イオン相模原ショッピングセンター/衣食住を刷新、ファミリー層強化で26年度来館1200万人目標

2025年07月18日 16:50 / 店舗レポート

イオンリテールは7月18日、大規模改装が完了した「イオン相模原ショッピングセンター」(以下:イオン相模原SC、相模原市南区)を報道陣に公開した。

<店内吹き抜けに大型ビジョン>
店内吹き抜けに大型ビジョン

イオン相模原SCは1993年8月に「ジャスコ相模原店」として、開業してから32年たっている。当時のニューファミリーをターゲットとしており、来店客の高齢化により中心顧客の年齢が50~70代に上がっていた。

商圏の神奈川県相模原市、東京都町田市・八王子市は子育て中のファミリー人口が増えているにもかかわらず、若年層を取り込めていないことが課題だったという。

また、近隣には「イトーヨーカドー小淵店」、「MEGAドン・キホーテ古淵店」、「島忠ホームズ相模原店」、「ロピア相模原島忠ホームズ店」、「ニトリモール相模原」、「オーケー古淵店」と競合が出店。競争が激化する中、他社との差別化を図ることも急務となっていた。

そこで、2023年11月第1期改装として、食品とヘルス&ビューティーを強化。2025年4~6月にかけて、GU、3COINS+など若年層に好まれる専門店や最新の直営売り場の導入、420席の大型フードコートの新設を行った(今回のリニューアルで新規出店は18店舗、移転26店舗、リニューアル9店舗)。

<青果を一押しした食品フロア>
青果を一押しした食品フロア

改装の結果、コロナ禍前の2019年から2024年度の売上高は約1.4倍に増加。リニューアルの完了により、2026年度の来館者数は約1200万人を目指す(2022年度来館者数は約1000万人)。

<人気の鮮魚対面売り場>
人気の鮮魚対面売り場

核店舗のイオン相模店の松木一朗 店長は「ファミリー人口が増えている中、改装前は10~20代がほとんど来店していなかった。そのため、若年層に向けたMDを大幅に取り入れた。また、鮮魚の対面売り場など生鮮、充実したデリカで他社と差別化を図り、商品面を強化した」と話す。

<アジアのミニコスメ充実>
アジアン ミニコスメ充実

具体的には、ヘルス&ビューティーは若年層に人気の「&be」、「キャンメイク」など日本のプチプラコスメ、アジアのミニコスメなど話題の商品を充実させた。改装効果で売上高は順調に伸長しているという。

松木店長は「食品フロアのリニューアルも、売り上げ増につながっている。改装前に比べ、青果を大きく入り口に展開。神奈川県産野菜、オーガニック野菜も拡充した。鮮魚の対面売り場を2倍にしたことで、販売員にファンが付き、当社の中でも全国3番目の売り上げとなっている。畜産の対面売り場も、50g(1切れ程度)から購入でき、必要量だけ買える利便性がうけている」と説明している。

商品の強化と共に、動線の改善、通路幅の拡張などハード面の売り場づくりも実施した。

<ベビーカーも通りやすく見通しのよい通路>
ベビーカーも通りやすく見通しのよい通路

食品売り場の入り口から、奥のデリカ売り場まで約110mの広い通路を見通しよく作った。奥のすし売り場「花の郷」が目的地となり、その周辺に配置した弁当・総菜から量り売りデリ、店内で焼き上げたピザ、焼き立てパン、レジ、イートインと買い回りしやすい動線となっている。

<買い回りしやすいデリカ>
買い回りしやすいデリカ

デリカ売り場に向かう途中に、横浜をのぞく西神奈川エリア最大級の冷凍食品売り場を設けた。

<1000品目そろう冷凍食品売り場>
1000品目そろう冷凍食品売り場

冷凍野菜、人気外食チェーンの総菜、ご当地アイス・スイーツなど約1000品目がそろう。

2階はファッションフロアで、専門店、直営売り場と区分けしすぎず、コンセプトやターゲット年齢に合わせた店舗配置を行っている。

Z世代向けに、カジュアルアイテムにトレンドをミックスして、新しさと楽しさを提案する専門店「ダブルフォーカス」を導入した。

<ダブルフォーカス>
ダブルフォーカス

流行の韓国ファッションやTシャツなどユニセックスで着られる商品、デコシールなどのサンリオ・ディズニー雑貨などを取り扱う。

「GU、チュチュアンナ、スターバックスといった若年層に人気の専門店、若手店長やスタッフのセンスで盛り上げているダブルフォーカス、未来屋書店、キャンドゥといった店舗配置により、若い世代の来店が増えている」という(松木店長)。

そのほか、ファミリー向けSPAブランド「TVC」、環境に配慮したエシカル商品を展開する「SELF+SERVICE」が好調に推移している。

2階には、従来3階にあった暮らしの品を移設。「住まいとエンターテインメント」をコンセプトに、「余暇」シーンの提案と品ぞろえを強化した。

ホビー・クラフト、文房具、家電・リフォーム、ホームファッション、携帯電話の5つの専門店を導入している。

<ザッカラ>
ザッカラ

若年層向けでは、子どもから大人まで楽しめるプラモデル、ジグソーパズル、手芸用品、キャラクター雑貨を集積した「ZACCARA(ザッカラ)」を展開している。

<ポップで楽しい売り場を演出>
ポップで楽しい売り場を演出

さらに、各売り場ではポップを使って、楽しく演出している。

<要望が多かったフードコート>
要望が多かったフードコート

3階は、直営のベビー・キッズ専門店「キッズリパブリック」、「フードコート 古淵KITCHEN TERRACE(こぶちキッチンテラス)」 、新感覚アミューズメントパーク「ASOBLE(アソブル)」、アミューズメント「モーリーファンタジー」とファミリー向けの大型売り場・テナントを集めた。

<キッズリパブリック>
キッズリパブリック

松木店長は「今回の改装では、さまざまな面でスタッフの意見を取り入れた。ハード面をきれいにするだけでなく、いかに働く人たちが楽しく盛り上げていこうとするか、最後は人だと思っている。特にダブルフォーカスでは、若い人たちが店内装飾や、マネキンの髪型まで自分たちで考えて、作り上げている」と力を込めて語った。

■イオン相模原ショッピングセンター
核店舗:イオン相模原店
所在地:神奈川県相模原市南区古淵2-10-1
売り場面積:約3万m2(食品約4087m2、衣料品約7000m2)
直営売り場:約1万6000m2
開店日:1993年8月11日
駐車台数:約1500台
駐輪台数:約1230台
専門店数:70店舗
営業時間:1階 食品・酒売り場8時~23時、その他9時~22時
休業日:年中無休

取材・執筆 鹿野島智子

イオンリテール/「イオン相模原ショッピングセンター」7/18全館リニューアル

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