食品卸のKS(旧・光商)/特別清算開始命令受ける、負債33億円
2021年05月31日 10:10 / 経営
帝国データバンクによると、KS(旧商号:光商、資本金7100万円、東京都台東区)は、5月19日に東京地裁より特別清算開始命令を受けた。
同社は、1988年3月に設立。製造を中国の協力工場や国内の外部業者に委託する形態で、キムチや蜂蜜を主体に、漬物、梅干し、めんつゆ、鍋つゆ、パスタソース、レトルト食品などのプライベートブランド商品、自社開発のオリジナル商品の販売のほか、イタリアンレストランの運営を手がけていた。中国内に独自の協力工場・調達先を確保し、顧客のニーズに迅速に対応できることを強みとしていたほか、最近では中国製食品の安全性の問題に加え、短納期に対応するため、2014年9月には群馬工場、2018年1月には千葉工場を開設。全国の食品専門商社を得意先に、2018年4月期には年売上高約80億4400万円を計上していた。
しかし、同期において、調達コストに加え、千葉工場の稼働に伴う費用などが嵩み、当期純損失約5億3800万円を計上。また、翌2019年4月期において、利幅の薄い取引の見直しや千葉工場の稼働不足、一部受注の翌期への持ち越し、さらにはイタリアンレストランの休業などにより、売上高は約76億1500万円に減少。これに伴い当期純損失約4億3900万円を計上するなど2期連続で赤字決算となったことで債務超過に転落していた。このため、群馬・千葉工場稼働の効率化、利益率の低い輸入食材の見直し、経費削減など経営改善に努めたものの奏功せず、金融機関からの借入金の返済負担も重く、資金繰りが悪化していたという。
こうしたなか、再建を図るべく外部企業とスポンサー契約を締結。再建スキームとして、2019年10月1日付で会社分割により設立された新会社・光商(TDB企業コード:661055511)に事業の大半を譲渡すると同時に、商号をKSに変更した後、2020年12月10日開催の株主総会の決議により解散していた。
負債は約33億円で、すべて金融債務。
なお、同社が手がけていた事業の大半は、新・光商に引き継がれ、現在も通常通り営業が行われている。
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