大手百貨店/6月売上高4社そろって増、夏物・ラグジュアリーブランドが好調
2024年07月01日 16:26 / 月次
大手百貨店4社が発表した6月の売上速報によると、三越伊勢丹前年同月比24.2%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)20.2%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)25.5%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)17.1%増だった。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 24.2%増 |
J.フロントリテイリング | 20.2%増 |
H2Oリテイリング | 25.5%増 |
高島屋 | 17.1%増 |
サングラス、サングラス、衣料品など夏物アイテムが好調に推移。インバウンドもラグジュアリーブランドを中心とする高額品が伸びている
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比28.6%増、三越日本橋本店店頭17.2%増、三越銀座店39.2%増などで、三越伊勢丹計24.2%増だった。
函館丸井今井10.5%増、仙台三越0.3%減、新潟三越伊勢丹1.2%増、静岡伊勢丹6.3%減、名古屋三越3.6%増、松山三越4.8%減など、国内グループ百貨店計は10.0%増となり、国内百貨店計は19.0%増となっている。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店を中心に、引き続き高付加価値商品の売上が伸びている。両本店・三越銀座店の3店舗共に12カ月連続で2018年度を上回る実績で推移している。
ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾、化粧品などの好調も続いている。気温上昇に伴い、サングラス、ブラウス、パンツなど夏物アイテムへの関心も高かかった。
免税売上は、国内百貨店計(既存店)で単月最高売上高を更新した5月に続き、2番目に高い実績となった。全体購買傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高いという。
■J.フロントリテイリング(2023年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比18.9%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は20.2%増だった。
6月の売上高は、気温の上昇に伴いパラソル、サングラス、UVケア商品などが活発に動き、ラグジュアリーブランドや化粧品も好調を持続した。
また、外商売上も対前年2ケタ増、休日数も対前年2日増だったこともプラスに影響している。
店舗別では、15店舗中14店舗が前年実績を上回った。心斎橋店が対前年3割増となったほか、京都店、札幌店、博多大丸も2割超の増収となった。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、名古屋店、札幌店、京都店などが高い伸び率を示し、好調店舗が全国に広がっていることなどから、前年同月比135.9%増(客数93.8%増、客単価21.7%増)だった。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比25.5%増となった。内訳は阪急本店35.7%増、阪神梅田本店8.4%増、支店計15.5%増。
全国的に梅雨入りが遅れ、真夏日が昨年よりも多いこともあり、都心店を中心に盛夏ファッションが活況で、全店売上高は前年に対して約3割増と実績を大きく上回った。中でも、免税売上高の伸長もあり阪急本店と博多阪急が全体をけん引した。
免税売上高は前年に対して約2.7倍、阪急本店も約2.7倍と引き続き好調で、同月の売上高では13カ月連続で過去最高を更新した。
お中元ギフトセンターはアイスクリームなど暑い夏を意識した商品が増加している。送料込みの産地直送ギフトも好調で、全体としては昨年並みで推移している。
阪急本店では、6カ月連続で、同月の売上高において過去最高を更新した。
インバウンドの押上効果もあり、婦人・紳士ファッションの売上高が前年同月比2割増と伸びている。
100万円以上の高額品の売上高は、前年同月比約4割増と引き続き高い伸びを示した。
■高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
高島屋各店計は17.2%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は17.1%増だった。
国内顧客は、梅雨に入ったことで晴雨兼用傘や、寒暖差対応のジャケットなどに動きが見られたという。
また、インバウンドは、引き続きラグジュアリーブランドを中心とする高額品が伸びている。
店舗別売上高は、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、柏店、EC店、岡山店、岐阜店、高崎店が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)は、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、サービスが前年実績を超えた。
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