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DNP/AIで商品パッケージの校正実現、30%省力化見込む

2021年02月01日 15:40 / IT・システム

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大日本印刷(以下:DNP)は2月1日、SaaS(Software as a Service)型の「DNP AI審査サービス(校正・回覧業務)」の提供を開始した。

<校正・申請などのAI審査サービス開始>
校正・申請などのAI審査サービス開始

同サービスによって、紙やデジタルでの企業などの各種発行物に関する校正・校閲、契約書・申込書などの審査などの業務負荷をAI(人工知能)を活用して省力化し、企業の働き方改革を推進。デジタル化したワークフローで進捗などを管理するため、テレワークの進展によって多くの人が複数の場所から作業を行う場合でも、円滑に校正・校閲、審査などの業務を行うことができるという。

導入価格(税抜・参考価格)は、商品パッケージ審査の場合初期費用400万円から・月額費用45万円から。広告物審査の場合初期費用800万円から・月額費用50万円からと設定した。

同サービスを飲料・食品メーカー、金融・保険業界を中心に提供し、2023年度までに関連するサービスを含め、年間30億円の売上を目指す。

企業の各種発行物の校正・校閲作業は、その多くが人手に依存しているため、効率化、人為的なミスの低減が求められている。例えば、商品パッケージの制作時には、各業界で遵守すべきルールのほか、ロゴ、マークの表示方法など企業独自のルールに準拠する必要があり、社内外の多くの人々が部門横断的に校正・校閲に携わっている。

DNPは、各企業の校正・校閲業務に共通する業務負荷の軽減を課題と捉え、サントリーコミュニケーションズの協力のもと、AIを活用した審査サービスの実現に取り組んできた。

2019年5月からは、飲料・食品メーカーを中心に36社と合同検証を実施してAIの精度の改善を行い、実効性を確認できたことによって、今回サービスを開始する。

検証を通じてさまざまな業界での需要が浮彫りになり、日清食品ホールディングス、明治安田生命保険相互会社などで採用され始めている。

サントリーコミュニケーションズは、同サービスの運用によって、商品パッケージの校正作業を導入開始段階で30%、将来的には50%程度の省力化を見込む。

■校正・校閲機能、承認・回覧プロセスでオンライン化

<ルールへの適合、誤字・脱字のチェック>
ルールへの適合、誤字・脱字のチェック

具体的には、画像文字認識と自然言語処理の2つのAIを用いて、各種発行物や契約書・申込書などの記載内容について、ルールへの適合、誤字・脱字のチェックなどを行い、正誤などの指摘事項を表示する。

全ての内容を人の目でチェックしなければいけない状況に対して、同サービスの利用によってAIが指摘した事項を中心に人がチェックできるようになるため、校正・校閲作業の省力化と人為的なミスの低減を実現するもの。

原稿比較機能は、Excelなどで作成した栄養成分表示などの原稿とデザイン案を比較して、AIが差異を判定し、その個所を表示する。

レギュレーション審査では、表記・表現などのルールや約款などに記載されている注意文言(ガード文言)などをAIが学習し、問題のある箇所を判定する。

業界ルールのほか、ロゴやマークの表示方法などの企業の独自ルールに準拠して審査。過去の校正・校閲時の知見をAIが追加学習し、チェック機能を随時バージョンアップする。

条件に応じて必須または禁止となる画像や文言の有無・サイズ・色などをチェック。誤字・脱字への対応のほか、文書作成上の一部の禁則処理にも対応するという。

また、複数部門にわたる校正・校閲・回覧・承認などのワークフローを設定し、追加情報、指摘事項の入力など、業務・承認プロセスをオンラインで効率的に遂行できる「デジタルワークフロー」を可能にする。

DNPは、AI精度のさらなる向上によって一層の効率化を目指すとともに、AI審査の普及に努め、業界を横断して共通する業務負荷を軽減し、社会全体での働き方改革につなげていく。

■導入価格(税抜・参考価格)
商品パッケージ審査の場合:初期費用400万円から、月額費用45万円から
広告物審査の場合:初期費用800万円から、月額費用50万円から

■問い合わせ先
https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/10159174_1567.html

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