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10月の景気動向/「小売」「飲食店」2カ月連続でプラス

2020年11月06日 16:10 / 経営

帝国データバンクは11月5日、「TDB景気動向調査(全国)」(2020年10月)を発表した。

<全国の景気DI>
全国の景気DI
(C)TEIKOKUDATABANK, LTD.2020

2020年10月の景気DIは、5カ月連続で前月比プラス(2.2ポイント)の33.8となった。

国内景気は、生産・出荷や個人消費が上向き、低水準ながらも緩やかに持ち直してきた。

10業界中「その他」を除く9業界、51業種中46業種でプラスとなった。「製造」では自動車関連を中心に持ち直しが継続したほか、「サービス」は「旅館・ホテル」が大幅なプラスとなった。

「小売」2カ月連続でプラス

「小売」(34.8)は、前月比2.7ポイント増。2カ月連続でプラスだった。

消費税率10%への引き上げから1年が経過し、新型コロナウイルスの影響もあるなか、多くの業種で前年同月に近い水準まで持ち直しつつある。

「家電・情報機器小売」(前月比3.6ポイント増)は、携帯電話など情報家電機器小売の景況感が大幅にプラス。「飲食料品小売」(4.8ポイント増)は、中食向けの料理品小売などが上向いている。

また、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(7.9ポイント増)では、販売単価DI(50.5、4.9ポイント増)が8カ月ぶりに50を超えた。

事業者からは、「インバウンドの落ち込みを衛生商品を中心とした特需で補っていたものの、足元で特需の部分が縮小している」(医薬品小売)、「小売業、特に都心のショッピングセンターにおける売上の回復が遅れているように感じる」(靴小売)などのコメントが寄せられた。

「飲食店」2カ月連続増も売り上げDIは低水準

「サービス」(35.1)は、1.2ポイント増と6カ月連続でプラスだった。

「旅館・ホテル」(14.8ポイント増)は2ケタ増で、過去最大の増加幅を記録。地方の旅館・ホテルを中心として設備稼働率や販売単価に回復傾向がみられた。

「娯楽サービス」(1.3ポイント増)では、フィットネスクラブやパチンコホールなどで持ち直しの動きがみられない。

「飲食店」(3.7ポイント増)は2カ月連続でプラスも、設備稼働率DI(31.7、5.0ポイント増)、売り上げDI(19.1、3.9ポイント増)の低水準が継続した。

企業からは、「Go Toイートで良くなっては来ているが、全社で前年比60%程度の売上でまだまだ厳しい状況」(日本料理店)といった声があがっている。

■調査概要
調査対象:2万3695社、有効回答企業1万1448社、回答率48.3%
調査事項:景況感(現在)および先行きに対する見通し、経営状況(売り上げ、生産・出荷量、仕入れ単価・販売単価、在庫、設備稼働率、従業員数、時間外労働時間、雇用過不足、設備投資意欲)および金融機関の融資姿勢について
調査時期・方法:2020年10月19日~10月31日(インターネット調査)

■問い合わせ先
帝国データバンク
データソリューション企画部 産業データ分析課
担当:窪田、池田、杉原、石井、旭、長崎
TEL:03-5775-3163
e-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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