大手百貨店/2月売上高うるう年の反動で高島屋0.5%減、三越伊勢丹2.3%増
2025年03月03日 16:42 / 月次
大手百貨店4社が発表した2月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比2.3%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)4.1%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)0.6%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)0.5%減だった。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 2.3%増 |
J.フロントリテイリング | 4.1%増 |
H2Oリテイリング | 0.6%増 |
高島屋 | 0.5%減 |
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比0.4%減、三越日本橋本店店頭6.7%増、三越銀座店8.8%増などで、三越伊勢丹計2.3%増だった。
函館丸井今井14.0%減、仙台三越8.5%減、新潟三越伊勢丹13.4%減、静岡伊勢丹1.3%増、名古屋三越0.3%減、広島三越18.1%減、岩田屋三越2.2%減など、国内グループ百貨店計は3.2%減、国内百貨店計は0.4%増となっている。
営業日数がうるう年の前年より1日減、また伊勢丹新宿本店はお得意さま向けイベントを1月に開催(前年は2月開催)していたため若干低調だった。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店は、引き続き高付加価値商品が好調だった。
ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドのハンドバッグ・衣料品、時計・宝飾、化粧品などが堅調に推移した。
気温が低い日が多かったため、2月から着られるコート、ブルゾン、ジャケットに動きがみられたという。
免税売り上げは、前年実績を大きく上回った。国内百貨店の全体購買傾向と同様に、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・財布、宝飾・時計、化粧品などが好調に推移している。
■J.フロントリテイリング(2024年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比4.6%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は4.1%増だった。
2月は、うるう年の反動があったものの、ラグジュアリーブランド、化粧品、宝飾品が好調を持続したことに加え、バレンタイン商戦も好調に推移するなど大きく売り上げを伸ばした。
店舗別では、15店舗中9店舗が前年実績を上回った。訪日外国人売り上げが好調な心斎橋店、札幌店が対前年2ケタ増となっている。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、春節期間中に大きく売り上げを伸ばしたことなどから、35.5%増(客数50.7%増、客単価10.1%減)。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比0.6%増となった。内訳は阪急本店3.8%増、阪神梅田本店7.6%減、支店計2.1%減。
暖冬だった前年に対し、今年の2月は厳しい寒さが続き、春物の動きが低調だった。しかし、バレンタイン商戦が好調だった阪急本店がカバーし、うるう年だった前年の売上高を若干上回った。
阪神梅田本店は、改装に伴い催事場を含めた一部の売り場閉鎖が継続中。そのため大型催事の中止なども影響し、前年の売上高を下回った。
免税売上高は、前年に対して暦のずれにより春節期間が1月へ4日間前倒しになったものの約1割増、阪急本店も約1割増と、営業日数が1日多い前年の実績を上回った。同月の売上高では21カ月連続で過去最高を更新している。
阪急本店は14カ月連続で、売上高の過去最高を更新。宝飾品が約3割、化粧品が約2割売り上げを伸ばしている。
バレンタイン商品は期間中売上高約32億円と過去最高を更新した。
100万円以上の高額品の売上高は、前年の約2割増と引き続き好調に推移している。
■高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
高島屋各店計は1.7%増、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は0.5%減だった。
免税売上高は11.4%増となっている。今年1月28日~2月4日、前年2月10日~2月17日の「春節」期間対比では、前年比28.4%増となった。
前年の「うるう年」反動や2月度における「春節」日数減(前年比4日減)、紳士服、婦人服など春物の動きが弱く、売り上げは前年並みにとどまった。
店舗別売上高は、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、EC店が前年実績を超えた。
商品別売上高(同社分類)は、婦人雑貨、特選衣料雑貨、スポーツ、サービスが前年実績を上回っている。
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