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使えるPOS分析/市場POSで県民性を検証、焼酎、ソースの売れ筋は?

(執筆:マーチャンダイジング・オン、編集:流通ニュース)

使えるPOS分析の第3回目は、POSデータから県民性やエリア特性を検証してみます。

今更ですが、POSとは、Point of Saleの略で、どのお店で何がどれくらい売れたのかをデータ化しています。POSデータは個店の販売実績を集積して形成した企業別POSのほか、複数企業の個店のPOSデータを集積した市場POSがあります。

このコラムで活用しているRDS-POSは、市場POSに分類されるもので、すべての小売業の販売実績を網羅するものではありませんが、地域特性を把握しやすいといった特徴があります。

「エリア別の消費動向って、言うほど違うのか?」「数パーセントの違いを大げさに言っているだけではないのか?」、皆さんのそんな疑問に、RDS-POSを使ってお答えしたいと思います。

■焼酎は南北で甲類・乙類の比率が逆転

まず取り上げたのは焼酎です。焼酎は一般的に甲類・乙類という2つに分類されます。

正式には製法上の違いで分類されますが、甲類は「くせのない味わいで、酎ハイやサワーなどのベースに利用される」「糖質、脂質がゼロ」「乙類に比べて経済的」という特徴があり、乙類は、「芋・麦等の原料の風味、味わいが生かされていて」「ロックやお湯割りなどでその風味香味を味わう飲まれ方が多く」「価格は比較的高めである」といった特徴があります。

焼酎の産地といってまず思い浮かべるのは、大分県や鹿児島県といった九州地方ではないでしょうか。逆にそれ以外で焼酎の産地がぱっと出てきません。

ここで、焼酎の種別の販売金額構成比を比較してみました。

<RDS-POS2017年1月~12月合計 焼酎甲類・乙類 販売金額構成比(%)>
RDS-POS2017年1月~12月合計 焼酎甲類・乙類 販売金額構成比(%)

上記グラフは、RDS-POSをエリア別で焼酎甲類(ピンク色)・乙類(オレンジ色)の販売金額構成比を表したものです。

甲類と乙類の比率は、全国平均でおよそ4:6ですが、北海道では7:3、逆に九州ではほぼ1:9に近い状況です。興味深いのは、南から北に上がるにつれて、甲類の構成比が高まっていく傾向にあるということです。

物流網の発展で、今や野菜でも魚でも産地との距離感が薄まってきている中で、かくも産地との距離感を感じるグラフはなかなかお目にかかれません。

ちなみに、このグラフに清酒(黄色)を足すと以下のようになります。さすがに酒どころの北陸における清酒構成比は50%超えですが、全般的に極端な違いは少ないと言っていいと思います。

近畿と九州の清酒構成比は約30%ですが、せいぜい10%程度の違いにとどまります。もっと違いが出るかと思いきや、そうでもないですね。

<RDS-POS 2017年1月~12月合計 焼酎甲類・乙類・清酒 販売金額構成比(%)>
RDS-POS 2017年1月~12月合計 焼酎甲類・乙類・清酒 販売金額構成比(%)

■ソースはエリア別に1位メーカーが入れ替わる

続いてソースカテゴリーを取り上げたいと思います。ソースには、お好み焼き、とんかつ向きの「中濃ソース」、いわゆる「ウスターソース」、ハンバーグソースなどの「洋風ソース」、「焼きそば用ソース」などが含まれます。

醤油、味噌とならび、ソースは地域特性が出やすい商品カテゴリーとなっています。ここで2017年のソース売上上位6社とその他の売上高を分析してみました。

<RDS-POS2017年1月~12月合計 ソース主要メーカー別 販売金額シェア(%)>
RDS-POS2017年1月~12月合計 ソース主要メーカー別 販売金額シェア(%)

ソースの主要メーカーがこんなに多いと意識されていた人はそれほど多くないかもしれません。全国合計シェアで見ると、上位6社は、ブルドックソース(赤色)、オタフクソース(緑色)、カゴメ(青色)、イカリソース(紫色)、キッコーマン(黄色)、コーミ(オレンジ色)となります。

一方で、エリア別の売上高を見ると、各エリアでダントツ1位となるメーカーが3社もあります。例えば、ブルドックソースは販売シェアで、東北では77.0%と圧倒的な1位ですが、中四国では2.0%まで販売シェアを落としています。

中四国では、お好み焼きの食文化の影響もあり、オタフクソースが56.1%でシェアでトップとなっています。また、東海地区では、他のエリアではあまり見られないコーミが、販売シェア32.5%で1位となっています。

これはカテゴリーとしても非常に珍しいパターンではないでしょうか。

エリアとメーカ―の売上シェアを分析すると、北海道から北陸は、ブルドックソースがダントツでトップシェア。東海はコーミがトップとなり、ブルドックソースがシェア1桁台に落ちる。近畿から九州は、オタフクソースがダントツでトップ。ブルドックソースシェアは1桁台となる。東海以西は、カゴメがおおむね2番手といった傾向が分かります。

醤油のようにというと言い過ぎかもしれませんが、地元の味が定着していると言えそうです。

なお、筆者は山口県出身で、幼少のころ慣れ親しんでいたのはイカリソースの、いわゆるウスターソースでした(もう30年も前の話ですが)。日常では濃い口、中濃タイプのソースはほぼ記憶にありません。

一般的に東日本では濃い口・中濃ソース、西日本ではウスターソースの構成比が高いイメージがあると思いますが、果たして現状はどうなのでしょうか。

<RDS-POS2017年1月~12月合計 ソース濃さ別 販売金額構成比(%)>
RDS-POS2017年1月~12月合計 ソース濃さ別 販売金額構成比(%)

上記の表は、中濃以上を「濃いタイプ」、ウスターソース等さらっとしたタイプのソースを「薄いタイプ」、ハンバーグソースなどを「その他」としてそれぞれの構成比を表したものです。

確かに西日本での「薄いタイプ」構成比が比較的高いと言うことはできますが、既に圧倒的に「濃いタイプ」がマーケットの主流を占める状態となっていて、西日本におけるウスターソース主流のイメージはすでに「ノスタルジー」の世界のものとなっていると言えそうです。

調味料担当バイヤーや調味料メーカーの人なら、エリア別に嗜好が異なることは常識的な知識となっていますが、実際に、数字でどれくらい違うのかを検証する機会は多くないのではないでしょうか。

また、西日本は薄口といったイメージがありますが、実際のデータを見てみるとソースについては、マーケットが変化していることが分かります。

市場データと自社データを掛け合わせることで、自社の売場の新たな可能性が見えるかもしれません。

■RDSについて
http://www.mdingon.com/MdonWeb/service/newrds.html

本稿は、流通現場における製配販それぞれのマーチャンダイジング提案活動を、POSデータ分析を中心にいろいろな角度からサポートするマーチャンダイジング・オン(MDON)が、「POS分析」に関して色々な角度から紹介するコラムです。

注:マーチャンダイジング・オン社提供のRDS-POSデータ分析については、記事、写真、図表などを複写、転載などの方法で利用することはできません。

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