流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





ニトリHD/3月期13カ月変則決算で増収増益・当期利益は24年ぶり減益

2023年05月09日 16:00 / 決算

ニトリホールディングスが5月9日に発表した2023年3月期決算によると、売上高9480億9400万円(前年同期比16.8%増)、営業利益1400億7600万円(1.3%増)、経常利益1440億8500万円(1.6%増)、親会社に帰属する当期利益951億2900万円(1.6%減)となった。

<白井社長兼COO>
白井社長兼COO

白井俊之代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)は、「30年前の1993年2月期と比較すると、店舗数では43倍、売上高では53倍、経常利益では107倍となった。2023年3月期は急激な減安や貿易企業の行動など厳しい環境が続いていたが、創業時から様々なチャレンジを行い、製造、物流IT小売業というビジネスモデルを生み出したことで、このような結果を得ることができた。引き続きより多くのお客様に豊かな暮らしを提供していけるよう取り組む」と業績概要を解説した。

今期は、2022年2月21日から2023年3月31日までの13カ月11日間の変則決算となり、増収増益となった。12カ月決算で比較すると減収減益となる。似鳥昭雄代表取締役会長は、「12カ月で見る増収増益ではない。今回、国際会計基準に合わせるために、月末の決算とした。来期は160億円の減収を見込んでいるが、まだ諦めていない。どこかと提携したり、M&Aなどもあり得るが、まだ何も決まっていない」と述べた。また、決算において、当期利益が前年割れとなるのは、24年ぶりとなる。

ニトリ事業は、国内でニトリ43店舗、デコホーム33店舗と積極的な出店を進めた。なかでも、ニトリ目黒通り店とニトリ池袋サンシャイン60通り店は、実際の部屋をイメージした部屋型プレゼンテーションを多数展開した都内の旗艦店としてオープンした。2022年7月には、早い時間帯に買い物をしたいというお客の声に対応し、353店舗において開店時間を11時から10時に繰り上げした。また、より多くのお客が満足できるよう、家具や家電商品の無料配送や、一部商品のお試し価格での提供を複数行うなど各種キャンペーン施策を実施した。

販売費及び一般管理費は、物流の効率化による発送配達費の削減などを行い、経費の抑制に努めた。しかしながら、急激な円安の進行や原油高に起因する輸入コストの上昇等により売上原価は増加した。

新しい買い方の提案に関する取り組みとしては、前連結会計年度に開始した「インスタライブ」に加え、お客とのコミュニケーションをより密に取れる「ニトリLIVE」をニトリネット内に公開し、週2回配信を行った。ニトリLIVE内ではクーポンの配布を行うなど、お客との接点拡大も進めた。また、自宅にいながら無料で窓まわりの商品購入に関する相談ができる「カーテンオンライン相談サービス」を開始した。このサービスでは、カーテン、ロールスクリーン、ブラインド等の商品の提案だけでなく、採寸に関する案内も実施する。2022年11月からはニトリネット内に、気になるインテリアが自宅の部屋に合うか、色や柄の組み合わせを確かめた上で買い物ができる「お部屋deコーディネート」を導入した。引き続き、オンラインとオフラインの融合施策を推進し、お客との継続的な関係性の構築と、買い物利便性の向上に努める。

次期は、売上高9320億円(1.7%減)、営業利益1451億円(3.6%増)、経常利益1470億円(2.0%増)、親会社に帰属する当期利益1000億円(5.1%増)を見込んでいる。

■ニトリの関連記事
ニトリ/生活応援で家具配送料半額、最大850アイテムを期間限定価格に

関連記事

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧