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お茶の山口園など2社/破産手続き開始決定、負債計29億円

2022年06月28日 10:00 / 経営

帝国データバンクは6月28日、お茶の山口園(長崎県長崎市)と関係会社の山口園商事(同)は、6月17日に長崎地裁より破産手続き開始決定を受けたと発表した。

お茶の山口園は、1962年2月に創業、1971年3月に法人改組した茶類の小売業者。長崎県を中心に九州各県・山口県において、「お茶の山口園」の店舗名で、自社加工した九州産の緑茶やウーロン茶などの贈答用商品の販売および卸売りを手がけていた。

テレビCMの放映、新聞のチラシなど積極的な宣伝活動により、相応の知名度を有しており、ピーク時にはショッピングセンター、百貨店などの商業施設内の店舗も含めて約60店舗展開。2002年9月期には年売上高約25億1500万円を計上していたという。

しかし、景気悪化による個人消費の低迷や、安価なペットボトル商品の普及に加えて、贈答用などの高価なお茶の需要が低下したことで業績は苦戦を強いられていた。打開策として、自社ブランド「Jima Coffee」などコーヒー豆を販売するほか、ホームページ上で通信販売などを行っていたが、売り上げは伸び悩んでいた。

新型コロナウイルス感染拡大以降は、度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用により、一時休業や時短営業を強いられたことで、2021年9月期の年売上高は約10億3500万円までダウン。3期連続で営業損益段階から赤字を計上し、債務超過状態となっていた。近時は、取引先に対して支払い遅延が常態化するなど資金繰りが行き詰まっていた。不採算店舗の閉鎖を進めていたなか、年商の2倍を超える借入金の返済負担が重荷となっていたこともあり、事業継続を断念。全店舗を閉鎖し、今回の措置となった。

山口園商事は1989年2月に設立。不動産管理などを手がけていたが、お茶の山口園に連鎖する形となった。

負債は、お茶の山口園は債権者約38人に対して約27億1000万円、山口園商事は債権者約22人に対して約2億円、2社合計で約29億1000万円。

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