流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





東急歌舞伎町タワー/エンタメ施設や下町フードホールで集客狙う

2023年04月07日 18:41 / 店舗レポート

東急、東急レクリエーションが4月14日に開業する超高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」(東京都新宿区)は、オープンに先駆けて同6日、メディア向けに建物内部を公開した。

<2階~3階の吹き抜けゾーン>

エンターテイメントに特化したのが同ビル最大の特徴。低層フロアの飲食店やアミューズメント施設を中心に、高層階のホテルや劇場などの上質なサービスから地下4階層のナイトホールまで、多様性に富んだテナントを取りそろえ、幅広い集客を狙っていく。

<広場側1階にスターバックス出店>

シネシティ広場側から建物正面の階段を上ると、スターバックスが店舗を構える。コンセプトは「コーヒーシアター」。劇場文化の発信地だった新宿ミラノ座の跡地に出店するため、劇場内にいるかのような内装に仕上げた。

<店舗内観>

1階の壁には、コスタリカ共和国にあるスターバックス初の自社農園「ハシエンダ アルサシア農園」がタイルのモザイクアートで描かれており、2階の座席スペース壁側にもコーヒーチェリーが描かれている。

席数は49席。営業時間は7時~22時まで。

<平城苑の新業態「和牛特区」>

高級焼肉チェーン「平城苑」の新業態が登場。「和牛特区」は、「和牛のポテンシャルを最大限に引き出した肉料理を味わえる店」をコンセプトに、「和牛ブロシェットとグリル野菜」(税込2500円から)や「A5和牛サーロインステーキ」(150g5500円)などを提供。同社広報は「アメリカンステーキは他店でも扱っていたが、100%和牛のサーロインステーキ提供は今回が初めて」と説明している。

<メニューのイメージ>

カジュアルに和牛を楽しめる「ローストビーフバーガー」(1980円)は、日本橋に出店している「Wagyu Burger」(東京都中央区)でのノウハウを活かした一品。ディナー帯の客単価は6000円前後だが、ランチ帯は1000円~1999円を想定し、バーガーなどのリーズナブルなメニューとともに、若年層に向けても和牛の魅力を訴求していく。

席数は48席。営業時間は11時~23時まで。

<KABUKI BURGER&TACOS>

「KABUKI BURGER&TACOS」は、ロピアを母体とする外食事業会社eatopiaが展開する新業態。雌の和牛100%のバーガー類と、世界のさまざまな料理を具材として載せたタコスメニューが売りとなる。ワインなどのつまみに最適なアラカルトメニューも用意。看板メニューの「カブキバーガー」のパティの上には、かき揚げを載せた。

席数は66席、営業時間は11時~23時まで。ランチ帯の客単価は2500円前後を想定している。

1階にはこのほか、北海道プレミアムフード&ドリンクの「BON LUMIERE VIVA HOKKAIDO PROJECT」や、花・植物専門店「ex.flower shop&laboratory SHINJUKU」も出店。観光案内所にヤマト運輸の宅配サービス、TKTSのチケット販売ブースも設置した。

<約1000m2のフードホールが広がる>

2階は、約1000m2をまるごとエンターテインメントフードホールとして営業する。「新宿歌カブキhall~歌舞伎横丁」は、浜倉的商店製作所が運営する10店舗が並ぶ広大な飲食街スポットで、席数は1300席。日本の祭りや路地裏をモチーフにした全10業態で、ディナーの客単価は4000円前後、全国各地の「ソウルフード」をリーズナブルな価格帯で提供する。3階のアミューズメント部分とは吹き抜けでつながっており、上下フロア一体で賑やかさを共有し、カオスな空間を創出していく。

<DJイベントなども予定>

ホール内には大型LEDビジョンにDJブース、ミラーボール、カラオケといった最新の照明・音響が導入され、国内外のミュージシャンやDJなどがパフォーマンスを披露するイベントを毎晩開催予定。4月14日~16日の3日間はオープニング特別イベントとして、阿波踊りなどを開催する。

<バンナムの新業態「namco TOKYO」>

3階には、バンダイナムコアミューズメントがアミューズメント、フード、イベントなどが融合する新業態として開発した「namco TOKYO(ナムコトーキョー)」が広がる。「アソベル・ノメル・ツナガル」をコンセプトに、同一フロア内でゲームセンターとアルコール飲料どちらも楽しめる国内初の店舗。エリアの区分けなどによって法律の許可を得て営業するという。最大8人でくつろげる個室(2時間3000円)も用意。全てのゲームに電子マネーを対応させた。

<ASOBINOTES>

ナムコトーキョー最大の特徴となるMUSIC&PLAYLOUNGE「ASOBINOTES(アソビノオト)」は、キャラクターのAIDJが繰り広げる音楽空間の中で、ゲームや演出を楽しみながら飲食できるスポット。巨大スクリーンを設置したステージに、バンダイナムコ研究所の技術協力のもと「AIキャラクターパフォーマンスシステム」を導入した。DJパフォーマンスを組み込んだゲームAIが、3Dキャラクターのモーションやライブ空間の演出を連動させるというもので、店舗での常設は初めて。

日替わりでさまざまなキャラクターがAIDJとして登場し、パフォーマンスやゲームミュージックで店内を盛り上げるのはもちろん、特定の飲食メニューが注文されるとスクリーン演出が変化してイベントが発生。その結果によって飲食メニューが一定時間割引になるなど、店内の顧客同士が連動して楽しめる仕掛けを施した。

<バンナムの人気IPをフル活用>

同施設では、バンナムが保有する人気IPコンテンツをフル活用している。グループ各社が取り扱うキャラクター商品のオフィシャルショップとして、「一番くじ公式ショップ」「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」「ONE PIECEカードゲーム 公式ショップ」に加え、人気IPコンテンツの世界観を体験できるイベントを通年開催するエリアも展開。オープン日は第1弾として「BT21 5周年記念アート展」を開催する。年内には「アイドルマスター」のイベントを予定するほか、年間を通じてさまざまなコンテンツを提供していく。

<4階には体験型アトラクションを用意>

4階には、ソニー・ミュージックソリューションズ、ソニーミュージックエンタテインメントが手掛ける大型の体験型アトラクション施設「THE TOKYO MATRIX」がオープンする。参加は2~3人同時に行い、専用デバイスを持ってモンスターと戦ったりトラップをクリアしてダンジョンを攻略するというもの。人気アニメ「ソードアート・オンライン」の世界観を体感できる。

<5階の会員制ウェルネスクラブ>

5階には、会員制ウェルネスクラブ「EXSTION(エクジション)」が登場。1700m2の超える面積にプライベートジム、プライベートサウナ、テラスプール、メンバーズラウンジなどを集積させた。フロア中央には、長谷川稔シェフが手掛ける新業態レストランも出店する。

<6階~8階「THEATER MILANO-Za」>

6階~8階には、歌舞伎町とともに発展した新宿ミラノ座の名を継承する劇場「THEATER MILANO-Za」がある。約900席の空間で、演劇・音楽・映像などの多彩なエンターテインメントコンテンツを発信。同劇場のこけら落とし公演「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」は5月6日~28日まで行う。

<9階~10階「109シネマズプレミアム新宿」>

9階~10階の映画館「109シネマズプレミアム新宿」は、全席プレミアムシートの新ブランドで、最上質の没入体験を提供する。スクリーン数8、席数752席。全スクリーンの音響は、先日亡くなった世界的音楽家・坂本龍一氏が監修した。

<高層階の複合フロア>

17階には、レストランをはじめとした複合ゾーン「JAM17 DINING&BAR」を設けた。ルーフトップテラスに大型ビジョンや屋内外バーカウンターを完備し、イタリアンダイニングやジェラートも楽しめる。

18階にはホテル2ブランドのロビーを設置。20階~38階の「ホテルグルーヴ新宿」(538室)には、タワー内の各エンタメ施設での体験の余韻に浸れる客室を用意し、24階には人気アニメ「エヴァンゲリオン」のコラボルームが広がり、国内外のアニメファンも呼び込む狙いだ。

39階~47階の「ベルスター東京」では、上空200mから新宿を一望するペントハウスや専用ラウンジ、最上階の天空スパで極上のサービスを満喫できる。45階にはレストラン&バーを設けた。ビル群を眺めながら、鉄板焼きやモダンフレンチに舌鼓を打てる。

<収容人数1500人のライブホール>

地下1階~4階には、新宿エリア最大級となる収容人数1500人のライブホール「Zepp Shinjuku(TOKYO)」をオープンする。これまでのZeppホールよりコンパクトなサイズ感で、アーティストとの距離が近く、初の360度LEDビジョンなどによって臨場感あふれる音楽体験を可能にした。

夜間には、ナイトエンターテインメント施設「ZERO TOKYO」として営業。国内外からアーティストを招聘していく。

■東急歌舞伎町タワー
所在地:東京都新宿区歌舞伎町一丁目29番1号
用途:ホテル、劇場、映画館、店舗、駐車場など
敷地面積:4603.74m2
建築面積:約3171.05m2
延床面積:約8万7400m2
階数:地上48階、地下5階、塔屋1階
高さ:約225m
設計者:久米設計・東急設計コンサルタント設計共同企業体
外装デザイン:永山祐子建築設計
企画・プロデュース:POD
施工者:清水・東急建設共同企業体
竣工:2023年1月11日
開業:2023年4月14日(ホテル開業は5月19日)

■東急歌舞伎町タワーの関連記事
東急歌舞伎町タワー/エンタメ特化の大型複合施設4/14オープン

関連記事

店舗レポート 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧