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「リッツ」VS「ルヴァン」/ブランドスイッチは起きたのか?RDS-POSで検証

本稿は、流通現場における製配販それぞれのマーチャンダイジング提案活動を、POSデータ分析を中心にいろいろな角度からサポートするマーチャンダイジング・オン(MDON)が、ホームページで連載している「RDSから見る売上トレンド」を、一部編集した上で「流通ニュース」に転載するものです。

■「リッツ」と「ルヴァン」あなたはどっち派

最近、スーパーの菓子売場で2つのブランドの商品を目にしませんか。モンデリーズ社のブランド「リッツ」とヤマザキビスケット社の「ルヴァン」。今回は、この2ブランドの市場アプローチに着目したいと思います。

リッツといえば、日本では旧ヤマザキナビスコ社(現ヤマザキビスケット社)が、1971年から製造・販売していた商品です。

2016年8月末をもってモンデリーズ社とのライセンス契約が終了したため、リッツは以後、日本法人であるモンデリーズ・ジャパン社が、海外で製造された商品を輸入・販売しています。

ライセンス契約の終了に伴い、旧ヤマザキナビスコ社は、ヤマザキビスケット社と社名変更し、新たに、ルヴァンというブランドを販売開始し、現在に至っています。

この2つのブランドが上市されて約1年半。市場パネルのRDSをデータソースとして、ユーザーが自由にグルーピングできる「My属性」機能を使って、ブランドシェアを時系列で見てみました。

注:RDSとは、食品・日用品を中心に取り扱い、POSシステムを導入している全国の小売業(総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア等)からPOSデータを収集、整備、データベース化したもの。

■リッツのシェアは一時33.1%まで低下も40.0%まで巻き返し

ルヴァンが発売されたのは2016年9月ですが、ここではリッツのみで展開していた2016年5月から2018年4月までのデータを分析してみました。

圧倒的な知名度を持つリッツに対して、ルヴァンへのブランドスイッチは起きたのでしょうか。

<リッツとルヴァンの販売構成比>
リッツとルヴァンの販売構成比
出典:RDS全国 2016年5月~2018年4月 My属性(リッツ・ルヴァンブランド)で絞り込み

2016年9月の販売シェアでは、ルヴァン34.4%、リッツ65.6%でしたが、10月はルヴァン41.9%、リッツ58.1%となります。

11月はルヴァン57.9%、リッツ42.1%となり、ルヴァンがリッツを逆転します。

ルヴァンの勢いはその後も続き、12月はルヴァン60.7%、リッツ39.3%となり、もっとシェアの差が拡大した2017年4月はルヴァン66.9%、リッツ33.1%とダブルスコアまでシェアを拡大します。

一方、リッツは2017年4月に、33.1%までシェアを落としますが、徐々にシェアを戻しており、2018年4月時点では、ルヴァンの60.0%、リッツ40.0%の構成比となっています。

販売シェアでは、後発ながらルヴァンに軍配が上がりそうです。

■品ぞろえ重視の「ルヴァン」、売れ筋重視の「リッツ」

 
これまでブランドシェアで両社を比較しましたが、今度は、両社のブランドを構成する各単品での販売ランキングを追ってみました。

2017年11月から2018年4月までの、直近6カ月のそれぞれのブランドのランキング推移を出してみました。

<リッツとルヴァンの単品売上ランキング>
リッツとルヴァンの単品売上ランキング
出典:RDS全国 2017年11月~2018年4月 My属性(リッツ・ルヴァンブランド)で絞り込み

図表を分かりやすく、ピンク色はルヴァンシリーズ、青色はリッツシリーズとして、色分けしました。

6カ月間の売上上位20品目を分析すると、ルヴァンは15sku前後が対象となるのに対して、リッツは5sku前後しかありません。

これは両社の商品戦略の違いを反映しており、ルヴァンは、ファミリーユースの箱タイプ、パーソナルユースの袋タイプ、などシーン別に品ぞろえ重視でシェアを奪う戦略を感じます。

一方、リッツは、ブランド力を発揮した売れ筋重視といった感じを受けます。

■シェア争奪戦の結果、市場は拡大したのか?

両社、違った商品戦略で、市場へアプローチしていますが、リッツ1ブランド時代から比べての売上全体ボリュームはどうなったのでしょうか。

2016年7月~2018年4月までの実績を各ブランドの売上推移を見てみました。

<リッツとルヴァンの売上高の推移>
リッツとルヴァンの売上高の推移
出典:RDS全国 2016年6月~2018年4月 My属性(リッツ・ルヴァンブランド)で絞り込み

ルヴァンが販売開始された16年9月以降、リッツ単独の売上高を下回った月は、ほとんどありません。

ルヴァンとリッツの2ブランド体制となったことで、波はあるものの全体的には右肩上がりで推移していることが分かります。

両社とも消費者ニーズを捉え、それぞれ商品戦略で、消費者への購買接点を増やした営業努力の結果ではないでしょうか。

食品メーカーにとって、自社シェアは気になると思いますが、シェアだけでなく、自社が置かれているマーケットがどのように変化しているのか、市場データを活用して、競合他社の動向、自社製品の販売戦略に役立ててみてはいかがでしょうか。

■RDSについて
http://www.mdingon.com/MdonWeb/service/newrds.html

■RDSから見る売上トレンド
http://www.mdingon.com/MdonWeb/topics/trend/

注:マーチャンダイジング・オン社提供のRDS-POSデータ分析については、記事、写真、図表などを複写、転載などの方法で利用することはできません。

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