J.フロントリテイリングは、森ビル、L Real Estate、住友商事と共同で進める銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業を「GINZA SIX(ギンザシックス)」とし、2017年4月20日に開業する。
26日に都内で開いた会見で、J.フロントリテイリングの山本良一社長は「時代の大きな転換点を迎える中で、これまでの50年間で築き上げてきたビジネスモデルや成功体験が通用しない局面が増えてきた。新たな成長を実現するためには、過去の延長線上ではない非連続な成長を目指す必要がある。10年先、20年先を見据え、ギンザシックスでは、百貨店はやらないという決断をした」と述べた。
全フロアを定期賃貸借契約で運営し、これまで進めてきた脱・百貨店モデルを超える、誰も見たことがない商業施設を目指す。
ギンザシックスの商業施設面積は約4万7000m2で、物販210店、飲食24店、サービス7店、合計241店が出店する。初年度目標年商は600億円、来館者数は2000万人を想定する。
総店舗数は241店で、半数以上の122店が旗艦店を出店し、どこよりも早く、どこよりも豊富な商品投入、どこよりも上質なサービスを提供する。
セリーヌ、ディオール、フェンディ、サンローラン、ヴァレンチノ、ヴァンクリーフ&アーベルの6ブランドが2~5層の旗艦店を出店する。
山本社長は「お客さまの商品の買い方が、ブランドやライフスタイルといった軸に変化している中で、百貨店だけが、従来型の商品分類にしたがった商品の売り方でよいわけがない。これまで、百貨店が得意としてきたコスメティックフロアやデパ地下とよばれる食品フロアでさえ、全く違う姿を見せる」という。
脱・百貨店モデルについては、「お客さまのニーズ、ウォンツに対応する店という視点で店舗を運営している。そのため、当社には東急ハンズやポケモンセンター、ユニクロさんなどが出店している」と解説した。
旧松坂屋銀座店の単独開発も可能であったが、銀座の街の発展を考え、森ビル、L Real Estate、住友商事といった異業種と協力した再開発に踏み切った。
J.フロントは、店舗だけでなくエリアの魅力を最大化し、地域とともに成長を目指す取り組みアーバンドミナント戦略を進めている。
ギンザシックスにおいても、銀座とともに成長するという覚悟を新たに、お客、地域との長期的な関係を築いていくという。
なお、既存店にギンザシックスのモデルを導入するかについて、山本社長は「銀座は百貨店をやらないが、既存店では各店舗の商圏や立地、役割を考慮しながら、運営方法を検討する。自社で仕入れて自社で売る商品、取引先に任せて売る商品、定期賃貸借を活用した売場などを組み合わせた運営を続けていく」と答えた。
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