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大手百貨店/7月売上高、高額品・インバウンド・夏物好調で5社増

2023年08月01日 16:10 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は8月1日、7月の売上速報を発表した。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 19.3%増
J.フロントリテイリング 11.6%増
H2Oリテイリング 17.3%増
高島屋 11.4%増
そごう・西武 4.1%増

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比19.3%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)11.6%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)17.3%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)11.4%増、そごう・西武10店計4.1%増だった。

引き続き好調な高額品、インバウンドに加え、猛暑によりサングラス、サンダルなど雑貨が活発に動いた。

■三越伊勢丹HD(2023年3月期売上高:4874億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比19.6%増、三越日本橋本店店頭10.8%増、三越銀座店42.4%増などで、三越伊勢丹計19.3%増だった。

札幌丸井三越12.7%増、仙台三越1.1%増、静岡伊勢丹0.8%増、名古屋三越5.9%増、広島三越0.8%減、高松三越6.7%増など、国内グループ百貨店計は7.2%増となり、国内百貨店計は14.5%増となっている。

両本店を中心とした高付加価値商品の売上が、引き続きけん引。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、16カ月連続で2018年度を上回る実績で推移をしている。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、宝飾・ハンドバッグが特に好調。外出需要の増加を背景に夏物衣料や服飾雑貨も堅調に推移した。

また、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に軽衣料やバッグなど秋物の新作も好調だという。

免税売上はラグジュアリーブランドのハンドバッグ・宝飾などへの関心の高さが継続し、東京・札幌・福岡の店舗を中心に大きく伸長したことで、 国内百貨店計(既存店)で、コロナ前の2018年同月実績を超えた。

■J.フロントリテイリング(2023年2月期総額売上高:9987億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比11.6%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は11.6%増だった。

7月度の売上高は、ラグジュアリーブランドや化粧品が引き続き好調に推移したことに加え、猛暑により婦人カットソー、サマーニットなどの盛夏商品、サングラス、サンダルなどが活発に動き、好調に推移した。

店舗別では、15店舗中14店舗が前年実績を上回った。ターミナル店舗である梅田店、東京店が前年の2割を超える伸びとなった。心斎橋PARCOとの共同販促により入店客数が前年の7割増となった心斎橋店は、売上も3割超増加した。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、対前年320.2%増(客数同1951.6%増、客単価79.5%減)。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2023年3月期売上高:6280億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比17.3%増となった。内訳は阪急本店17.3%増、阪神梅田本店19.7%増、支店計16.6%増。

前年中旬以降における新型コロナウイルス感染第7波の影響の反動もあり、売上高前年比は約2割増と伸びた。中でも都心店が、各店とも前年2桁増の売上高の伸びを示しけん引している。例年より少し長い梅雨、連日の真夏日にも関わらず、来店客数が順調に推移している。

売上高の2018年対比は11%増、インバウンドを除く国内売上高対比6%増と、ともに今月もコロナ前水準を上回った。免税売上高は、前月に続き単月として過去最高を更新した。

阪急本店は、モード・インターナショナルファッションを主軸に婦人ファッション全カテゴリー、アクセサリー、バッグ、婦人靴、化粧品などの売上が、前年に対し2桁と好調。夏のクリアランスを1日から開始し、スタート日をそろえることで一定の成果は見られたが、それ以上に定価商材の売上の伸びが大きく、価格に関わらず鮮度のある商材への反応が高いという。

サングラス、帽子、パラソル、サンダル、スニーカーなど盛夏アイテムとしてすぐに使える商品が好調。また、夏祭りや花火大会の通常開催を背景に、ゆかたも期間計で約6割増と大きく伸びた。

人気催事「ハワイフェア」を開催。海外からのアーティスト、デザイナーなどが多数来日。また旅行ムードの高まりも後押しし、連日にぎわい、過去最高売上を更新したとしている。

■高島屋(2023年2月期営業収益:4434億円)
高島屋国内百貨店既存店計は12.3%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は11.4%増だった。

7月度の売上高は、国内・免税売上高ともに堅調に推移し、前年・2019年を上回っている。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、柏店、岡山店、高崎店が前年実績を超えた。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂が前年実績が前年実績を上回った。

■そごう・西武(2023年2月期営業収益:1854億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は前年同月比4.1%増(2019年同月比0.1%減)、西武池袋本店は6.7%増(同5.7%増)となった。

7月は、高額商材領域は、依然好調を継続。プレステージブランド(前比約20%増)となっている。

猛暑の影響で化粧品、帽子、サングラスなどの婦人雑貨(5%増)需要が増加した。ワンピースなどきちんと見える盛夏スタイル、外出機会の増加でジャケットなど羽織ものの動きも活発化し、衣料品計は前比約10%増(婦人服5%増、紳士スポーツ10%)だった。

免税利用売上・客数も復調傾向で、売上前比約3倍強、2019年比約25%減。客数前比約10倍、2019年比約10%減だった。

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