主要飲料容器別市場/PETボトル伸長、アルミ缶・スチール缶減少
2019年06月10日 11:10 / 商品
矢野経済研究所は6月5日、国内の主要飲用容器市場の調査結果を発表した。
調査によると、2017年の主要飲料容器市場規模は国内出荷量ベースで、前年比0.4%減の752億2000万本と推計した。
このうち、PETボトルは3.2%増と好調だった。この背景にはPETボトル入りコーヒー飲料がヒットしたことで、大手飲料メーカー(ブランドオーナー)から新商品投入が相次いだことがあるものとみられる。
一方で、紙カートンは0.6%増で横ばいであったが、アルミ缶(1.9%減)、飲料用スチール缶(6.0%減)は低迷した。
これまで紙カートン市場はシンプルな市場構図であった。ボリュームゾーンである牛乳に対し日本製紙、日本テトラパック、北越パッケージ、石塚硝子の4社がゲーブルトップ(gabletop)型紙カートンでひしめき合う一方で、ブリック型紙容器では日本テトラパックと日本製紙が競合している。
また、凸版印刷と大日本印刷(DNP)はアルコール用バリアカートン市場においてしのぎを削っている。
こうしたなか、市場が表層上で大きく動いたのは、2016年に日本製紙、大日本印刷、北越パッケージが各々海外有力企業と提携したことにあるが、これは大手飲料メーカーをはじめとするユーザー企業の付加価値向上を目指す動きの一環である。
一方で、各社の戦略は明確に異なり、日本製紙はまずはチルド流通向けでのポジショニング強化を目指しているが、大日本印刷と北越パッケージは常温流通用のアセプティック(無菌充填)容器を活かし、新たな事業創出を進めている。
2018年の主要飲料容器市場規模は国内出荷量ベースで、0.5%増の755億6400万本を見込む。前年に引き続きPETボトルが5.1%増で好調、紙カートンは1.1%増の微増であるとみる。
紙カートンについては、主要各社が海外有力企業と提携したことで、新型容器の拡販が本格化してきており、口栓付きを含めた新型容器の普及拡大が期待されている。
アルミ缶は0.5%減の微減である一方、飲料用スチール缶は7.5%減の縮小で推移すると見込む。
■容器市場に関する調査を実施(2018年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2152
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