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エー・ピーHD/米山CEOがファウンダーに就任、野本取締役が社長に就任

2022年11月15日 13:40 / 経営

塚田農場などを飲食店展開するエー・ピーホールディングス(APHD)は11月15日付け、役員の異動を実施した。米山久代表取締役社長執行役員CEOが退任し、野本周作取締役上席執行役員COOが代表取締役社長執行役員CEOに就任した。

<米山会長(左)と野本新社長>
米山会長(左)と野本新社長

これに伴い、米山氏は代表取締役会長兼ファウンダーに就任し、同日付けで代表2名体制となった。米山氏は、引き続きAPHDの経営戦略の軸となる人的資本経営の推進、そのための経営理念の社内浸透やグループ会社の経営者育成などを行うほか、企業価値向上に尽力し、野本新社長をサポートする。

米山久代表取締役会長兼ファウンダーは、「かねてより、コーポレートガバナンスの充実、および所有と経営の分離を図るため、創業者であり代表取締役社長執行役員CEOである私の後継候補を念頭に置き、豊かな経験・知見のある人物の採用を実施してきた。これまでの実績ならびに社員からの評価などを鑑み、取締役上席執行役員COOの野本氏を後継者として指名した。全社一丸となっての対策を余儀なくされたコロナ禍においいては、野本氏の事業推進力や業績マネジメント力が私にとっても会社にとっても、希望を見出していく大きな支えとなった。現にこの間に蓄積・推進してきた緻密な努力や施策が奏功し、第7波の影響が薄らぎ始めた2022年8月以降においては、売上は週を追うごとに回復基調をたどった。アフターコロナに向けた早期の黒字化およびその後の成長戦略を力強く推進するために、野本氏の力を最大限活かした体制づくりが、これからの機動力として必要であり、まさに今が後継者計画を進める時であると判断した」と述べている。

また、コロナ禍での資本増強に際し第三者割当増資を大幅に引き受け、米山氏個人および米山氏が100%保有する資産管理会社を含めた議決権比率が58.2%(2022年9月末現在)となったことなどから、所有と経営の分離を図ることが、コーポレートガバナンス強化に重要であるという考えもあったという。

野本周作代表取締役社長執行役員CEOは、「私がAPHDの店舗に初めて行ったのは2016年の秋、当時の会社の同僚に連れられて行った塚田農場だった。そこでは、行き慣れていた同僚たちがスタッフの親しみのあるコミュニケーションに魅了される中、私は一人で『普通の居酒屋なのに、めちゃくちゃおいしい』と看板料理の地鶏炭火焼をはじめとする料理を食べながら驚愕していた。その後、縁あって2018年8月に海外事業や国内の新規事業を担当する執行役員として入社し、様々な課題解決をする中でわかったことが2つある」と述べた。

その上で、「1つ目は、産地や食材に対する深い理解、おいしさに対する妥協なきこだわり、お客様により素晴らしい食体験を提供したいという強い想い、そしてその想いに賛同する社内外の多くの仲間など、企業理念である『食のあるべき姿を追求する』ことに対する高い熱量と多くの資源という固有の強みを持っているということ。2つ目は、上場後に成長を強く指向した結果、店舗数・展開地域・業態数などの拡大に対応できず、それらの強みをうまく活かしきれなくなったために業績が振るわなくなっただけで、根源的な強みは失われていないこと。これらがわかったことにより、この会社は必ず復活できると確信し、様々な課題解決に取り組んできた」と指摘した。

さらに、「一方で、コロナ禍を通じ、我々が主戦場とする外食業界を取り巻く環境は大きく変わった。リモートワークの定着による会社飲み会の減少、デリバリー・お取り寄せなどによる内食・中食市場の拡大、価格帯の更なる二極化、購買行動のスマートフォンシフト、それに伴うカテゴリを越えた購買選択行動の加速、様々なツールやサービスの出現によるデジタル化の進展、集客手段の更なる多様化など、これまでの外食業界における勝ちパターンを大きく変えないと、もっというと食産業全体を見据えた新たな姿にならないと、生き残っていけない世の中になった。普通であれば途方に暮れる状況かもしれないが、我々には前述したように企業理念のもと、培ってきた強みがあり、その強みを活かすことで、むしろ変わるチャンスになると確信している。変わってしまった環境の中で、我々の強みを活かして価値を創出できる機会やチャンスを見出し、新しい世の中にフィットした『食のあるべき姿』を描き、実現していくこと。それを、新たに会長兼ファウンダーとなる米山氏と私という、明確に異なる強みを有する2人で力を併せて成し遂げていく所存だ」とコメントしている。

■野本周作(のもと しゅうさく)氏の略歴
生年月日:1978年1月13日(44歳)
略歴
2001年4月:松下電工(現パナソニック)入社
2011年6月:ローランド・ベルガー入社
2013年9月:ポジティブドリームパーソンズ入社
2016年11月:同社執行役員
2017年6月:デコルテ(現デコルテ・ホールディングス)入社
2018年8月:APHD入社執行役員海外・新規事業本部長
2018年8月:執行役員海外・新規事業本部長兼生産流通統括本部長
2020年1月:執行役員九州塚田農場事業本部長兼海外・新規事業本部長兼生産流通統括本部長
2020年6月:取締役執行役員COO
2022年6月:取締役上席執行役員COO(現任)

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