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ヤオコー/ヨークマート・ロピアと接近戦、新旗艦店「久喜菖蒲店」

2019年03月22日 19:38 / 店舗レポート

ヤオコーは3月22日、埼玉県久喜市に「ヤオコー久喜菖蒲店」をオープンした。

<ヤオコー久喜菖蒲店>
ヤオコー久喜菖蒲店

メニュー提案による食の問題解決と価格訴求を両立を目指し2012年3月に出店した「川越的場店」(埼玉県川越市)をモデルに、新店舗フォーマットの確立を目指した旗艦店を出店するもの。

これまでの旗艦店を踏まえた「未来の旗艦店に向けたモデル」と位置付けた。

店舗の真後ろは、双日商業開発が開発・運営する「モラージュ菖蒲」(2008年11月開業)、店舗の隣には大和ハウス工業が開発・運営する「フォレオ菖蒲」が立地。

モラージュ菖蒲には、「ヨークマート フードセントラルモラージュ菖蒲店」、フォレオ菖蒲には、生鮮食品に強いディスカウントストア「ロピア 菖蒲フォレオ店」が出店する激戦区に出店した。

<店舗レイアウト>
店舗レイアウト

川野澄人社長は、「競争がはげしいエリアでの出店であり、ヤオコーの良さを磨きながら、ヤオコーが弱みとするヤングファミリー層の指示を拡大するのかを課題にして売場づくりを進めてきた。ロピアに対する価格対応のほか、簡便商品の充実、まとめ売り、唐揚げ・ピザなど単品でも集客できる惣菜を磨き上げた」。

「10月には増税があり、価格に敏感な若いお客様がお店を選ぶ中で、若いお客様からの支持を得るという試みを成功させて、増税に向けて、ここでの事例を水平展開する。来期を占う店舗となる」と語る。

売場面積は2,577m2で、目標年商は約25億円。取扱アイテム数は、1万6700アイテム、内訳は生鮮1300、デリカ350、グロサリー1万5000。

ヤオコーの標準店のアイテム数は約1万4000アイテムで、簡便商品のミールキットなど自社開発商品を増やした。

<生鮮食品で料理・調理を楽しむゾーンを構成>
生鮮食品で料理・調理を楽しむゾーンを構成

商圏人口は、1km圏内4400人(1500世帯)、3km圏内2万100人(7100世帯)、7km商圏2万2800人(9400世帯)で、1km商圏の人口が少なく、夕方以降の来店が少ないため、営業時間を9時~20時に設定した。

店舗レイアウトは、生鮮デリカ分離型の生鮮強化レイアウトを採用。売場を「包丁・まな板を使用して料理・調理を楽しむゾーン」(左側)と「テーブルに並べるだけで食事を楽しむゾーン」(右側)に分けた。

<デリカを中心に食事を楽しむゾーンを構成>
デリカを中心に食事を楽しむゾーンを構成

「包丁・まな板を使用して料理・調理を楽しむゾーン」では、簡便時短、素材冷凍の取り組みを強化し、自社開発したミールキットの訴求をする。

<ミールキット、肉、そばを関連販売>
ミールキット、肉、そばを関連販売

ミールキットは、野菜や調味料をひとつにまとめものや、メニューに必要な素材を一つにまとめたものなどを用意した。

カット野菜とスープをセットにした「7品目の野菜をつかったちゃんぽんセット」(税別178円)と豚肉、麺を関連販売し、ひとつの売場でメニューが完結できる提案をした。

<鮮魚売場のミールキット>
鮮魚売場のミールキット

1つの商品でメニューが完結するミールキットは、鮮魚と精肉でそれぞれ展開。鮮魚では、「ほたてねぎ塩炒め」255g、「海鮮八宝菜」290g、「アジの黒酢あんかけ」270g、各498円を投入。

「白身魚のバジルソテー」220g、「たこ飯の素」210gを各398円で、「魚介のパエリア」490gを980円で販売する。

<精肉売場のミールキット>
精肉売場のミールキット

精肉では、マルイチ産商と共同開発したミールキットとして、「チャプチェ風炒め」440g、「チンジャオロース風炒め」440g各698円や「鶏肉と野菜の黒酢あんかけ炒め」480g、「ホイコーロー炒め」440g、「コチジャンのうま辛炒め」440g各598円などを販売する。

商品開発に携わった板倉勇二販売第二部長は、「オイシックスなど他社が開発したミールキットを導入する同業他社が増えているが、当社はミールキットを取引先とともに自社開発した。品質と値ごろ感を訴求することで差別化商品として育成したい」と語る。

<レンジアップ商品も充実>
レンジアップ商品も充実

ミールキットとともにレンジでチンするだけで、食卓のもう1品が完成するレンジアップ商品も充実させた。

時短料理に活用できる商品開発を進めることで、料理・調理を楽しみたいが時間がないといった問題を具体的に解決する提案をする。

<デリカは米飯商品を拡大>
デリカは米飯商品を拡大

テーブルに並べるだけで食事を楽しむゾーンの中核となるデリカでは、米飯商品を豊富に展開し、おかずやランチニーズに対応した。

<寿司コーナー>
寿司コーナー

寿司は、質の高い国産本鮪、粕酢比率アップで糖度低減のオリジナル合わせ酢、豊洲市場を活用したネタを使用するなど、原料にこだわった握り寿司を提供する。

<サラダ・サイドディッシュ>
サラダ・サイドディッシュ

生春巻や99円サラダなどメインの料理に添えたいもう1品に対応するサラダをそろえた「サラダ・・サイドディッシュ」コーナーを展開。食卓のもう1品を手軽に増やす提案をする。

<唐揚げは店内加工工程を増やし品質を向上>
唐揚げは店内加工工程を増やし品質を向上

主力商品の一つである唐揚げは、店内で味つけ作業をおこない、店内加工の作業を工程を増やすことで、さらに品質を向上させた。

やきとりと合わせて、「幸唐」と名付け、オープンキッチンで専門店を意識した売場づくりを行う。

<カレーパンは生地の製造から揚げるまでを公開>
カレーパンは生地の製造から揚げるまでを公開

インストアベーカリーは、焼きたてでライブ感のある売場の実現を目指した。カレーパンは、生地の製造から揚げるまでをオープンキッチンで公開する。

<ピザコーナー>
ピザコーナー

エッツオ・マリナート氏の指導で作り上げた、イタリア製法のこだわり生地を使用したピザや、クロワッサンやロールパンなどを中心に食事パンを強化し、焼きたて販売・豊富な品ぞろえを展開。

子育て世代のお客向けにミニテーブルロールパン、ミニメロンパンなどの家族でシェアする大量目商品を充実させた。

<プロテインコーナー>
プロテインコーナー

ドライ食品では、健康に着目し、サプリメント・プロテインを種類豊富に品ぞろえした。

川野社長は、「価格も買い物の楽しさで一つであり、ヤオコーはロピアよりもいつも高いということでは、お客様に選んでもらえない。『ヤオコーは品質はいいけど、価格はちょっとね』という声もいただいている。実際には、価格は競合に比べ、それほど劣っていないが、『良い物を買う時はヤオコー、いつもの買い物もヤオコー』と言ってもらえる店舗を目指したい」と語った。

店舗概要
所在地:埼玉県久喜市菖蒲町菖蒲7001
TEL:0480-85-8711(代表)
敷地面積:15,577m2(施設全体)
延床面積:5,493m2(施設全体)、3,632m2(ヤオコー床面積)
店舗面積:2,577m2(ヤオコー売場面積)
営業時間:9時~20時
休業日:1月1日、1月2日、他1日
年間売上:初年度25 億円 (予定)
駐車台数:202台
駐輪台数:158台
従業員:正社員19人、 パートナー・ヘルパー・アルバイト150人(延べ人数)
テナント数:4店(ワッツ、ココカラファイン、うさちゃんクリーニング、歯科)

■ヤオコー/写真でみる「久喜菖蒲店」の生鮮・惣菜売場
https://www.ryutsuu.biz/store/l032541.html

■ヤオコー/写真で見る「久喜菖蒲店」吊り下げPOP・床表示で売場演出
https://www.ryutsuu.biz/store/l032845.html

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