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大手百貨店/10月売上高5社そろって増、衣料品・高額品が好調

2022年11月01日 15:55 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は11月1日、10月の売り上げ速報を発表した。

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比25.1%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)11.8%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)20.1%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)14.2%増、そごう・西武10店計10.9%増だった。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 25.1%増
J.フロントリテイリング 11.8%増
H2Oリテイリング 20.1%増
高島屋 14.2%増
そごう・西武 10.9%増

10月後半から気温が低下し、衣料品需要が増加。引き続き、好調なラグジュアリーブランド、インバウンド顧客の増加から5社そろって売り上げが回復している。

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比32.2%増、三越日本橋本店店頭18.9%増、三越銀座店31.8%増などで、三越伊勢丹計5.1%増だった。

札幌丸井三越11.9%増、函館丸井今井3.7%減、仙台三越0.1%減、静岡伊勢丹5.5%増、名古屋三越0.9%増など、国内グループ百貨店計は5.3%増となり、国内百貨店計は16.7%増となっている。

10月後半の気温低下に伴い、秋冬物が本格的に動き出す。顧客ロイヤルティーの高い高額品への購買意欲も引き続き高かった。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、コート、ジャケットなどのアウターニーズの高まりに加え、今着られる薄手のニットなどの実需購買が増え、売り上げをけん引した。

ラグジュアリーブランドなどの高付加価値な商品の購買意欲も引き続き高く、宝飾、ハンドバッグなどが好調を維持。家の中で過ごす時間を充実させたいニーズも高く、クリスマスケーキの予約販売が好調な滑り出しを見せているという。

免税売り上げは入国制限の緩和に伴い、首都圏店舗を中心に香港、韓国、台湾など東アジアの顧客が急増。国内百貨店計で前年実績を大きく上回った。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比12.6%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は11.8%増だった。

10月度の売上高は、コートなど秋冬物ファッションが気温の低下に伴い売り上げを伸ばしたことに加え、入国制限の緩和や円安影響により免税売り上げが徐々に増加したこと、ラグジュアリーブランドが引き続き好調だったことなどから大丸松坂屋百貨店合計(既存店)では前年同月比12.6%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計(既存店)では11.8%増となった。

大丸松坂屋百貨店合計(既存店)の免税売上高は489.1%増(客数1518.0%増、客単価63.6%減)となっている。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比20.1%増となった。内訳は阪急本店22.7%増、阪神梅田本店62.6%増、支店計8.4%増。

新型コロナウイルスの感染者数も落ち着きを見せ、来店客数が堅調に推移し売上高は前年実績を大幅に上回った。

特に都心店が、各店2可月連続の2桁増と好調。2023年秋の完成に向けてリモデルが進む高槻阪急では、9月下旬に大型専門店がオープンした。新しい客層を呼び込み、食品をはじめ他の売り場への買い回り効果もあり、売上高が伸びたという。

売上高の2018年同月比は4%増、インバウンドを除く国内売上高の8%増といずれもコロナ前水準を上回った。中でも阪急本店の10%増(同国内売上高対比15%増)、阪神梅田本店は12%増(15%増)と2桁の伸びを示した。免税売上高は、前年実績は大きく上回るも、コロナ前の2018年・2019年までの回復には至っていない。

阪急本店は、上旬からの気温の低下もあり、婦人・紳士ともに秋冬ファッションが本格稼働し、各カテゴリーの売上高は2桁増と前年実績を大きく上回った。

コート、ジャケット、ショートブーツなどが前月に続き好調で、ネックウェア、手袋にも動きが見られた。また、洋服に合わせるアイテムとしてネックレス、イヤリングなどのアクセサリーも好調だった。

ブライダルニーズも回復傾向が続き、エンゲージリング、シーズンを迎えゲストスタイルの動きが良かったという。

100万円以上の高額品の売上高は、前年の約1.6倍と引き続き好調で、中でも宝飾品は全体として約2倍と高伸。人気の海外催事「英国フェア」が、開催期間の違いはあるものの過去最高の売上高を達成した。3年ぶりに現地からの実演者も来日し、連日にぎわいを見せた。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比14.7%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は14.2%増となった。

10月度の店頭売り上げは、高額品が好調であることに加え、日本への入国に際する水際対策の緩和や、祝日の1日増により、前年実績を上回った。なお、2019年比は、同年10月の消費増税後の売り上げ減少の影響を受けている。

店頭売り上げは前年比14.2%増(2019年比21.8%増)、免税売り上げは前年比262.9%増(2019年比34.1%減)、免税を除いた店頭売り上げは前年比10.7%増(2019年比26.7%増)だった。

店舗別売上では、全店が前年実績を上回っている。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子供情報ホビー、スポーツ、食料品、食堂が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比10.9%増(2019年同月比18.2%増)、西武池袋本店は13.3%増(同23.4%増)となった。10月の売り上げは全店計で13カ月連続で前年を超えた。ほぼ領域で前年を超えて推移した。

プレステージブランド(約45%増、19年同月比110%増)および高級雑貨(20%増、同120%増)は好調を継続。月半ばから、気温低下を受けて冬物ファッションの動きも活発化。衣料品トータルでも前比約20%増、2019年比約30%増と高い伸びを示した。

免税売上高は約35%増(2019年同月比約60%減)、客数約450%増(同75%減)となっている。

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