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企業の休廃業・解散/全国5万6103件、小売4261件、サービス6735件

2021年01月19日 14:00 / 経営

帝国データバンクは1月18日、2020年の全国企業「休廃業・解散」動向調査結果を発表した。

2020年に全国で休業や廃業、解散を行った企業(個人事業主を含む)は5万6103件(前年比5.3%減)となった。

<全国の休廃業・解散件数は5万6103件>
全国の休廃業・解散件数は5万6103件
(C)TEIKOKU DATABANK, LTD.(以下同)

2016年以降、休廃業・解散件数は倒産件数(法的整理)の約7倍の水準で推移し、2019年は6万件に迫ったものの、2020年は一転して2年ぶりの減少となった。

<「小売業」休廃業・解散件数は4261件>
「小売業」休廃業・解散件数は4261件

業種別では「建設業」(7037件)が最も多く、「サービス業」(6735件)、「小売業」(4261件)、「卸売業」(3674件)が続いた。「運輸・通信業」(664件)は唯一前年から1割超増加したほか、2016年以降で最多となっている。

発生率を表す休廃業・解散率では、最も高いのは「小売業」で2.48%となった。次に高い「卸売業」(2.11%)を0.37ポイント上回った。全業種で最も低いのは「運輸・通信業」で 1.37%だった。

<BtoC業種の小売など休廃業・解散率が高い傾向に>
休廃業・解散率が高い傾向に

休廃業・解散率では、最も高いのが新聞配達などを手掛ける「新聞小売業」で5.24%となっている。

前年から0.80ポイント増加し、上位15業種の中では唯一5%を超えた。続いて、「バー、キャバクラ」(4.87%)、技術開発型のスタートアップなどを含む「技術提供業」(4.62%)、「かばん・袋物小売業」(4.37%)、「米穀類小売業」(4.25%)などが上位に入っている。

帝国データは、「持続化給付金事業など政府による経済対策、特例融資など金融機関による手厚い支援が中小企業の経営を強力に下支えした。企業の景況感がリーマン・ショック発生時並みの記録的な低水準にまで急落するなど経営環境が大幅に悪化していたにも関わらず、企業の休廃業・解散については倒産と同様、例年に比べてその発生が大きく抑制された」と指摘している。

都道府県別では38都道府県で前年を下回る

都道府県別では、38都道府県で前年を下回った。最も多いのは「東京都」の1万2106件で、全国で唯一1万件を超えている。

次いで「大阪府」(3649件)、「愛知県」(3453件)、「神奈川県」(3315件)が続き、全国で1000件を超えたのは合わせて14都道府県に上る。最も少ないのは「鳥取県」(224 件)だった。

一方、「岩手県」「徳島県」、「沖縄県」など8県では前年を上回って推移した。なかでも徳島県(258件)は前年を9.3%上回り、前年からの増加率は全都道府県で最大となっている。

沖縄県(461件)も前年から8.2%増加し、徳島県に次いで2番目に増加率が高い。総じて、中国以西の西日本地域で前年から増加した県が多いという。

■問い合わせ先
帝国データバンク 
データソリューション企画部 情報統括課
TEL:03-5775-3073  
FAX: 03-5775-3169

■調査概要
・帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースを基に集計。
・「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)によるものを除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(但し「みなし解散」を除く)を確認した企業の総称。
・調査時点での休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件数として再集計する事もある。
・2020年より一部集計対象・基準を変更し、2016年までの推移について遡り集計した。

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