DNP/VTuberライブプラットフォームとSNSによる公告配信サービス

2024年06月25日 15:38 / IT・システム

大日本印刷(DNP)は6月19日、バルス、KIYONOと連携し、バルスが保有するユーザーデータを活用した新たな広告サービスを開始した。

新サービスは、バルスが運営する、VTuber等のアーティストがチケット・ライブ配信・物販・ファンクラブ等をワンストップでファンに提供するプラットフォーム「SPWN(スポーン)」のユーザー属性を分析することで、より効果的な広告をInstagramやLINE等のSNSやGoogleの関連サービスを通じてユーザーに配信する。

「SPWN」は、業界最大手のVTuberプロダクションが定期的に配信を行なっており、2023年には年間合計約250件のライブ配信を行うなど、VTuberのライブ配信用プラットフォームとしてVTuberやファンに広く利用されている。

<SPWN>

新サービスでは、「SPWN」ユーザーの各種イベント参加や商品・サービス購入の履歴データ等を活用し、個々の嗜好を細分化して把握し、広告主がターゲットとする潜在顧客へ広告配信できるのが特長。ユーザーが利用するSNS(Facebook、Instagram、X、LINE等)やGoogleの関連サービス(Gmail、YouTube等)に広告を表示することで、ユーザーが「SPWN」を利用していない時にもタイムリーなアプローチをする。

また、リアルとデジタル双方のマーケティング支援の実績が豊富なDNPと、データ基盤を幅広く提供するKIYONOの強みを掛け合わせて、広告主が訴求したいターゲットを「SPWN」ユーザーから抽出。最適な広告配信条件を生成することで、より効果の高いユーザーに広告を配信する。さらに、「SPWN」ユーザーと属性が近い生活者も、広告配信先に設定可能だ。

「SPWN」ではVTuber等のリアルイベントも開催しており、広告主が自社の商品等を販売できるブースを提供している。ブース出展企業は、新サービスを通じてイベントと連動した広告を配信し、イベント参加者の関心を高めて購買行動を喚起できるほか、イベント後もブース来訪者にアプローチできる。

<VTuberの一例(バルス所属:銀河アリス)>

VTuberの市場は、2023年度に前年比売上げ規模153.8%(800億円)を見込むなど大きく拡大しており、そのファンへの広告配信について期待が高まっている。2Dや3Dのキャラクターを用いるVTuberは、グッズ販売やIPライセンスを用いたタイアップなどの展開がしやすく、グッズの売上はVTuber市場の過半を占める。

ユーザー(ファン)は10代~30代の男性が多く、若年層がYouTubeでよく視聴する番組の約15%をVTuberの番組が占めている。また、特定のアーティストの関連商品・サービスに対する消費活動が活発だ。SNSとの親和性も高く、ファンによる投稿が拡散して商品・サービスが注目される現象も多くみられる。しかし、イベントチケットやグッズを購入するコアなVTuberファンに対して、直接アプローチできる広告サービスは現在ほとんどない。

近年、プライバシー保護の観点からサードパーティークッキー(クッキー)の利用が規制され、2025年以降全面的に廃止される予定だ。広告主となる企業はクッキーに代わる効果的な広告配信手段の検討を進めている。そういったなかで、クッキーに依存しない広告配信は、個人情報に該当しない各種データからの推定に基づいて属性を判断することが多く、ターゲティング広告としての効果が高まりにくいという課題があった。

こうした課題の解決に向けて、今回3社は、VTuberのファンに向けて、クッキー関連の規制の影響を大きく受けることない、効果的な広告配信を開発した。

DNPは、新サービスを、アニメーション、ゲーム、デジタルギア、ファッションなどの若年層をターゲットにした製品・サービスの提供社(広告主)に向けて展開し、関連サービスも含め、2028年度までに累計5億8000万円の売上を目指す。

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