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大手百貨店/3月売上高5社そろって増、外出ニーズ回復で春物衣料が好調

2023年04月03日 15:40 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は4月3日、3月の売り上げ速報を発表した。

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比22.9%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)16.5%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)20.8%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)9.1%増、そごう・西武10店計9.7%増だった。

各社でラグジュアリー商品の好調が持続。また、外出ニーズの回復、春の新生活のオケージョン需要などにより、衣料品も伸びている。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 22.9%増
J.フロントリテイリング 16.5%増
H2Oリテイリング 20.8%増
高島屋 9.1%増
そごう・西武 9.7%増

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比24.8%増、三越日本橋本店店頭18.3%増、三越銀座店39.7%増などで、三越伊勢丹計22.9%増だった。

札幌丸井三越15.0%増、函館丸井今井9.6%増、仙台三越9.6%増、静岡伊勢丹10.4%、名古屋三越5.9%増、岩田屋三越9.8%増など、国内グループ百貨店計は7.8%増となり、国内百貨店計は16.5%増となっている。

両本店を中心とした高付加価値商品の売り上げがけん引した。

また、伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、12カ月連続で2018年度を上回る実績で推移をしている。2022年度累計では、1991年度の過去最高実績を上回る見通し。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、時計・宝飾・ハンドバッグ・財布に加え、セレモニーなどの需要により、ブラウスや婦人靴などへの関心が高かった。また、独自性のある催事・イベントでの売上も、実績の押し上げにつながったとしている。

免税売上は、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・宝飾などへの関心の高さが継続し、首都圏店舗を中心に伸長しているという。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比16.9%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は16.5%増だった。

3月度の売上高は、前年のまん延防止措置適用による反動増に加え、春の新生活のオケージョン需要などによりジャケット、ブラウスなどが活発に動いた。ホワイトデー、お花見需要などにより食料品も好調に推移し、ラグジュアリーブランドや美術宝飾品も好調を持続したため、売り上げが伸びた。

店舗別では、15店舗中12店舗で前年実績を上回った。入店客数回復が著しい東京店、ラグジュアリーブランドが好調な心斎橋店は3割超の伸び率となっている。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、438.8%増(客数3445.8%増、客単価84.8%減)だった。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比20.8%増となった。内訳は阪急本店14.9%増、阪神梅田本店80.4%増、支店計14.8%増。

新型コロナウイルスの感染者数も落ち着きを見せ、また13日からはマスク着用が個人の判断に委ねられるなど、日常生活の正常化に向けた流れの中、外出ニーズも高まり来店客数が順調に推移。春のファッション、各種ギフトなどの購買意欲も高く、売上高は前年比2割増と好調だった。引き続き、都心店の売上高が前年比25%増とけん引した。

阪神梅田本店は、人気の大型催事の連打も奏功し、売上高前年比が1.8倍と大きく伸びている。

売上高の2019年3月対比は6%増、インバウンドを除く国内売上高対比は9%増と、前月に続きいずれもコロナ前を上回った。阪急本店は2019年対比4%増(同国内売上高対比8%増)、阪神梅田本店においては54%増(同55%増)だった。免税売上高は、引き続き韓国・台湾・香港からの旅行客の売上高が堅調に推移し、2019年3月に対して18%減だった。

阪急本店は、3カ月連続で過去最高売上高を更新(同月対比)した。

気温の上昇も後押しし、化粧品を含めた婦人・紳士ファッション全般の売上高が前年比2桁増と好調な結果となっている。

中でも、化粧品、ラグジュアリーといったカテゴリーは2割を上回る水準。実需期を迎えた春のファッションではニット、ブラウス、服飾品ではスカーフ、薄手のストールに新色のバッグ、サンダル、スニーカーが好調に推移した。

卒業・入学式などに向け、ジャケット、パールネックレス、パンプスが売れた。コンサート、パーティーシーン用のドレスなどもニーズが高かった。

春のギフトニーズも活況で、ホワイトデーでは食品を中心に近隣オフィスの返礼需要で売上高が伸びた。卒業のお祝いでは宝飾品が、退職のお祝いでは革小物やストールなどに動きが見られたという。

100万円以上の高額品の売上高は前年比2割増と好調だった。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比9.4%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は9.1%増となった。

3月度の店頭売り上げは、引き続き高額品が堅調に推移したほか、春物衣料雑貨も好調だった。

店頭売り上げは前年同月比9.1%増(2019年3月比5.7%減)、免税売り上げは前年比276.5%増(同39.1%減)、免税を除いた店頭売り上げは前年比4.7%増(同2.6%減)だった。

店舗別売上では、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、柏店、岡山店、岐阜店、高崎店が前年実績を上回っている。

商品別売上(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、呉服、スポーツ、リビング、食料品、食堂が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は前年同月比9.7%増(2019年3月比6.2%減)、西武池袋本店は12.7%増(同2.8%減)となった。

3月の売り上げは全店計は既存店前年比9.7%増と18カ月連続で前年を超えた。

プレステージブランド(前年同月比約20%増/2019年3月比約65%増)、呉服高級雑貨(前年同月比約5%増/2019年3月比約15%増)は好調を継続。
外出ニーズが復活し、衣料品計(前年同月比約10%増/2019年3月比約5%減)も伸びた。

花見需要も戻っており、食品(前年同月比約10%増/2019年なみ)が好調だった。

免税売上高は約3倍(2019年2月比約55%減)、客数約19倍(同45%減)となっている。

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