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大手百貨店/7月はセール前倒しの影響で5社そろって減

2018年08月01日 17:10 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリング、そごう・西武は8月1日、7月の売上速報を発表した。

<百貨店イメージ>
百貨店

三越伊勢丹4.4%減、J.フロントリテイリング4.6%減、高島屋3.6%減、エイチ・ツー・オー5.2%減、そごう・西武4.2%減となった。

■三越伊勢丹(2018年3月期売上高:1兆2688億円)
既存店4.4%減、国内グループ百貨店4.9%減だった。

伊勢丹新宿本店店頭は4.2%減、三越日本橋本店店頭は9.5%減、三越銀座店は1.6%増となった。

クリアランスセールの前倒し影響が大きく国内百貨店の既存店、首都圏三越伊勢丹の既存店ともに前年実績を下回る。

6~7月の2か月実績では、好調な化粧品やラグジュアリーブランドを中心に高額品が売上を牽引したことで前年実績を上回る。

基幹店では猛暑の影響もあり、傘やサングラス、子供のTシャツなどUV関連アイテムに関しては前年実績を上回る。

免税売上は好調に推移。訪日客の増加に伴う来店客数の増加が、引き続き好調要因で高額品への関心度が高い。

■J.フロントリテイリング(2018年2月期売上高:4699億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は4.1%減、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は4.6%減となった。

7月度の百貨店事業の売上高は、訪日外国人客を含め化粧品、ラグジュアリーブランド、高級時計が引き続き好調であったものの、前年に比べてクリアランス立ち上がり期間の土曜日が1日少ないことに加え、関西地方を中心とする上旬の豪雨や、首都圏から九州地方の広範囲に及ぶ下旬の台風12号の影響などにより低調に推移した。

また、大丸松坂屋百貨店の免税売上高(速報値)は、13%増(客数27%増、客単価11%減)。

■高島屋(2018年2月期売上高:9495億円)
高島屋単体13店の売上高は3.4%減、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は3.6%減となった。

7月度の店頭売上は、前月末からのクリアランスセールが昨年より1日早くスタートした影響に加え、豪雨・台風などの天候影響もあり、前年実績を下回った。

店舗別売上は、堺店・泉北店・玉川店・柏店・高崎店が前年を上回った。

商品別売上は、化粧品が引き続き好調な婦人雑貨(同社分類による17店舗ベース、以下同じ)、高額品の宝飾品・呉服・美術がプラスだった。

お中元商戦は、オンラインの伸長もあり、好調に推移した。

■H2O(2018年3月期売上高:9218億円)
百貨店事業の全社計の売上高は、5.2%減となった。内訳は阪急本店0.0%、阪神本店12.5%減、支店計10.6%減。

「平成30年7月豪雨」の影響により、西日本の各店舗が入店客数減などの影響を受けたことに加えて、前年の堺北花田阪急の閉店に伴う、最終の売りつくしの実績も影響し、全社的に苦戦。

阪急本店は、豪雨がクリアランスのスタートに大きく影響したものの、バーゲン品ではない盛夏商材や秋冬商材のプロパー品、コスメ、海外ブランドを強化し後半は回復、前年並みを確保した。

100万円以上の高額品(19%増)は、国内・インバウンドともにジュエリーや時計中心に好調を継続している。一千万円単位のものも動く。

インバウンドは、高額なジュエリーや時計やリピーターの多い化粧品が人気で、前年の2割増と伸長するも伸び率はやや鈍化している。

6月に建て替え第Ⅰ期棟がオープンした阪神梅田本店は、売場面積が2割減少したにも関わらず、既存顧客に加えて、30~40代の女性を中心とした新規顧客も多数来店し、食品を中心に想定を上回る売上で推移している。

■そごう・西武(2018年2月期売上高:7296億円)
そごう・西武15店の売上高は4.2%減、西武池袋本店は3.1%減となった。

ラグジュアリーブランドと高級雑貨は前年を上回って推移した。

夏のセールは、盛夏物ファッションの追加投入によって、後半を強化。化粧品や洋品小物も、気温上昇を受けて一部商品が伸びを見せるも、全体的には、台風の影響を受け、伸び悩んだ。

免税売上高は前年約2割増、免税利用客数が前年約15%増と続伸。化粧品が依然好調なほか、一般物品も堅調に推移し、20か月連続の前年伸長となった。

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