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サミット・服部哲也社長/2024年はMD開発・人事制度改革を強化

2024年01月05日 14:21 / 経営

サミットの服部哲也社長は、2024年はさらなる企業価値向上に向け、人事制度改革を強化する方針を年末記者会見で明らかにした。主な質疑応答は以下の通り。

<服部哲也社長>
服部哲也社長

――人事制度の改革に取り組んでいますね

服部 当社の使命である「生きる糧(かて)を分かち合うお店」に共感してくれる人財に入社してほしいし、経営上、人件費を抑えることは重要ですが、質の高い人財の報酬は上げたいと思います。

資格等級も含めて正社員、パート・アルバイト区別なく、全員社員でいいのではないでしょうか。ライフステージに合わせ、選択肢を選べる理想の人事制度に向け、改革に取り組んでいるところです。

ジョブ型ではなく、選択肢に合わせたやるべきこと、教育など対応させ、具体的な制度に落とし込んでいる段階です。なかなか難しいことではありますが、ここをやり切っていかないと「生きる糧を分かち合うお店」を人事面から実現できないと考えています。

また、2023年度からスタートした中期経営計画は、社員一人一人の頑張りのおかげで、計画値を上回っています。

――「個の総和」が浸透しているのですね

服部 一人一人がスペシャルな人財でなくても、一人一人の創意工夫が集まり、連携していれば大きな力になります。

成果主義ではないので、社員の連携が起きやすい組織風土なのも功を奏しています。一人一人が仕事にやりがいを感じ、連携力が高まれば、店舗の魅力が増し、お客様の来店動機にもつながります。

また、中計で掲げたコスト削減も総務部が消耗品の使い方を見直し、使用量を削減、管理することで億単位で改善しました。

――男性の育休取得も進んでいますね

服部 育児休暇は、2022年は約40人が取得しました。一番長い人で1年とっています。以前とあるセミナーで育児休暇3日~1週間ではパートナーに「(育休を)とったうちに入らない」と不評だと聞きましたが、当社はだいたい3カ月とる人が多いです。役割分担して、足りないところは連携して補う文化ですので、比較的とりやすい雰囲気だと思います。バイヤーが半年とった例もあります。

――中計の進捗状況を教えてください

服部 MDの強化はスーパーマーケットにとって、一丁目一番地。簡単に成果がでるものでなく、試行錯誤を続けています。

コンサルタントも入れ、バイヤーに対し商品開発のあるべき姿・実践力を指導してもらっています。

――MD強化にはプロセスセンター(PC)も重要です

服部 精肉・生鮮のPCは既にありますが、より強化するため2025年にはPCを新設予定です。部門を横断したMDなどPCを活用していきます。

――物流改革も進めていますね

服部 物流2024年問題は当社だけで解決するものではありません。首都圏SM物流研究会に参加することで、各社と納品回数の削減、事前発注の徹底、共同配送の可能性を探るなどさまざまな取り組みを進めています。

――DXも強化しています

服部 自動発注システムを今春から全店に導入する計画です。現在2店舗で実験中ですが、AIが学習が進み、品切れが減るなどうまく回りつつあります。

また、客数予測のAI活用も検討しています。店長の経験と勘、過去のデータに頼っていたのを、AIによる予想も使い、参考にしています。総菜の値下げの適正化にもAIを利用しており、総菜の適正な生産量を予測するシステムも近々全店に導入します。

――既存店の改装について教えてください

服部 長年改装していなかった店舗は、リニューアルすると売り上げがプラスになっています。人手不足や建築費高騰もあり、新店を出すのも大事ですが、既存店の改装や店舗が適切に運営できる人員体制を重視しています。

――ネットスーパーについて教えてください

服部 ネットスーパーは、2024年は月1店舗のペースで対応店舗を増やしていきます。

すでに実施している店舗では、月商1000万円規模になっているところも数店あります。

スーパーサンシのネットスーパーのビジネスモデルを取り入れていますが、置き配など都会型にアレンジしているのが順調な理由だと思います。

当社ではネットスーパー事業は、単独事業というより、自社の商圏内で、お客様が店舗に行けないときもサミットを利用いただくことを想定しています。ドミナントを拡充するための方策と考えています。店舗の1部門ととらえ、店舗全体で売り上げや経費を管理していきます。

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