DNP/ホテル等の書店開業を支援するサービス開始

2024年09月18日 14:13 / 店舗

大日本印刷(DNP)は9月19日、宿泊施設等の「書店業以外の事業者」に対し、従来のサービスに「本」を組み込んで利用者の体験価値を高める、書店開業支援サービスを開始する。

書店以外の各種施設で本を販売することで地域の住民等が本を買う場所を提供する。

第一弾として、北海道札幌市の宿泊施設「定山渓 第一寶亭留 翠山亭」内に、同日オープン予定の温泉と読書を楽しむ「風呂屋書店」を支援する。

この書店では、誰もが約2500冊の書籍を閲覧・購入できる。

<風呂屋書店(完成イメージ)>

新サービスでは、書店業以外の事業者が本を販売する際に必要な、企画・運営業務をDNPが代行・支援する。

「風呂屋書店」のコンセプトは、旅をテーマにした、知的好奇心を刺激する本のセレクトが特徴で、「次はどこへいこう」「温泉とサウナ」「発想が生まれる」といったコーナーを設置する。

風呂上がりの心地よい気分で気軽に本を楽しみ、旅行・旅館という非日常空間を味わえるように、大人向けの絵本や写真集、インスピレーションが湧くような本、定山渓の地域を題材にした本を多数、用意する。

書籍は書店ゾーンとラウンジで、購入前でも自由に読むことができる。施設内ではフードやドリンクも販売する予定だ。DNPが提供する、読書時間をより有意義にするブランド「AIMA」のアイテムなども、併せて楽しめる。

国内の書店が減少するなか、2024年3月時点で、地域に書店が1つもない無書店の自治体は全国の27.7%(482自治体)に及ぶ。

一方で書店業以外の事業者は、サービスの付加価値やリピート率、滞在時間の向上の手法として「本を活用した場づくり」に価値を見出しており、書店開業のニーズが高まっている。

しかし、従来の書店経営のビジネスモデルが専業を前提として設計されていることもあり、本の仕入れ条件の厳しさ、利益創出の難しさなどの課題によって、書店開業のハードルが他業種にとっては高くなっていた。

DNPは、「本のある場づくり」の支援として新サービスを提供し、2026年度までに累計5億円の売上を目指す。宿泊施設のほか、サービス付き高齢者向け住宅、飲食店、オフィス、ビジネスラウンジ、リゾートマンション等に向けてサービスを提供する。また、DNPが取り組んでいる、学校教育現場での読書推進活動や、動画等を活用した新しい本の楽しみ方の開発とも連動させることで、本との出合いの場・学びの場の創出につなげるという。

■風呂屋書店
所在地:北海道札幌市南区定山渓温泉西3-105
定山渓第一寶亭留翠山亭内
営業時間:11時~15時(宿泊者利用15時~23時/翌7時~11時)
入場料:税込1100円(宿泊者は無料)
https://jyozankei-daiichi.co.jp/jyozankei/

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