アマゾン/千葉の物流施設にロボット2600台、働きやすさで物流品質向上
2023年06月07日 17:23 / 経営
アマゾンは6月7日、千葉県千葉市に開設予定の物流拠点「Amazon千葉みなとフルフィルメントセンター(FC)」を報道関係者に公開した。
<Amazon Roboticsイメージ動画>
※Amazon尼崎フルフィルメントセンター(兵庫県)
同FCは4階建てで、小型~中型の商品を一都三県中心に、全国に配送する拠点となる。2~4階の商品保管エリアに、「Drive(ドライブ)」と呼ばれるロボットを約2600台導入する。ロボットが商品棚を持ち上げて移動する「Amazon Robotics(アマゾンロボティクス)」を導入する拠点としては、国内最大だという。
ドライブが「Pod(ポッド)」と名付けた専用の商品棚(約3万台)を移動させることで、働くスタッフの業務をアシスト。これにより、より短い時間で棚入れや棚出しをすることができる。
ドライブは床に添付したQRコードを読み取り、移動。保管や棚入れを行う。
ドライブは充電式で、電池残量が少なくなってくると、自動的に充電スペースに移動。5~10分で充電可能となっている。
また、ドライブとポッドの活用により、最大約40%多くの在庫を保管でき、スペースの節約が可能となるため、商品の品ぞろえを増やすこともできるとしている。商品在庫数は約1700万個以上、入出荷1日60万個の予定だ。
棚出しの際は、取り出すべき商品がある棚をシステムがライトアップして、知らせてくれる。スキャナーを使わず作業できるため、人為ミスを減らす仕組みとなっている。
なお、ソーターなどはメザニン(組み立て式の中二階棚)に配置し、スタッフが作業するスペースと分けることで、安全性の向上を図っている。自社設計のため、物流設備の位置、ドライブが動きやすい柱のサイズなどに配慮した施設設計だという。
■働きやすさで物流品質向上目指す
<働きやすさを強化したFC>
※片桐秀行千葉みなとFCサイトリーダー、原氏、渡辺氏
原祐介JP FCオペレーション事業部統括本部長は「新FCは、EC需要の大きい東京、一都三県へのアクセスがよく、高速道路にも接続しやすいため全国配送に対応できる。働く人にとっても千葉県近隣から通勤しやすい立地だ。また、安全衛生管理、出荷管理、ピッキング、梱包(こんぽう)、出荷作業など2000人以上の雇用機会創出を見込む」と意気込みを語った。
さらに「アマゾンでは、地球上で最高の雇用主、安全な職場づくりを目指しており、温かい食事を食べられるカフェテリアも5月11日オープン。施設は稼働前だが、工事に携わる事業者向けに食事の提供を開始し、好評を得ている」と説明している。
渡辺宏聡オペレーション技術統括本部長は「働くスタッフの業務負荷削減、快適な作業実現のため、最先端のテクノロジーを導入している。安全で快適な作業が、効率的な庫内作業、迅速な配送といった物流品質の向上につながると考えている。施設内各所には、働きやすさのためのさまざまな施策を取り入れた」と述べた。
今回のFCから、グローバルでアマゾンのオペレーションのテーマカラーであるブルーをインテリアに取り入れた。同社のリーダーシップの理念を壁面にデザインしている。
施設内では、疲労軽減マットを導入。安全な労働環境づくりを推進している。
壁、柱、ポールなど注意喚起のため鮮やかな黄色とし、5S活動を推進している。
トラックバースは壁、カーテンを設置し、全館空調で働く環境に配慮したという。
<アマゾン日本最大規模のロボット導入>
■Amazon千葉みなとフルフィルメントセンター
所在地:千葉県千葉市
延べ床面積:約12万m2
商品保管容量:120万立方フィート(ft3)
開設日(予定):2023年8月
ドライブ数:約2600台
ポッド数:約3万台
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