バレンタインデーといった定番催事の不振という課題がある。
しかし、ルイ・ヴィトンなど高級ブランドのポップアップ、ラグジュアリーブランドの売上90%増(2013年比)、年間30万円以上購入する顧客が35%増(2015年比)、オーダー関連売上30%増(2011年比)と、「ファッション好きによる自己実現ニーズ」は伸長している。
そこで、2階から4階にかけて、セリーヌが新規オープンするなどラグジュアリーブランドを拡充。
スーツ、靴、スーツケースなどのオーダーも常設コーナーで実施する。
また、ミレニアル世代など新規顧客獲得や、こだわりのおしゃれを楽しむ層に向けて、MDを8%減らしてコミュニケーションスペースを増やした。
片桐朗紳士・スポーツ・特選MD統括部長は、「既存顧客は265万人で、平均年齢は49.6歳。ここに、富裕層の客数を5%から7%、海外からの顧客売上を9%から16%、ミレニアル世代の売上を20%から23%に伸ばしたい」と意気込みを語った。
オーダーでは、5階にテーラーの山口信人氏が常駐する「テーラールーム」を新設。
ガラス張りの工房で、普段目にする機会の少ない職人の作業風景を覗くことができる。
テーラールームの隣には、ドレスクロージングの象徴として、こだわりの一着を作ることができる「アルチザンラウンジ」も設置した。
4階では、顧客をもてなす「VIPサロン」をリニューアルした。
1階のオーダーシャツは、タブレット端末を使い襟、ボタン、ステッチなど仕上がりを確認しながら、オーダーを1万5000円から楽しめる。
また、地下1階では、ハイエンドなシューズのオーダーが可能。世界中から厳選したブランドがそろう。
スーツケースコーナーでは、リモワとグローブトロッターの2ブランドがカスタムに対応している。
さらに、デジタルを活用した施策や、コミュニティスペースも充実。
1階の都内最大級のメンズコスメコーナーでは、デジタルを使った肌診断を提供する。
2階には、DJブースを新設し、音楽などカルチャーを発信。週末を中心にイベントを行う。
プロモーションスペース「アートアップ」では、気鋭のクリエーターは手掛けたアート作品などを展示販売する。
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