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大手百貨店/9月売上高5社そろって増、高額品が好調に推移

2022年10月03日 14:40 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は10月3日、9月の売り上げ速報を発表した。

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比30.2%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)18.2%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)36.1%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)20.1%増、そごう・西武10店計14.5%増だった。

9月は、台風の影響はあったものの、各社、高額品が引き続き好調に推移した。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 30.2%増
J.フロントリテイリング 18.2%増
H2Oリテイリング 36.1%増
高島屋 20.1%増
そごう・西武 14.5%増

 

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比34.7%増、三越日本橋本店店頭31.0%増、三越銀座店32.9%増などで、三越伊勢丹計30.2%増だった。

札幌丸井三越19.4%増、函館丸井今井9.9%増、仙台三越8.3%増、静岡伊勢丹10.1%増、名古屋三越7.5%増など、国内グループ百貨店計は12.1%増となり、国内百貨店計は22.8%増となっている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は限定的で、高額品への購買意欲が高かった。特に、伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では増税前の大きな駆け込み需要があった2019年実績には届かなかったものの、2018年実績を大きく上回り、引き続き売り上げをけん引している。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、宝飾・ハンドバッグに加え、ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドを中心に秋冬アイテム(婦人ではコートなどの重衣料やショートブーツ、紳士ではトップスなどの軽衣料)も好調に推移している。

また、得意向けのイベントや外国展も好調に推移し、売り上げを押し上げたという。

免税売り上げは、入国制限の規制がさらに緩和されたこともあり、回復基調がより強まり、国内百貨店計で前年実績を上回った。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比18.5%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は18.2%増だった。

9月度の売上高は、台風11号・14号・15号による臨時休業や営業時間短縮などの影響があったものの、前年同時期に全国主要都市で新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が実施されていたことによる反動増に加え、ラグジュアリーブランド、宝飾品などの好調持続により、大丸松坂屋百貨店合計(既存店)では22.4%増。関係百貨店を含めた百貨店事業合計(既存店)では21.8%増となった。

大丸松坂屋百貨店合計(既存店)の免税売上高は418.9%増(客数586.6%増、客単価24.4%減)となっている。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比36.1%増となった。内訳は阪急本店35.4%増、阪神梅田本店248.2%増、支店計14.6%増。

大型台風の影響により、関西と福岡の店舗で営業時間の短縮や臨時休業を実施した。

一方、8月下旬から新型コロナウイルスの新規感染者数も減少傾向となり、また前年は、店舗所在都府県への「緊急事態宣言」が月末まで発出されていた反動もあり、売上高は約4割増と前年実績を大幅に上回った。

都心店の売上高が前年の約5割増と好調で、中でも、リモデルの一環で8月末にモード売り場がオープン、化粧品売り場がリニューアルした神戸阪急が、新しい顧客を中心に幅広い年代が来店し、高い伸びを示したという。

2019年の売上高実績が消費増税前の駆け込み需要を含むため、2018年との対比では100%、さらにインバウンドを除く国内売上高の対比も3%増とコロナ前水準を上回った。中でも阪急本店の2018年対比は5%増(同国内売上高対比6%増)、阪神梅田本店は9%増(同10%増)と実績を大きく上回っている。

阪急本店は、大阪での高齢者への外出自粛要請が8月下旬で解除となり、シニアの来店が回復。特に、23日からの3連休は、大型催事の開催も重なりにぎわった結果、売上高は前年実績を大きく上回った。

月前半は厳しい暑さが続いたものの、秋冬商品の動きが活発で、モード、ラグジュアリーファッションを中心に、ジャケット、コートがけん引。ショートブーツ、ネックレス、バッグなどが秋のコーディネートアイテムとして好調だった。また、新型コロナウイルス感染の落ち着きもあり、ブライダルニーズが高まりを見せ、宝飾品が伸びた。100万円以上の高額品の売上高は、前年の約1.7倍と引き続き好調だった。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比20.3%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は20.1%増となった。

9月度の店頭売り上げは、前年の緊急事態宣言に伴う売り上げ減少の反動に加え、高額品が好調であったため、前年実績を超えた。

店頭売り上げは前年比20.1%増(2019年比25.3%減)、免税売り上げは前年比153.0%増(2019年比54.2%減)、免税を除いた店頭売り上げは前年比18.0%増(2019年比23.6%減)だった。2019年比は、同年10月の消費増税前駆け込み需要の影響を受けている。

店舗別売上では、全店が前年実績を上回っている。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比14.5%増(2019年同月比23.6%減)、西武池袋本店は17.7%増(同20.6%減)となった。9月の売り上げは全店計で12カ月連続で前年を超えた。ほぼ領域で前年を超えて推移した。

たびたび台風影響を受けたが、プレステージブランド(約25%増、19年同月比0.0%増)および高級雑貨(25%増、同20%減)は好調を継続。衣料品トータルでも20%増、19年同月比25%減と堅調だった。

免税売上高は約20%減(2019年同月比約70%減)、客数約90%増(同約90%減)となっている。

■前月の実績
大手百貨店/8月売上高5社そろって大幅増、高級品・衣料品が好調

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