ソフトバンク/小売業向け新サービス・事例など発表、カインズで先行導入
2023年09月04日 16:50 / IT・システム
ソフトバンクは9月4日、東京ポートシティ竹芝オフィスタワー(東京都港区)で、同社の小売業界向けソリューションや最新事例について発表した。
<ビジネスダッシュボード>
同社が提供する新たなサービスとして、同社グループのデータを活用し、市場・競合状況を把握できる「ビジネスダッシュボード」を9月下旬にリリースする。商品のレジ通過数など、小売店の売上(KGI)に関するデータを、他社のTVCM出稿量や、ヤフージャパンでの関連キーワード検索量を比較することで、市場と競合の動向を含めてモニタリングできるというもの。
商品カテゴリに対応するキーワード検索数の増減、TVCMの放映状況を把握することで、自社製品のレジ通過数の増減があったかどうかの影響を分析。自社製品がどれだけのシェアを得ているかなど、市場での立ち位置を把握でき、競合に対してどのような施策を打つべきか、店頭に何を陳列するべきかなどを社内で検討するのにも使える。
今年の4月ごろからカインズが先行導入し、同社では商品カテゴリごとにレジ通過数を分析している。カインズでの導入について、デジタルマーケティング本部 企画統括部 プロダクト企画部 データビジネス企画課の日下部 周平 課長は、「自社、市場、競合データを見ながら、中長期的な動向を見られる点を評価していただいた。梅雨に実施したキャンペーンのふり返りに活用した結果、特定カテゴリの売上が伸びたが、他社も同様だったため、もっと数字を取れたのではないか、などの反省もできたと聞いている」と話す。
<道路交通量データ「トラカン」>
ソフトバンクの子会社で、ビッグデータを活用したサービスを展開するAgoopからも、新サービスが登場する。10月から新たに販売予定の道路交通量データ「トラカン」は、位置情報を活用したビッグデータを用いて、道路区間ごとの交通量を把握できるというもの。具体的には、通行人の人数、性別・年代情報に加え、通行時の最高速度をもとに徒歩・自転車・車両といった交通手段も判別できる。移動方向まで分かるという。
同サービスについて、Agoop取締役の若谷 巧 副社長兼COOは「現在、大手小売りチェーン数社から引き合いがあり、半年前から試験的に導入している。出店前のリサーチだけでなく、オペレーションの改善にも利用可能だ」と述べた。
このほか、検品や業務連絡用などに用いる各種店舗ツールをスマートフォン1台に機能を集約するサービスの紹介や、新サービス「ビジネスダッシュボード」と「サキミル」、安価に導入できる来店客数予測サービス「サキミル」などのデモンストレーションも実施した。ソフトバンクは、今後もグループ企業の強みを生かした各種ソリューションを通じ、小売業界のDX化をサポートしていく。
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