バンダイナムコ/VR体験施設を商業施設に展開、国内外に20店出店
2017年06月13日 20:50 / 経営
バンダイナムコエンターテインメントは6月13日、本社で会見を開き、ヴァーチャルリアルティ(仮想現実)など最先端技術を活用したエンターテインメント施設「VR ZONE」を本格展開すると発表した。
VR ZONEは2016年4月から開始した、仮想現実技術でエンターテインメントの未体験領域を開拓するプロジェクト「Project i Can」が生まれたアミューズメント施設。
7月14日に、新宿・歌舞伎町の映画館・旧「新宿TOKYU MILANO」跡地に旗艦店として国内最大級のVR施設「VR ZONE SHINJUKU」をオープンする。
施設面積は約3500m2で、2019年3月末まで、敷地の利用契約を締結している。期間中の目標来館者数は100万人とした。
旗艦店の出店を皮切りに、VR ZONE SHINJUKUのエッセンスを集めた小型店舗「VR ZONE Portal」を今期中に国内外で20店出店する計画だ。
VRゴーグルを着用して、仮想現実体験ができるアクティビティを16種類展開。エヴァンゲリオンのメインキャラクター「エヴァ」の操縦体験ができるアクティビティ「エヴァンゲリオンVR The 魂の座」や業務用ゲームのマリオカートアーケードグランプリを再現した「マリオカートアーケードグランプリVR」などを展開する。
VR ZONE SHINJUKUを旗艦店と位置づけ、フルラインのコンテンツを展開。今後、ナムコと共同で、VRアクティビティが体験できる店舗「VR ZONE Portal」を全国のショッピングセンターを中心に展開する予定だ。
海外への進出も計画しており、2017年夏にはロンドンに海外1号店をオープンし、2017年秋には神戸に国内1号店の「VR ZONE Portal」を出店する予定だ。
VR ZONE Portalは、店舗面積約100m2~230m2で、コンテンツは3~4種類が目安の施設を想定している。
ショッピングセンターは、物販が全般的に不調で、アミューズメントを含めた体験型コンテンツが求められている。
一方で、従来型のアミューズメント施設は、景品をメインとしたUFOキャッチャー、メダルゲーム、カードゲームが中心で、どの企業の施設も差別化ができていないという課題があった。
この10年間は、アミューズメント施設を目的に商業施設に来店するのではなく、買物のついでにアミューズメント施設を利用する状況が続き、市場全体も停滞していたという。
バンダイナムコエンターテインメントは2016年4月15日から10月10日まで、東京・お台場の商業施設「ダイバーシティ東京」のアパレルゾーンに、「VR ZONE Project i Can」を設置。
VRエンターテインメント研究施設として、6つのコンテンツを展開し、期間中3万7000人の集客があった。
わざわざ商業施設へ来館したくなる施設を目指し、「VR ZONE Project i Can」を展開したという。
2016年12月9日には、商業施設の立地条件やVR体験施設がアミューズメント施設と併設しても、収益力がある施設となるのか検証するため、愛知県長久手市の商業施設「イオンモール長久手」内に、「VR NAGAKUTE By Project i Can」を併設したアミューズメント施設「namcoイオンモール長久手店」をオープンした。
1ゲーム100円や200円を中心とした既存のアミューズメント施設に、1ゲーム6分程度、700円~800円という価格帯の施設を併設して、きちんと集客ができるか検証した。
ホラー実体験室「脱出病棟オメガ」(体験時間6分~12分・体験料金税込800円)、VR鉄道運転室「トレインマイスター」(700円)、旧滑降体感機「スキーロデオ」(2分30秒・700円)を展開した。
長久手では、脱出病棟オメガの利用者では、普段はプリクラコーナーにしか立ち寄らない女子高生の利用が目立ち、スキーロデオでは、40~50代の普段、ゲームを利用しない世代の利用が目立ったという。
2017年6月には、仙台市の商業施設「イオンモール名取」のゲームセンターとフードコートの間で、期間限定のVR体験施設を展開し、異なる施設の立地条件での集客力を検証している。
お台場で展開した「VR ZONE Project i Can」は、あえて施設の告知を少なくして、VR技術やゲームに関心の高い客層を集客した。
今回、VR ZONE SHINJUKUはCMを投入するなど、施設のPRをしっかりと行うことで、ゲームに関心の高い特定の層だけでなく、ファミリー層を含んだ幅広い客層に対応する予定だ。
VRコンテンツは開発中のものを合わせて、現在、20コンテンツほどあり、これまでの商業施設の立地条件や客層の違いに基づいて、投入するコンテンツを選定するノウハウを蓄積したという。
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