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ニトリHD/4~6月は急激な円安進行など輸入コスト上昇で営業利益13.7%減

2022年07月04日 14:10 / 決算

ニトリHDが7月1日に発表した2023年3月期第1四半期決算によると、売上高2166億4800万円(前年同期比0.6%増)、営業利益369億1700万円(13.7%減)、経常利益369億7100万円(14.9%減)、親会社に帰属する当期利益249億4200万円(14.3%減)となった。

ニトリ事業では、販売費・一般管理費については、物流の効率化による発送配達費の削減などを行い経費の抑制に努めた。しかし、急激な円安の進行や原油高に起因する輸入コストの上昇等により売上原価が増大した結果、営業利益は前年割れとなった。

期中に、ニトリ10店舗、デコホーム16店舗と積極的な出店を進めた。2022年4月には、都内最大級の売場面積を誇る新たな旗艦店としてニトリ目黒通り店をオープンした。目黒通り店では、部屋型プレゼンテーションを従来店舗よりも大幅に増加し、家具の配置やインテリア用品との組み合わせ、部屋の使い方など、新しい暮らしのアイデアを体感できる。また、生活応援キャンペーンとして、家具の無料配送や一部商品のお試し価格での提供により、困りごとを解決する提案を行い、好評だった。

新しい買い方の提案に関する取り組みとしては、前連結会計年度に開始した「インスタライブ」に加え、お客とのコミュニケーションをより密に取れる「ニトリライブ」を、ECサイト「ニトリネット」内に公開した。引き続き、オンラインとオフラインの融合施策を推進し、お客との継続的な関係性の構築と、買い物利便性の向上に努めた。

海外の営業概況では、中国において、感染症再拡大によるロックダウン等の影響により最大32店舗で営業停止となるなど、依然として感染症の影響による厳しい状況が続いている。東南アジア地域は、2022年1月にマレーシアのクアラルンプールへ出店した東南アジア地域1号店に続き、2022年3月には、シンガポールへの初出店を果たし、両店舗ともに売上は順調に推移している。「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」という企業理念の実現に向けて、今後も積極的な事業拡大を進める予定だ。

7月1日に都内の本社で開催した決算会見で、似鳥昭雄会長は、「第1四半期は目標に到達しなかったことをお詫びしたい。一番の要因は、為替予測がはずれた影響がある。9月まで1ドル114円台で為替の予約をしているが、反省点として、期末まで予約をすれば良かった。前は自分の勘と情報だけで、2年、3年と為替予約をしていたが、ここ数年は科学的な知見を踏まえるため、アナリストなど専門家の意見も聞きながら、為替の予約を考えていた。8月以降は115円以下になるとの予測で、円安が反転するとの予測だったが、こうはならなかった。最終判断したのは、私であり、私が悪かったと思う」と述べた。

通期は、売上高9636億円(18.7%増)、営業利益1506億円(8.9%増)、経常利益1530億円(7.9%増)、親会社に帰属する当期利益1040億円(7.5%増)を見込んでいる。

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