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大手百貨店/8月売上高5社そろって大幅増、高級品・衣料品が好調

2022年09月01日 16:20 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は9月1日、8月の売上速報を発表した。

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比46.5%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)27.3%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)42.6%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)23.4%増、そごう・西武10店計22.5%増だった。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 46.5%増
J.フロントリテイリング 27.3%増
H2Oリテイリング 42.6%増
高島屋 23.4%増
そごう・西武 22.5%増

ラグジュアリーブランド、宝飾品などが好調を維持している。また、帰省や旅行など外出機会増加により、衣料品、雑貨なども堅調に推移している。

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比59.3%増、三越日本橋本店店頭39.6%増、三越銀座店43.7%増などで、三越伊勢丹計46.5%増だった。

札幌丸井三越24.0%増、函館丸井今井2.5%増、仙台三越11.5%増、名古屋三越2.4%増など、国内グループ百貨店計は17.6%増となり、国内百貨店計は33.6%増となっている。

行動制限のない今夏、新型コロナウイルス感染拡大の影響は限定的で、高額品への購買意欲が高かったという。

特に、伊勢丹新宿本店は増税前の駆け込み需要や宝飾品などのリモデルオープンがあった2019年実績も2桁上回り、5カ月連続で統合後過去最高売上を記録した。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、時計・宝飾・ハンドバッグに加え、ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドを中心に秋冬衣料・雑貨も好調に動き始めた。また、伊勢丹新宿本店の独自イベントも好調に推移し、売上を押し上げた。

免税売上は、6月の入国制限の緩和を受け、三越伊勢丹計、国内百貨店計ともに前年実績を上回り、緩やかな回帰傾向を見せている。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比27.5%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は27.3%増だった。

8月度の売上高は、前年同時期に新型コロナウイルス感染症の拡大により、東京、大阪などで緊急事態宣言が発出されていたことによる反動増に加え、ラグジュアリーブランド、宝飾品などの好調持続により、大丸松坂屋百貨店合計(既存店)では29.9%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計(既存店)では29.5%増となった。

店舗別では、大丸神戸店が2019年実績も上回った。

大丸松坂屋百貨店合計(既存店)の免税売上高は489.6%増(客数415.0%増、客単価14.5%増)だった。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比42.6%増となった。内訳は阪急本店52.7%増、阪神梅田本店398.7%増、支店計11.8%増。

前年は、店舗所在都府県への「緊急事態宣言」の発出、阪急・阪神両本店における新型コロナウイルス感染対策強化のための臨時休業の反動もあり、売上高は4割増と前年実績を大幅に上回った。

3年ぶりの全国的な行動規制のない夏休みであったが、7月以降の感染急拡大に伴い、来店客数は低水準で推移。お盆には、ファミリー層や遠方からの顧客も見受けられたものの、大阪にて7月下旬から高齢者への外出自粛要請が出ていたこともあり、3世代での来店は少なかったという。

インバウンドを除く国内売上高の2019年対比は8%減、7月以降実績を下回る傾向が続く。一方で、両本店は健闘を見せ、阪急本店は国内売上高2019年対比3%減、阪神梅田本店は2%増と2019年実績を上回った。

阪急本店では前年は、地下1階食品売場と1階の一部売場を臨時休業したこともあり、売上高は前年実績を大きく上回った。

猛暑も影響し、盛夏商材サンダル、パラソルが稼働。ただし、価格よりも機能やデザインを重視する人が多く、7月同様、定価商品が売上高を伸ばした。

ラグジュアリー、ファッション、バッグ、婦人靴などでは、秋冬の新作や新色も徐々に登場し反応が良いという。中でも、100万円以上の高額品の売上高は、前年の約1.9倍と高伸した。

お盆には、時計売場で遠方からの顧客が増え、地元にないブランド、商品目当ての購入が多数見受けられた。地下の食品売場でも旅行・帰省客のお土産ニーズが活況、阪急オンリーワンブランド、関西銘菓を中心に盛況だった。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比24.0%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は23.4%増となった。

8月度の店頭売上は、前年の緊急事態宣言に伴う売上減少の反動に加え、高額品が好調、前年実績を超えた。店頭売上は前年比23.4%増(2019年比10.0%減)、免税売上は前年比170.1%増(2019年比47.6%減)、免税を除いた店頭売上は前年比20.4%増(2019年比7.0%減)だった。

店舗別売上では、全店が前年実績を上回っている。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、 呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、食料品、食堂が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比22.5%増(2019年同月比11.3%減)、西武池袋本店は31.3%増(同0.0%)となった。8月の売上は全店計で11カ月連続で前年を超えた。ほぼ領域で前年を超えて推移した。

プレステージブランド (約30%増、19年同月比30%増)および高級雑貨(20%増、同10%増)は好調を継続。帰省や旅行など外出機会増加により、盛夏物だけでなく今から着られる軽めの秋物も動き、衣料品トータルでも25%増、19年同月比10%減まで復調した。

免税売上高は約20%減(2019年同月比約70%減)、客数約90%増(同約90%減)となっている。

■前月の実績
大手百貨店/7月も高付加価値商品好調で5社前年越え

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