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アルフレッサ×ヤマト運輸/AI活用の配送業務量予測・適正配車システム導入

2021年08月03日 14:30 / IT・システム

アルフレッサとヤマト運輸は8月3日、ビッグデータとAIを活用した、配送業務量を予測するシステムと適正配車を行うシステムを導入すると発表した。

<AI活用の配送業務量予測・適正配車システム導入>
AI活用の配送業務量予測・適正配車システム導入

両社は、2020年7月21日に「ヘルスケア商品」の共同配送スキームの構築に向けた業務提携を発表しており、その提携の第1弾となるもの。8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始。その後、アルフレッサの全国の支店へ順次、拡大していく予定だ。

物流業界では、長距離ドライバーの不足に象徴される労働力不足が深刻化している。医療分野においても、新型コロナウイルス感染拡大の影響が医療提供体制に大きな負荷を与え、医療機関の対面業務における感染リスクの低減や医療従事者の業務の軽減が課題だ。さらに、気候変動リスクへの対応として、医薬品の配送車両におけるCO2削減への取り組みも重要となっている。

両社はこれらの課題解決に向け、配送業務量予測システム、配車計画システムを開発した。システムの導入で、配送生産性は最大20%向上、走行距離・CO2排出量を最大25%削減、医療機関における対面作業時間を最大20%削減する見込み。

配送業務量予測システムは、アルフレッサがこれまでに蓄積した「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータをAIで分析し、顧客ごとの配送業務量(例:注文数、配送発生確率、納品時の滞在時間など)を予測。AIが学習することで各種予測の精度が向上し、より効率的な配車計画の作成が可能となる。

配車計画システムは、配送業務量予測システムで得られた情報を基に配車計画を自動的に作成する。これまでにヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用することで、効率的かつ安定的な配車計画を作成することができる。

また、配送の業務量が多い時には、ヤマトグループの保有する配送リソースも機動的に活用することが可能であり、これまで以上に安定した配送を行えるという。

さらに、医療機関へ医薬品を納品する際、アルフレッサの配送員と医療機関の医療従事者が対面で検品作業を行っているが、納品するアイテム数が多い場合は対面作業の時間が長くなることがある。アルフレッサはこれまで納品時に検品作業が不要な、「パッケージ納品」を展開してきたが、今回導入するシステムに加えて、デジタル機能の活用による事前検品を増やすことで、医療機関における対面作業の時間を大幅に短縮することが可能となる。

今後も提携スキームのブラッシュアップを行い、業務提携の第2弾、第3弾を両社で推進していく。

■問い合わせ先
ヤマト運輸:cyozaiyakkyoku@y-logi.com

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