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U.S.M.H/電気代高騰などで2月期減収減益、収益構造を改革

2023年04月11日 11:50 / 決算

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスが4月11日に発表した2023年2月期決算によると、営業収益7086億9000万円、営業利益63億8400万円(47.5%減)、経常利益65億3600万円(47.6%減)、親会社に帰属する当期利益13億3600万円(75.1%減)となった。

今期は、世界的なサプライチェーン混乱や為替変動により輸入資源や原材料が高騰し、電気料を始めとしたエネルギーコストや食品を含む多くの生活物資の価格を押し上げるインフレへと急速に移行、消費マインドが大きく冷え込んだ。主力商品の価格抑制やPB商品の拡大などで価格維持に努め、家計をサポートするさまざまな販促施策に注力。電気使用量の抑制などコスト見直しに取り組んだが、電気料金の高騰を吸収できず、利益が想定を大幅に下回った。

グループでは、目標として掲げたコスト構造の変革、新たな店舗フォーマットの具現化、サービスや働き方の変革の取り組みを推進。無人レジやスマホ決済の利便性向上、オンラインデリバリーやデジタル販促などオリジナリティを特徴とするアウトプット、海外オフショアでの開発体制の確立などを基盤とし、これらを店舗に集約して新たなビジネスモデルとして試行する取り組みを社内横断的な体制で進めてきた。商品については、独自のサプライチェーン構築に向けて、新たなPB商品の開発や、完全室内栽培を実現した植物工場を本格稼働させ、そこで生産されるレタスをブランド商品化し販売を開始している。

主要連結子会社で、マルエツは「企業文化と収益構造の改革」を基本テーマとし、ビジネスモデル、売上総利益、コスト構造の改革にそれぞれ取り組んだ。加えて、生鮮素材を含む冷凍食品の売場拡大や商品の改廃などを重点に、既存店を活性化。お手頃な価格や品質にこだわった「maruetsu365」の展開や、「もっとからだにイイコト!」をアイコンにした健康提案を全店で開始した。

さらに、顧客へ多様な買物手段を提供するため、オンラインデリバリー併設店を累計37店舗、フルセルフレジ導入店を累計205店舗に拡大。「Uber Eats」を利用した店舗商品の配達サービスを65店舗で開始したほか、Scan&Go ignicaアプリによる会員制プログラム「マルエツプライム」を導入した。

カスミでは、顧客が求める価格と独自の価値にこだわり、販促を強化するとともに、「MiiL KASUMI」の拡大展開に取り組んだ。12月1日オープンのフードスクエアカスミ東海中央店(茨城県那珂郡)、2月17日オープンのフードスクエアカスミ友部旭店(茨城県笠間市)では、BLANDE Selectionなどの独自商品を強化するとともに、さらなるシェアの拡大を目指す取り組みを開始。植物性代替肉「ビヨンドビーフ」を活かした商品も開発している。

マックスバリュ関東では、「次に目指す水準へ成長するための構造改革実行の年」と位置付け、2店舗の大規模活性化と、小型のエクスプレス業態での買物体験型店舗1号店となるマックスバリュエクスプレス幕張店(千葉市花見川区)を開店した。このほか、新たに自社配送サービス「Order&Eat」を開始し、利便性の向上を図った。

2023年3月期は、マルエツが6店舗、カスミが8店舗、マックスバリュ関東が1店舗、グループ計で15店舗を新設した。一方、経営資源の効率化を図るため、マルエツが4店舗、カスミが3店舗を閉鎖し、グループの2月末の店舗数は、529店舗となった。

次期は、営業収益7338億円(3.5%増)、営業利益92億円(44.1%増)、経常利益93億円(42.3%増)、親会社に帰属する当期利益20億円(49.7%増)を見込んでいる。

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