三越伊勢丹HD 決算/4~9月減収減益、国内堅調も海外顧客が苦戦
2025年11月13日 17:26 / 決算
三越伊勢丹ホールディングスが11月13日に発表した2026年3月期第2四半期(中間期)決算によると、売上高2538億6600万円(前年同期比3.9%減)、営業利益314億5100万円(9.8%減)、経常利益331億600万円(14.5%減)、親会社に帰属する当期利益293億7300万円(15.7%増)となった。
主力の百貨店事業は、国内は識別顧客を中心に堅調に推移したが、海外顧客の売上高は昨年円安で好調だった反動から落ち込んだ。
基幹3店舗の総額売上高は三越伊勢丹新宿本店1924億円(2.9%減)、三越日本橋本店771億円(1.1%増)、三越銀座店577億円(2.6%減)だった。
国内顧客シェアが高い三越日本橋本店は、前年同期を上回る売上高を達成している。
なお、当期利益は海外の構造改革で生じた営業外利益などがあり、増益。上期としての過去最高を更新している。
同日開催された決算会見で、細谷敏幸社長は「上期の識別顧客売上高は前年同期比4%増の3101億円、グループ年間300万円以上購買顧客は11%増の808億円と伸びた。識別顧客の数と売上高が増加するにつれ、グループの営業利益が成長している。今後は海外顧客の識別化を推進。12月から試験的にお得なクーポンを配信する。将来的には日本の顧客並みに、パーソナルな提案もしていきたい」と述べた。
百貨店事業の売上高は2094億円(4.7%減)、営業利益は254億4300万円(13.9%減)。
クレジット・金融・友の会業の売上高は169億3700万円(3.3%増)、営業利益は29億3000万円(8.0%減)。
クレジットカード会社であるエムアイカードでは、2025年3月にリリースした年会費無料の「エムアイカード ベーシック」の新規会員増加により、エムアイカード全体としての新規入会口座数は前年比4割増、カード会員数も増加傾向に転じて順調に推移している。
前中間連結会計期間に発生した貸倒引当金戻し入れ額の影響により、減益となった。
不動産業の売上高は114億3800万円(13.4%減)、営業利益は19億3400万円(34.2%増)。
新宿エリアの保有物件における賃料収入の増加が引き続き営業利益を押し上げた。
三越伊勢丹プロパティ・デザインは、オフィスおよびラグジュアリーブランドの改装案件の売り上げは堅調に推移した。同社の総額売上高は前年同期の大型受注の反動により前年実績を下回ったものの、業務改革に伴うコスト改善を着実に進めた結果、営業利益は増益だった。
その他事業の売上高は462億2000万円(3.2%増)、営業利益は8億8500万円(54.6%増)。
スーパーマーケット事業の総額売上高は前年同期比を上回ったが、百貨店ギフトの卸事業が伸び悩み、エムアイフードスタイルは減益。三越伊勢丹ニッコウトラベルは、クルーズツアーが好調で増収増益となった。
通期は、海外の構造改革で生じた営業外利益、持ち分法利益の増加などから、経常利益30億円、当期利益を20億円上方修正した。
売上高5560億円(0.1%増)、営業利益780億円(2.2%増)、経常利益770億円(12.6%減)、親会社に帰属する当期利益620億円(17.4%増)を見込んでいる。
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