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大手百貨店/9月既存店売上増税前の駆け込みで5社そろって2桁増

2019年10月01日 16:20 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は10月1日、9月の売上速報を発表した。

<百貨店イメージカット>
百貨店

三越伊勢丹20.0%増、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)32.6%増、エイチ・ツー・オー(阪急阪神百貨店)21.2%増、高島屋33.8%増、そごう・西武20.2%増だった。

消費税増税前の駆け込み需要、改装効果などで5社そろって2桁増と好調に推移した。

■三越伊勢丹(2019年3月期売上高:1兆1968億円)
伊勢丹新宿本店店頭20.0%増、三越日本橋本店店頭29.4%増、三越銀座店13.1%増などで、三越伊勢丹合計26.9%増だった。

札幌丸井今井32.3%増、名古屋三越14.8%増、岩田屋三越15.8%増など、国内グループ百貨店は19.0%増なり、国内百貨店合計は23.7%増となった。

三越伊勢丹及び地域事業会社全社が前年売上実績二桁増の高い伸びとなり、2カ月連続で前年を上回った。

首都圏の基幹店舗では、8月の新宿店宝飾売場や婦人靴売場、日本橋店時計売場等のリフレッシュオープンと増税前の需要の相乗効果により、時計・宝飾・美術・ハンドバッグ・財布・婦人靴などのカテゴリーが売上を大きく伸長している。

免税売上は一部の店舗では前年を上回るものの、為替などの与件による買い控えも見られ全体では伸び悩んだ。

■J.フロントリテイリング(2019年2月期売上高:1兆1251億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は前年同月比32.6%増、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は30.8%増となった。

9月度の百貨店事業の売上高は、消費増税を控え、宝飾品が前年の約2.4倍、ラグジュアリーブランドが約7割増、化粧品が約5割増となるなど大幅に売上を伸ばし、月末が近づくにつれて婦人雑貨、紳士服飾、リビング関連でも売上の伸長が見られたことなどから、大丸松坂屋百貨店合計では対前年32.6%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では、30.8%増となった。

また、大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は対前年約20%増(客数同10%増、客単価同9%増)となっている。

店舗別では、直営13店舗中12店舗と、関係百貨店3店舗が前年実績を上回った。

9月20日に本館を建て替えグランドオープンした心斎橋店では、強化したラグジュアリーブランドや化粧品を中心に売上を伸ばし、フードホールやジャパンポップカルチャーをはじめ新たに構築したフロアが人気を集め、入店客数が前年の約5割増となるなど、好調なスタートを切っている。

■H2O(2019年3月期売上高:9368億円)
百貨店事業の全社計の売上高は21.2%増となった。内訳は阪急本店29.2%増、阪神梅田本店21.8%増、支店計7.2%増。

中旬以降、カーディガンなどの羽織ものやショートブーツ、スキンケアなどの化粧品といった秋物ファッションが活発な動きを見せた。

消費増税前の駆け込み需要も、両本店を中心に10日頃から活発となり、ジュエリー、インターファッション、ブランドバッグなど、高額品の動きが良く、さらに20日頃からは、衣料品・雑貨、化粧品など、一般品の動きも活発化した。

前年の台風の影響で関西店舗が2日間休業したことの裏返しによる増収や、関空閉鎖による訪日観光客の来店減に対する影響の反動で、中国人観光客が大幅増となり、インバウンド売上高が好調に推移している。

阪急本店においても、前年の台風による2日間休業の裏返しで増収となったことに加えて、消費増税を前に、冬物ファッションの先行買いや高額品の動きが活発化。外商の特招会においても、高額品が活発に動き、過去最高の売上を記録した。また、衣料品・雑貨、化粧品など一般品の動きも良かった。

インバウンド(39%増)は、前年の台風の影響による関空閉鎖の反動で、最大シェアの中国人観光客の売上が大幅増となっている。

阪急メンズ大阪は、ラグジュアリーブランドが引き続き好調。恒例イベント「ファッションエキシビジョンナイト」は来場者が前年の2割増だったという。

阪神梅田本店は、恒例の大型催事が駆け込み需要を取り込み、売上の嵩上げに寄与。支店は12店舗中11店舗が前年実績をクリアした。

■高島屋(2019年2月期売上高:9128億円)
高島屋単体13店の売上高は33.8%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は33.2%増となった。

9月度の店頭売上は、消費増税前の駆け込み需要で月後半にかけて売上が伸長したことに加え、前年の台風影響の反動により、前年実績を大きく上回った。免税売上は前年比1.1%減となっている。

店舗別売上は、全店で前年比プラス。商品別売上(当社分類による17店舗ベース)におきましても、全商品群が前年を上回った。

特に宝飾品・特選衣料雑貨は、消費増税前の駆け込み需要の影響もあり、大きく売上を伸ばした。

■そごう・西武(2019年2月期売上高:6152億円)
そごう・西武15店の売上高は20.2%増、西武池袋本店は26.3%増となった。

9月売上は、先月に続き前年を上回った。増税前の定番商品おすすめ企画が好評を得たほか、月末にスタートした球団優勝セールも追い風となり、衣料品から雑貨まで、ほぼ全領域が前年を大きく上回って推移した。

とりわけ、高級雑貨領域(宝飾・時計、美術、呉服)が高伸を果たした。

免税利用に関しては、売上は前年を確保、客数は約1割減となった。

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