浦和パルコ/コンセプト型医療モール「Welpa」首都圏初拠点オープン
2024年01月29日 15:20 / 店舗レポート
パルコは2月1日から順次、さいたま市のJR浦和駅前の複合商業施設「浦和PARCO」7階に、コンセプト型の医療モール「Welpa(ウェルパ)」の首都圏初となる拠点を開業する。
ウェルパは、「医療モールを『病気になった時に行く場所』だけではなく、『自分をケアするための場所』として提案する」をコンセプトとしており、2021年11月19日に大阪市の「心斎橋PARCO」10階に1号拠点を開業している。浦和PARCOは、第2号拠点となる。
「Welpa(ウェルパ)」は「Wellness Parco」の略。イタリア語で「公園」を意味するPARCOが始める新しいウェルネスとして、どなたでも気軽に行ける「ウェルネスの公園」のような場所にしたいという想いを込めた。
パルコが、ウェルネス領域の新規事業として医療モールの開発・運営事業へ参入する取り組みで、医療から物販・サービスをシームレスに提供する新しいコンセプトの医療ウェルネスモールを開発した。
ウェルパを担当するパルコ執行役員の森田幸介コンテンツ開発部、コラボレーションビジネス企画部デジタル推進部担当は、「1969年の創業以来、パルコはファッション、アート、カルチャーなどを通して世の中に刺激を与え、都市生活者の心豊かなライフスタイルを提案してきた。生き方も働き方も価値観も多様化し、社会が大きく変化し続けている現代、さらには新型コロナウィルスによりこれまでの当たり前が揺さぶられている今、人々が求める『心豊かな生活』を今一度問う必要があると考えた」と語る。
「ひとりひとりが自分らしく健やかな人生を創造し、心豊かに暮らすことができる世界を目指し、パルコはウェルネス事業を開始した。その一歩として、まずはライフステージによって心身が大きく変化する中で多くの選択を迫られる女性が、自身の心と身体に向き合い、自身が変容することを楽しめる環境を提案する新たな医療ウェルネスモール「Welpa(ウェルパ)」を立ち上げた」と新規事業を狙いを解説した。
医療モールへの参入にあたり、パルコの主要顧客である20~40代の女性に着目した。20~4代の女性は、同年代の男性と比較して、がんに罹患するリスクが高く、20歳〜49歳のがん患者の約70%が女性になっている。なかでも、子宮がん・卵巣がんなどの女性特有のがんは20~30代でも罹患リスクが高く、罹患率は近年増加傾向にある。
一方で、日本における子宮頸がん等の検診率は先進諸国の中で極めて低い位置にあるのが現状で、健康診断・人間ドックの未受診率も全世代で男性より高く、30代女性の未受診率は45.9%となっている。その要因には、女性が日々仕事や家族のために奔走し、つい自分のことを後回しにしてしまう状況や、検診やヘルスケアなど自分に必要な情報が浸透していない状況がある。そこで、発病には至らないものの健康な状態から離れつつある状態を意味する「未病」の予防に着目し、検診や予防医療に力を入れる医療機関を誘致した。
今回、マーケットポテンシャルが高く、今後の成長も期待できる浦和エリアにおいて、近隣の人々が自身の健康課題解決へのきっかけ作りやヘルスリテラシーの向上に貢献できることを考慮し、3世代のライフスタイルを提案する全方位型商業施設「浦和PARCO」に2号拠点を展開することを決定した。
浦和PARCOのウェルパは、診療内科、歯科、調剤薬局の3つの医療機関を中心に構成した。中核施設となる「イーストメディカルクリニック」は、2月14日に開院する。
イーストメディカルクリニックは、内科・消化器内科・乳腺外科のほか、人間ドック・がん検診・健康診断といった検診を強化している。地域、職域の健康に寄与するため、生活習慣病健診、さいたま市のがん検診や特定健診にも対応する。
内科外来では、風邪・頭痛・腹痛といった身近な症状から、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病まで診療する。
また、乳腺外来では急増する乳がんから女性を守るには、定期的な乳がん検診と早期発見がとても大切なことから、乳がん検診をもっと身近に安心して受けられるように居心地のいい空間を用意して、患者に寄り添った検査、診療、治療を提供する。
2月1日に開業する「千賀デンタルクリニック」は、一般歯科のほか、口腔外科(親知らず等)、インプラント、矯正などを行う総合歯科医院で、土日祝日も診療可能なのが特長。また、診療室は個室を採用し、口腔内カメラなどを用いてモニターで治療の見える化などを行い、治療のメリット、デメリットを説明し、麻酔から最大限痛みに配慮した治療を提供する。
さらに、2月14日に開業する「セルフケア薬局」は、薬剤師に日々の不調や健康に関する不安事を相談でき、一人一人が健康に過ごせるような提案ができる「街の保健室」のような存在を目指す調剤薬局。
処方せんがなくても通える薬局を目指し、処方せん受付に加え、女性の健康を支える漢方薬、サプリメントやオーガニックセルフケア商品を取りそろえる。具体的には、薬剤師によるカウンセリングを実施。「生理痛・PMSに悩んでいる」「更年期症状が気になる」などの悩みに対して、薬だけではなく生活に取り入れられる漢方薬、ハーブティーなどのセルフケアもお客に合わせて考え、提案する。
ウェルパの前には、さまざまなヘルスケアアクションを実施するイベントスペースを設置。ヘルスケアに関連する試食会・トークショーなどのイベントを不定期で開催する。健康課題に関するギャラリー展示やウェルビーイングテーマでのトークセッションなどを開催し、来るたびに新しい学びに出会える 心地よい環境の提供を目指す。
自身を知り、習慣的にケアするためのアクションを適切に行えていない20~40代の「健康無関心層」「健康関心層」の課題を解決するため、徹底的なユーザー視点で、「知る・学ぶ」ことから「体験・通院する」ことまで、医療・物販・サービス・イベントを通して提供する。
そのほか、「Welpa浦和LINE公式アカウント」を展開。身体や心の悩みに寄り添う専門家インタビューや占いなどの特集記事の紹介など、ウェルパのイベント情報やクーポンなどを配信。来店動機を生み出すことで、商業施設部分への波及効果も期待している。
■Welpa(ウェルパ)浦和
所在地:埼玉県さいたま市浦和区東高砂町11-1
浦和PARCO 7階
施設面積:約800m2
構成 :クリニック2院 (内科・消化器内科・乳腺外科・人間ドック・健康診断と歯科・矯正歯科)、調剤薬局
開業日:2024年2月
営業時間・休業日:クリニック・調剤薬局ごとに異なる
事業パートナー:スマートメディカル、ドリコス
https://wellness.parco.jp/welpa/urawa/
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