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大手百貨店/4月売上高、高付加価値商材・免税売上回復で大手5社前年超え

2023年05月01日 16:40 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は5月1日、4月の売上速報を発表した。

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比17.2%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)15.6%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)12.9%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)11.8%増、そごう・西武10店計8.6%増だった。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 17.2%増
J.フロントリテイリング 15.6%増
H2Oリテイリング 12.9%増
高島屋 11.8%増
そごう・西武 8.6%増

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比25.4%増、三越日本橋本店店頭15.9%増、三越銀座店41.4%増などで、三越伊勢丹計23.2%増だった。

札幌丸井三越12.7%増、函館丸井今井4.4%減、仙台三越7.7%増、静岡伊勢丹1.4%増、名古屋三越4.4%増、松山三越15.3%減など、国内グループ百貨店計は8.1%増となり、国内百貨店計は17.2%増となっている。

両本店を中心とした高付加価値商品の売上が牽引した。また、伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、統合後最高実績だった2018年度を上回る実績で推移した。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、宝飾・ハンドバッグ・財布が特に好調で売上を牽引している。外出機会の増加に伴いオケージョンアイテムやリゾートアイテムなどへの関心が高まった。また、独自性のあるイベントや催事も、実績の押し上げにつながった。

免税売上は、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・宝飾などへの関心の高さが継続し、首都圏店舗を中心に伸長した。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比16.0%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は15.6%増だった。

4月度の売上高は、入店客数の増加に伴い、婦人服ではジャケット、ワンピース、婦人靴ではスニーカー、サンダル、紳士服飾ではスーツ、アウトドア用品などがよく動き、ラグジュアリーブランド、化粧品、宝飾品も大きく売上を伸ばした。

店舗別では、15店舗中12店舗が前年実績を上回った。入店客数が大きく回復している東京店は、前年の約4割増の売上となった。大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、対前年391.6%増(客数3465.9%増、客単価86.2%減)でだった。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比12.9%増となった。内訳は阪急本店16.5%増、阪神梅田本店0.2%減、支店計12.3%増。

日常生活の正常化に向けた流れの中、新生活も背景に、春のファッションや各種ギフトなど前月に引き続きお客の購買意欲は高く、売上高前年比2ケタ増と好調。今月も都心店(前年4月に建て替えグランドオープンした阪神梅田本店を除く)が、売上高前年比18%増と牽引した。阪神梅田本店は、前年グランドオープンの売上高実績に対して100%と健闘した。

売上高の2018年対比は6%増、インバウンドを除く国内売上高対比9%増と、ともに今月もコロナ前水準を上回った。特に、阪急本店は2018年対比13%増、同国内売上高対比20%増と、2ケタ増の高い伸びを示した。免税売上高は、引き続き韓国・台湾・香港からのお客の売上高は堅調に推移し、2018年4月に対して19%減まで回復した。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋国内百貨店既存店計は11.8%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は10.3%増

4月度の商品動向は、引き続き高額品が堅調に推移したほか、気温上昇に伴い春夏物の衣料雑貨が動いた。さらに、免税売上高の伸長により、店頭売上高は前年実績を上回った。店舗別売上高では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、柏店、岡山店、岐阜店が前年実績を超えた。

商品別売上高(自社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、スポーツ、リビング、食料品、食堂が前年実績を上回った。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は前年同月比8.6%増(2019年同月比4.2%減)、西武池袋本店は11.0%増(同0.2%増)となった。

4月は、高額商材領域は、依然好調を継続し、プレステージブランド(前比約25%増/2019年比約65%増)、呉服高級雑貨(前比約10%増/2019年比約35%増)だった。

外出および旅行に向けたニーズが復活、衣料品計でもコロナ前売上を確保し、衣料品計は前比約15%増、2019年比0.0%となった。

免税利用売上・客数も復調傾向で、売上前比約210%増(3倍強)/2019年比約54%減。客数前比約1490%増(16倍弱)/2019年比約35%減だった。

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