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ヤマノHD/和装事業減収などで3月期売上高24%減

2009年05月28日 / 決算

ヤマノホールディングスが5月27日に発表した2009年3月期決算によると、売上高は490億1600万円(前年同期比24.1%減)、営業損失9億4800万円(前期は16億7900万円の営業損失)、経常損失8億900万円(10億6700万円の経常損失)、当期損失8億2100万円(25億500万円の当期損失)となった。

前期は昨年7月のヤマノリテーリングスの会社分割による訪問販売事業の分社化、10月のヤマノショッピングプラザのヤマノプラザによる吸収合併など事業の整理、ノンコア事業の売却を進めた。各事業の概況は、和装事業で6月に卸部門の四菱の一部事業を同業種の堀田丸正に譲渡した。

また、原料メーカーなどの取引先との提携でコストダウンを目指し、在庫の圧縮、売掛金回収率の改善、徹底した経費削減など、収益力の向上に努めた。一方小売部門では、ヤマノリテーリングスが錦とロイヤル・コスモを吸収合併した。

着付教室の開催店舗を拡大し、着物を着る機会を提供して新規顧客作りに注力する一方、判断力不足の顧客への販売防止のため各店舗への指導を徹底し、販売員が迷った際の「なんでも相談室」を設置するなど、本部と店舗の連携を図った。

大幅な再編・統合による効果が結実してはいるものの、和装事業売上高は127億6700万円(9.2%減)となり、営業損失1億100百万円(前期は5億2600万円の営業損失)となった。

宝飾事業はジュエリー市場の縮小、貴金属材料の乱高下などで非常に厳しい環境が続き、6月1日付でエマイユの一部事業をヤマノジュエリーシステムズに譲渡した。また11月14日付でHAMANO1880、松崎、松崎生産の全保有株式をトライアイズに譲渡。ノンコア事業の撤退を進めた。

不振が続く催事計画を見直し、会場の変更などで経費削減を行い、地金買取を積極的に行って売上高の確保に努めた。宝飾事業の売上高は、80億3800万円(28.6%減)、営業損失は1億800万円(2億2800万円の営業損失)となった。

洋装事業は、季節物処分セールやオープニングセールの前倒し開催を行うなど販売促進を図り、不採算店舗の閉鎖、人員整理による経費削減、店舗別損益の認識強化による利益意識の向上に努めた。

また、11月14日付で東京ブラウスの全保有株式をトライアイズへ譲渡し、ノンコア事業の撤退を進めた。洋装事業の売上高は105億4500万円(27.0%減)、営業損失は5900万円(3億4600万円の営業損失)だった。

寝装事業はOEM商材の拡大と高収益商材の開発に注力し、量販店への商品企画を積極的に行い売上高は29億800万円(1.7%減)、営業利益4400万円(3800万円の営業損失)と増益を確保した。

健康関連事業は気候変動の影響で季節商品販売が不振となり、特に主力であるウインター用品が伸び悩んだ。大型店舗の売場面積縮小、賃料減額交渉などで経費圧縮を徹底し、売上高は78億6800万円(17.5%減)、営業損失2億2000万円(6億5600万円の営業損失)となった。

美容事業は、集客対策として費用対効果を考慮したチラシ・看板の作成、フリーペーパーへの広告掲載などを実施。顧客満足度アップを各サロンに意識徹底させるため、接遇マナー技術強化講習を実施、集客及び固定客の確保に努めた。また、7月31日付でエックスワンの全保有株式を扶桑化学工業(株)へ譲渡。美容事業売上高は47億6100万円(35.9%減)、営業損失3800万円(6100万円の営業損失)となった。

来期は本社事務所の集中による間接費圧縮、堀田丸正の本業への集中などで売上高358億円(26.9%減)、営業利益4億円、経常利益2億円、当期利益4億円の見通し。

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