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J.フロント/消費行動の回復や訪日外国人増加などで2月期増収増益

2023年04月11日 11:00 / 決算

J.フロントリテイリングが4月11日に発表した2023年2月期決算によると、売上収益3596億7900万円(前年同期比8.5%増)、営業利益190億5900万円(103.2%増)、税引前利益168億7300万円(172.6%増)、親会社に帰属する当期利益142億3700万円(229.4%増)となった。

総額売上高は9987億5500万円(15.3%増)。

百貨店事業の売上収益は2157億5400万円(13.1%増)、営業利益は減損損失などの計上も加わったが、75億2900万円の損失(前年は営業損失45億9400万円)と黒字に転換した。

感染症拡大や行動制限等による影響が縮小に向かうなか、これまで控えられていた消費行動が回復に向かい、訪日外国人観光客も増加。この間、推進してきた戦略投資の効果創出により、入店客数、売上高は着実に改善した。重点戦略への取り組みでは、主に、基幹店を中心にラグジュアリーや時計、アートなど重点カテゴリーの拡充に加え、大丸梅田店での大型キャラクター集積ゾーンの構築など各店の店舗特性を活かした売場・店づくりを推進。デジタル活用の取り組みでは、アプリを通じた顧客接点のデジタル化の推進に加え、データ分析・活用を通じた潜在顧客の発掘など顧客政策の進化を図った。

また、リアル店舗や販売サービス力など百貨店の強みを活かしたコスメのメディアコマース「DEPACO(デパコ)」を新たにスタート。富裕層マーケットへの対応を強化するため、重点カテゴリーの拡充やお得意様ラウンジなど上質な店舗環境の構築、店頭・お得意様専用サイトでの希少性の高い商品やサービス提案の充実を図るとともに、顧客層の拡大などに取り組んだという。

SC事業の売上収益は543億6100万円(3.4%増)。営業利益は松本PARCOの営業終了(2025年2月末予定)決定に伴う事業整理損や店舗の減損損失などを計上したが、37億3300万円(対前年81.6%増)となった。基幹店を中心とした戦略改装やプロモーション強化などにより、入店客数、テナント取扱高は着実に改善。各店において独自性の高いポップアップストアやキャラクターとのコラボレーション企画、地元連携による共同企画を展開した。

不動産事業の売上収益は546億7000万円(8.0%増)。営業利益は前期の固定資産売却益の反動などにより、36億9500万円(対前年21.6%減)となった。2026年の竣工・開業を目指す名古屋栄地区「(仮称)錦三丁目25番街区計画」、大阪心斎橋地区「(仮称)心斎橋プロジェクト」に加え、新たに、福岡天神地区において魅力的で質の高い街づくりへの貢献を目指し、地域や他社との連携による再開発の検討を進めている。

さらなる事業成長を図るため、持株会社直下に「J.フロント都市開発」を設置し、現在、パルコが運営するデベロッパー事業を同社に承継することを決定した。

次期は、売上収益4130億円(14.8%増)、営業利益385億円(102.0%増)、税引前利益360億円(113.4%増)、親会社に帰属する当期利益255億円(79.1%増)を見込んでいる。

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