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大手百貨店/2月売上高各社2~3割増、高付加価値品が好調継続

2023年03月01日 12:57 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は3月1日、2月の売り上げ速報を発表した。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 35.8%増
J.フロントリテイリング 26.3%増
H2Oリテイリング 30.9%増
高島屋 17.9%増
そごう・西武 20.5%増

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比35.8%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)26.3%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)30.9%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)17.9%増、そごう・西武10店計20.5%増だった。

引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、免税売り上げも、ラグジュアリーブランド、衣料品、宝飾などが伸びているという。

各社でバレンタインデー商戦が盛り上がった。卒業式、入学式など学校行事ニーズも復活し、定番の衣料品、パンプスなどの動きも好調だった。

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比41.1%増、三越日本橋本店店頭28.1%増、三越銀座店44.3%増などで、三越伊勢丹計35.8%増だった。

札幌丸井三越33.1%増、函館丸井今井25.1%増、仙台三越18.7%増、静岡伊勢丹8.2%、名古屋三越13.3%増、松山三越11.7%増など、国内グループ百貨店計は21.8%増となり、国内百貨店計は30.3%増となっている。

両本店を中心とした高付加価値商品の売り上げがけん引した。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、時計・宝飾・ハンドバッグに加え、ラグジュアリーブランドの 春物衣料も好調に推移している。また、お得意さま向けのイベントやバレンタイン催事も前年実績を大きく超え、売り上げを押し上げたという。

免税売り上げは首都圏店舗を中心に堅調に推移し、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ、衣料品、宝飾への関心の高さが継続している。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比26.6%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は26.3%増だった。

2月度の売上高は、前年感染者数拡大により多くの都道府県でまん延防止重点措置が適用されていたことの反動増に加え、人流の回復により高額品だけでなくファッション商品全般にも活発な動きが見られた。また、バレンタイン商戦も好調に推移した。

店舗別では、15店舗中14店舗で前年実績を上回った。引き続きターミナル店舗である東京店、札幌店、梅田店が大きく伸びている。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、344.1%増(客数4498.4%増、客単価90.3%減)だった。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比30.9%増となった。内訳は阪急本店30.6%増、阪神梅田本店76.4%増、支店計
22.3%増。

1月中旬以降、新型コロナウイルス感染者数の減少、来店動機につながるバレンタインデーなどのモチベーション商戦の活況により、来店客数が順調に推移した。

前年は1月下旬から「まん延防止等重点措置」が適用されていた反動も重なり売上高は前年比3割増と大きく伸びた。特に都心店の売上高が前年比約4割増とけん引している。

売上高の2019年2月対比は2%増、インバウンドを除く国内売上高対比は6%増といずれもコロナ前を上回った。阪急本店は2019年対比6%増(同国内売上高対比12%増)、阪神梅田本店は大型催事の会期のずれの影響で7%減(4%減)だった。免税売上高は、引き続き韓国・台湾・香港の来店客の購入が好調に推移するも、2019年の春節が2月だった影響もあり実績に対して28%減となっている。

阪急本店は、2カ月連続で、過去最高売上高を達成(同月対比)。改装中の売場を除き全カテゴリーで売上高前年比2ケタ増と好調な結果。特に、婦人ファッション全般の店頭売上高が前年比3割増を上回る水準で、独自性の高いモード、ラグジュアリーファッションなどがけん引。婦人靴、バッグなどでは春のカカラー、新作が稼働した。また、卒業・入学式の通常開催に際し、パールネックレス、定番パンプス、春のブライダルシーズンに向けてのマリッジリングなどにも動きが見られた。

全館で展開したバレンタインデーチョコレートは期間売上高29億円と、2020年の25億円を大きく上回り過去最高を更新した。特に、前年はコロナ感染対策で販売を控えた人気のソフトクリームの復活、ショコラティエをはじめとするセミナーなど楽しむ・学ぶ・体験する要素を強化した9階の特設会場が好評を博した。

バレンタインデー直前の祝日である2月11日の全館来店客数は、1月2日の初売りに次ぐにぎわいとなったという。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比18.5%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は17.9%増となった。

2月度の店頭売り上げは、前年度のまん延防止等重点措置の反動に加え、ラグジュアリーブランドやインバウンドの売り上げが引き続き好調だったことにより、前年実績を上回った。

店頭売り上げは前年同月比17.9%増(2020年1月比11.6%増)、免税売り上げは前年比243.6%増(同0.7%減)、免税を除いた店頭売り上げは前年比13.4%増(同8.7%増)だった。

店舗別売上では、全店が前年実績を上回っている。

商品別売上(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は前年同月比20.5%増(2020年同月比3.0%増)、西武池袋本店は19.9%増(同8.2%増)となった。

2月の売り上げは全店計は既存店前年比20.5%増と17カ月連続で前年を超えた。

プレステージブランド(前年同月比約30%増/2020年2月比約70%増)、呉服高級雑貨(前年同月比約20%増/2020年2月比約20%増)は好調を継続。卒業式、入学式など学校行事ニーズも復活する中、衣料品トータル(前年同月比約30%増/2020年2月比約15%増)でも大きく売り上げを伸ばした。

食品(前年同月比約15%増/2020年比約5%増)、飲食(前年同月比約60%増/2020年比約5%増)も、ともに好調に推移している。

免税売上高は約2倍(2020年2月比約20%減)、客数約1510%増(同20%増)となっている。

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