スノーピーク/元スタバCEOの水口貴文氏が新社長、山井太社長は会長に
2025年09月30日 17:10 / 経営
スノーピークは10月1日付で、元スターバックス コーヒー ジャパンCEOでスノーピーク社外取締役の水口貴文氏が新社長に就任する。山井太社長は会長に就く。
9月30日に都内で行われた「新社長就任及びMBO後の事業概況・戦略発表会」で、山井社長は「感性豊かな事業経営のプロフェッションである水口さんには何としても仲間になってほしいと願い、3年半前に社外取締役をお願いし、今回の社長就任をお願いした。水口さんと組めば、私自身はもっと尖ることができる。それはスノーピークがもっと尖ることを意味する」と述べた。
水口氏はルイ・ヴィトンジャパン副社長や、ロエベジャパンカンパニーとロエベ韓国のCEO、スタバジャパンCEOを歴任していた。スタバジャパンCEOは今年3月に退任している。
水口氏は「私は外資系で働いていた印象があると思うが、いつか日本の価値観を世界に発信したいと思っていた。(スノーピークで)日本の自然観を世界に発信していく、そこに大きな意義を感じた」と社長就任を決めた理由を語った。
今後は、新たな体験価値を作る「構想化」を山井氏が、その構想を仕組み化したりブランド化したりする「具体化」を水口氏が担っていく。そのため、山井氏は「CEO兼CCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)」、水口氏は「COO兼CBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)」という肩書きとなる。
山井氏は「スノーピークの存在意義や理念については、互いに深く共感できているので、2人でそれをより高めていく」とした。
山井太社長は父の山井幸雄氏が創業した「ヤマコウ」(現スノーピーク)で、オートキャンプ用品の開発を行い、ブランドを確立。1996年に社名を「スノーピーク」に変更し、社長に就任。2020年に社長を退任して会長に就任していた。ただ、2022年に山井氏の娘で社長だった山井梨沙氏が「既婚男性との交際及び妊娠」を理由に社長を辞任。山井氏が再び社長に復帰していた。
■水口貴文氏略歴
東京都出身。上智大学法学部卒業後、イタリア・ボッコーニ大学経営学修士課程修了。プライスウォーターハウスコンサルティング入社。その後LVJグループ(現ルイ・ヴィトンジャパン)入社。マーチャンダイジング担当副社長を務める。ロエベジャパンカンパニーとロエベ韓国でプレジデント&CEOを務めた後、スターバックス コーヒー ジャパンCOOに就任。2016年には同社CEOに就任。2022年にはスノーピーク社外取締役に就任。2025年3月にスターバックス コーヒー ジャパンCEOを退任。
取材・執筆 比木暁
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