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三越伊勢丹HD/細谷敏幸氏が社長就任、杉江氏は取締役に

2021年02月26日 16:20 / 経営

三越伊勢丹ホールディングスは2月26日、細谷敏幸氏が4月1日付で社長に就任する人事を発表した。

<細谷敏幸氏>
細谷敏幸

同社は、昨年11月に中期計画(2019年度~2021年度)を取り下げて以降、2030年のあるべき姿を明確化し、それを踏まえた新・3カ年計画(2021年度~2023年度)の策定を進めている。

重要な計画のスタートとなる2021年度を迎えるにあたり、新体制のもとで推進することが望ましいと判断し、岩田屋三越代表取締役社長執行役員の細谷氏が三越伊勢丹ホールディングス代表執行役社長CEO兼三越伊勢丹代表取締役社長執行役員に就任するもの。

細谷氏は、6月25日に開催予定の定時株主総会にて取締役としての選任議案を提出予定だ。

<杉江氏、細谷氏>
杉江氏、細谷氏

2月26日に行われたオンライン記者会見で、細谷氏は、「既存の百貨店はマスを対象にし、店舗に集客すれば買い回りが起きていた。しかし、今は目的買いが多くなり『個』への転換が必要だ。上質で感度の高い顧客をしっかり取り込むための戦略に力を入れる。当社の最大の強みは外商など、顧客の思いをしっかりくみ取り、新たな提案をする顧客とのつながり。足りないものは他社とも連携し、今後、既存のビジネスを踏まえつつ、新たなことにチャレンジしたい」。

また、「新たな体制のもと、全社員との危機感の共有、利益志向、戦略の立て直しを進めていく。岩田屋三越での危機感の共有は、全社員に戦略の考え方を発信、座談会・個人面談を開くなど腹落ちさせることでモチベーションアップを図り、皆の思いを一つの方向に向けることに成功した。本社でも同じやり方をとる予定だ」と意気込みを語った。

さらに、同社は構造改革を進めてきた結果、デジタル会員は2020年度約160万人(当初目標130万人)を達成見込み。オンライン売り上げも当初目標約200億円を上回る300億円規模まで成長してきており、今後もDXを強化していく方針だ。

杉江俊彦社長は、三越伊勢丹ホールディングス取締役兼三越伊勢丹取締役会長となる。

杉江氏は、「次の社長には本社だけしか知らない人材ではなく、地方の支店・子会社を再生した人をと考えていた。細谷氏は本社の婦人服・特選宝飾などを経験した営業のエースで、岩田屋三越を再生した実績があり新社長にふさわしいと判断した」としている。

三越伊勢丹の取締役会長である赤松憲氏は、4月1日開催予定の三越伊勢丹の臨時株主総会の終結をもって、同社の取締役を退任する。

■細谷敏幸氏略歴
1964年7月1日生まれ
1987年4月:伊勢丹(現三越伊勢丹)入社
2015年4月:同執行役員 営業本部商品統括部 婦人雑貨統括部長
2016年4月:同執行役員 営業本部商品統括部 婦人雑貨統括部長兼営業本部商品統括部 特選・宝飾時計統括部長
2017年4月:三越伊勢丹ホールディングス執行役員 経営戦略本部経営企画部長
2018年4月:岩田屋三越代表取締役社長執行役員(現任)
所有株式数:1万8800株(2020年9月30日現在)

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