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家電量販店経営のアリウム商事/特別清算開始命令受ける、負債126億円

2022年06月27日 10:10 / 経営

帝国データバンクは6月27日、アリウム商事(旧・カコイエレクトロ、鹿児島県鹿児島市、登記面=東京都港区浜松町2-2-15)は6月14日に東京地裁より特別清算開始命令を受けたと発表した。

当社は1959年(昭和34年)9月に鹿児島新日電販売の商号で設立した。1970年12月に家電量販店大手のベスト電器(当時、福岡市、東証1部上場)と鹿児島県内のフランチャイズ契約を締結、数度の商号変更を経て1989年8月にカコイエレクトロへ変更した。

ベスト電器FC店のほか、携帯電話販売店「エディオンテレックス」、「auショップ」を展開するほか、「デジ倉」の屋号で通信販売にも進出。北京五輪開催を追い風にテレビ、DVDレコーダーの販売が好調だった2008年8月期には年売上高約219億6000万円を計上していた。

しかし、その後は薄型テレビ販売の反動減が大きかったうえ、大手家電量販店との競合もあり、苦戦を強いられていた。金融機関からの支援を仰ぎながら経営改善計画の策定をしていたなか、2013年8月にはベスト電器からエディオン(大阪市)とのFC契約に変更し、同年10月以降、順次店舗を「エディオン」に切り替えるなどで打開を図ったが、業況は好転せず、2020年6月期の年売上高は約68億8100万円までにダウン。過去の不良在庫処分もあって赤字を頻発し債務超過状態が続いていた。

近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う巣ごもり需要により、2021年6月期の年売上高は約77億5400万円に増加し、損益面においても持続化給付金などの支援で、最終黒字を計上していたものの、店舗開設や在庫・仕入れ資金として調達した多額の借入金が重荷となっていたことから、同年9月28日付で吸収分割によりカクイックスブリッジに家電量販事業に関する権利義務を、 第一リアルエステートに不動産賃貸事業に関する権利義務をそれぞれ承継していた。

その後、同社は、現商号に変更するとともに本店を現本店所在地に移転したあと、2022年3月11日開催の株主総会の決議により解散していた。

負債は現在精査中だが、2021年6月期末時点で約126億9400万円。なお、九州・沖縄地区で負債100億円以上の倒産が発生するのはホープエナジー(2022年3月破産、負債約300億円)以来3カ月ぶり、鹿児島県内ではビットマスター(2019年11月破産、負債約109億4400万円)以来2年7カ月ぶりだという。

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