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日本生協連/2018年度は増収減益、宅配の人手不足が課題

2019年06月14日 19:40 / 決算

日本生活協同組合連合会は6月14日、2018年度の地域生協の事業概況を発表した。

調査対象の125生協の供給高は2兆7593億1800万円(前年同期比0.7%増)、経常余剰金392億1100万円(11.7%減)となった。経常剰余率は1.37%。

<日本生協連のホームページ>
日本生協連のホームページ

宅配事業供給高は1兆8067億円(0.9%増)、うち個配1兆2860億円(2.0%増)だった。

宅配は、個人ニーズに対応したアイテム掲載を拡大し、個配を中心に伸長した。

WEBでの加入や注文、配送時のスマートフォン活用などITの活用を進めた。人手不足への対応として、宅配コースの効率化、小型車両の導入など女性や高年齢層も働きやすい環境整備をすすめた。

人手不足問題が大きな課題で、欠員が多い中でオペレーションに負荷がかかっている。非正規職員や委託取引先が導入しにくいエリアについては、正規職員を入れている。

宅配現場では、配達作業が煩雑になっている面があり、配達のサポート支援システムのように、スマホを活用して、配達現場でいろんな対応ができ、拠点に戻った後の事務処理が軽減できる取り組みをしている。

配達上の機材をどうローコストで仕入れるかを考えて、全国で共同調達する取り組みも進めている。大きな決め手はないが、配送業者の値上げが進んでいる中で、人手不足で苦労はしているが、自前で配達網を持っていることが強みになっている。

職員の定着も含めた配達体制をきちっと継続的に維持したいという。

店舗事業供給高は9057億円(0.2%減)となった。

2018年度は、新規出店3店、建替え3店、移転2店と出店が少なかったこともあり、減収となった。

店舗事業を強化するため、損益分岐点の本格的な見直しが必要で、人手不足への対応として、セントラル機能の活用や、キャッシュレス決済、セミセルフレジの導入が広がった。

損益分岐点については、複合的な要因が課題となっている。コープ商品の仕入れは統合してきているが、ナショナルブランドの商品は、各地域生協が行っている。そのため、一般のチェーンストアと比較するとナショナルブランドの仕入れにハンディキャップがある。

店舗数が少ないため、本部経費が高くなっている面もある。生協の店舗は、それぞれ小粒な規模でやっている。

事業連合で本格的にオペレーションを統一しているのは、首都圏のコープデリ生活協同組合連合会の事例があるが、地方は自前のため、本部機能の統一やシステムの共通化も含め、運営コスト自体を引き下げていくことが必要になっているという。

組合員数は前年比で39万人増加し2226万人(1.8%増)だった。

世帯加入率は38.1%で、宮城、北海道、兵庫、福井は、世帯加入率50%以上となった。

宮崎、岩手、奈良、香川、京都、愛媛は、世帯加入率45%超となった。

地域生協以外の医療・学校生協を含む、会員生協総組合員数は2929万人(2.0%増)で、2020年には3000万人に達する見込みだ。

今後も組合員数の拡大を目指す方針で、全都道府県で世帯加入率50%以上を目指す。

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