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東急/トレインチ自由が丘を刷新、屋外を楽しむ滞在型施設へ

2022年11月01日 15:01 / 店舗レポート

東急は11月2日、トレインチ自由が丘(東京都目黒区/世田谷区)をリニューアルオープンする。11月1日報道向け内覧会を開催した。

<トレインチ自由が丘>
トレインチ自由が丘

同施設は、2006年に大井町線「自由が丘」駅付近の大井町線車庫跡地に開業した2階建て商業施設。自由が丘駅南口から徒歩2分と、4棟の分棟施設(すべて2階建て)で、駅方向の生活動線としても、利用されている。開業から16年たち、建物の老朽化が課題となっていた。

<駅方向の生活動線として歩行者が多い>
駅方向の生活動線

今回のリニューアルで、1階に商業店舗8店舗、2階がまちに開かれたワークスペース・ラウンジなどで構成される複合施設に生まれ変わる。

<共用部を生かした屋外滞在型施設を目指す>
共用部

施設のコンセプトは、「自然と過ごす、街の“あいま”で」とし、自由が丘駅周辺エリアにおいて、緑豊かな屋外空間と居心地の良いラウンジ、ワークスペース、飲食店舗をそろえ、自宅リビングの延長して利用できるような共用部を生かした屋外滞在型施設を目指す。

<2階は単なる賃貸オフィスにとどまらない空間>
2階

リニューアルに際し、企画・設計はUDSが担当した。施設コンセプト、テナントの入れ替え、屋外ランドスケープにはそら植物園を採用するなど単なる店舗、賃貸オフィスにとどまらない空間作りを支援している。

<立ち寄る人を増やしたいと宅間氏>
宅間氏

東急のビル運用事業部 事業推進第二グループ 沿線AM担当の宅間彩氏は、「この施設は自由が丘駅南口から徒歩2分とアクセスが良く、駅の行き帰りの近道として、地元の方中心に親しまれてきた。しかし、通り道という性質上、通行量に比べ、立ち寄る人が少ないのが課題だった。自由が丘は、大規模法人向けコワーキングオフィスは点在しているが、中小規模・個人事業主のためのスペースがほしいというニーズもあった」と説明している。

<DUMBO Doughnuts and Coffee>
DUMBO Doughnuts and Coffee

新たなニーズに対応し、多様化する働き方・暮らし方の実践の場、共用部を生かした屋外滞在型施設、別の施設で使われていた植栽の再利用・旧車両の廃材を活用した内装などエコフレンドリーな取り組みを行う。

<Island Softcream>
Island Softcream

以前のテナントは雑貨が中心で、立ち寄る人が少ないという課題に対し、1階にテークアウトできる飲食店、屋外で購入した食べ物をゆっくり楽しめるスペースを設置。マルシェや参加型ワークショップを定期開催することで、自宅リビングのようにくつろげ、屋外空間を楽しめる。

<yaoyano>
yaoyano

1階の新規店舗は、写真映えするフワフワ、もちもちなドーナツが食べられる「DUMBO Doughnuts and Coffee」、旬のフルーツを使ったソフトクリーム・クレープ・ガレットの「Island Softcream」、八百屋ならではのこだわり野菜がたっぷり入ったコロッケとクラフトコーラの「yaoyano」、世界の厳選したお茶がそろう「THREE TEA CAFE」。

<THREE TEA CAFE>
THREE TEA CAFE

既存店舗はベーカリー「浅野屋」、イタリアンレストラン「GONZO」、和食居酒屋「酒場シナトラ」、生活雑貨「NATURAL KITCHEN&」となっている。

また、自由が丘の「街における働ける場所」の不足という課題には、個人事業主、小規模法人に向けた「働ける場所」を整備。2階は、UDSが企画・設計・運営する、ラウンジ、カフェ、オフィス、レンタルスタジオを併設した「(tefu)jiyugaoka」がオープンする。

<個人事業主、小規模法人に向けた「働ける場所」>
働ける場所

ラウンジ、オフィスでは個人向けに、ドロップインや個室ブース利用など用途に応じて柔軟に選択できるさまざまなプランを提供。自由が丘で過ごす学生、親子、シニア層などの幅広い世代が気軽に立ち寄れ、仕事、勉強、読書など、思い思いの形で利用できる場所を提案する。

ラウンジ利用は1人1時間900円(ドリンク付き、以降30分ごとプラス450円)、1日3000円。カフェ利用のみでも、ドリンク・フードを購入して滞在できる(コーヒー500円から)。

会員プランは個室ブース(9室、月額8万80円、2人まで登録可、24時間利用可)、専用デスク(14席、月額6万280円、2人まで登録可、24時間利用可)、ラウンジ利用(1人月額3万2780円、9時~22時)の3形態を用意。現在個室ブース9室中、6室が入居が決まっており、残り3室も商談中だ。

<ハンドドリップコーヒーなどを提供するカフェ>
カフェ

カフェは、小田政志氏によるコーヒー専門店「Raw Sugar Roast」が手掛ける新店舗「amber」がハンドドリップコーヒー、クラフトビール、自然派ワインなどを提供する。

ラウンジの内装には、田園都市線8500系車両の網棚や車体外装などを取り入れることで、車庫であった時の面影を残しつつ、開放的で居心地の良い空間づくりを行った。

<MTG用個室のドアは廃材を再利用>
MTG用個室のドアは廃材を再利用

ラウンジからは東急線が走る姿も見え、東急ならではの施設として楽しめる。

<トイレに電車の網棚を再利用>
トイレに電車の網棚を再利用

家具は、家具のシェアリングサービスも手掛ける(tefu)セレクトによるヨーロッパのアンティーク家具などを配置した。

ポップアップショップ、ワークショップ利用など多目的に利用できるレンタルスタジオ(29.1m2、倉庫含む、1日10時~20時で3万3000円)も設置している。

<多目的レンタルスタジオ>
多目的レンタルスタジオ

遊歩道のランドスケープデザイン・環境演出は、プラントハンター・西畠清順氏が率いる、そら植物園が手掛けている。2020年に閉館した商業施設「代々木VILLAGE by kurkku」で撤去されたレッドウッド、バナナの木など5本を再利用。入り口付近にはエゴノキの通り抜けなどを創出し、緑とともにゆったり過ごせる施設環境を整備している。

<バナナの木を再利用>
バナナの木を再利用

さらに、シェアサイクルポートを設置している(ドコモバイクシェア)。

<ドコモバイクシェアも利用できる>
ドコモバイクシェア

■トレインチ自由が丘
所在地:東京都目黒区自由が丘2丁目13番1号および東京都世田谷区奥沢5丁目42番3号
アクセス:東横線・大井町線 自由が丘駅 南口徒歩2分
構造・規模:鉄骨造2階建て
用途:飲食店、食物販店、雑貨店、ラウンジなど
店舗数:1階8店舗(うち新規開業4店舗)
延床面積:1048.94m2
ホームページ:https://www.trainchi.com/

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