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大和ハウス/メタバースで商業施設建設の打合せできる新技術

2023年08月22日 15:10 / IT・システム

大和ハウスグループ3社(大和ハウス工業、南国アールスタジオ、トラス)は8月22日、BIMを使⽤して作製した、商業施設や事業施設などの建物の3Dモデルを、XR技術によって、メタバース(仮想空間)で可視化させる「D’s BIM ROOM(ディーズビムルーム)」を開発したことを発表した。

<D’s BIM ROOMイメージ>

BIMとは、デジタルモデリングを使用して、初期設計から建設、保守、最終的に廃棄に至るまで、建築資産のライフサイクル全体にわたる情報管理の仕組み。一方のXRとは、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)といった現実世界と仮想世界を融合する表現技術の総称をそれぞれ指す。

パソコンやタブレット、ヘッドマウントディスプレイなどのデバイスを使用し、計画する建物の建設予定地でメタバース「D’s BIM ROOM」に入ることで、実寸大の外観イメージや色味、周辺環境との距離感などをリアルに近い形で体験できる。また、遠隔の顧客や関係者といつでもどこでも、まるで建物内にいるかのように、打ち合わせができるという。

9月から大和ハウス工業が建設する商業施設や事業施設などで検証を進め、順次導入することで、生産性向上および業務効率化を図る。

<システム概要>

「D’s BIM ROOM」は、建物のBIMデータとクラウド建材管理システム「truss(トラス)」で選択した建材を「WHITEROOM」で連携させたものを、メタバースとして表示させた空間。BIMデータを「WHITEROOM」と連携させることで、XR用のモデルを別途作製する必要がないため、短時間でスムーズに、設計図書との整合性を担保した3Dモデルを作製できる。

3Dモデルを再現したメタバース「D’s BIM ROOM」に顧客自身がパソコンやタブレット、HMDなどのデバイスを使用して入ることで、実寸大の外観イメージや色味、周辺環境との距離感などをリアルに近い形で体験可能だ。

加えて、「D’s BIM ROOM」内で打ち合わせし、決定した事項は、BIMや「truss」に瞬時に反映できるため、数多くの変更が生じる企画・設計・施工の過程で、より効率的に共同作業が進められるとともに、シームレスな情報共有と意思決定を行える。

VR(仮想現実)とMR(複合現実)の双方に対応しているため、使用するデバイスによって、会議室での打ち合わせにはVR、建設地での打ち合わせではMRなど、状況に応じて利用可能。同時参加人数は通信環境により異なり、最大50名まで参加できるという。

<仕上げ素材の切り替えイメージ>

建物の壁や床、天井などに利用される建材には、色やデザインが豊富にあるため、選択肢が多岐にわたる一方、カタログ上の小さなサンプルでは、壁材や床材など大きい面積を占める建材のイメージが湧きにくいという声もある。

「D’s BIM ROOM」では、「truss」の建材データベースに登録されている壁材約3万アイテム、床材約2万アイテム、天井材約1万アイテムの中から、まるで建物内にいるかのように、実寸大で実物に近い色味や建材の候補を比較できるため、イメージギャップの解消にもつながるという(現在は一部アイテムのみ。今後全アイテムで比較できるよう画像の精度を高める予定)。

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