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いなげや/原点回帰「川崎京町店」ローコスト運営とMD両立

2019年06月21日 16:45 / 店舗レポート

いなげやは6月21日、神奈川県川崎市に「いなげや川崎京町店」をオープンした。いなげやが開発主体となり、しまむら、ダイソーなどとともに近隣型ショッピングセンターを形成する。

<いなげや川崎京町店>
いなげや川崎京町店

川崎市川崎区と横浜市鶴見区の境に位置し、最寄駅は、南武線(浜川崎支線)「川崎新町駅」、京浜急行本線「鶴見市場駅」がある。店舗北1kmに国道15号線、南1.3kmに首都高速横羽線、西500mに鶴見川がある。

湾岸部工業地帯も近いこともあり、町工場と宅地・大規模マンションとが混在する地域である。バス網が発達しており、近隣住民は利便性の高い「川崎駅」や「鶴見駅」の利用が大半を占めている。

世帯数は500m圏7922世帯(1万6628人)、1km圏3万627世帯(6万749人)で、平均世帯人員は約2.0人。

人口世代構成は、25歳から49歳が40.1%を占め、神奈川県と比べ4.8%高い。一方、65歳以上は23.9%で、神奈川県と比べ3.1%低い。

商圏ニーズを踏まえ、100円均一ショップ「ダイソー」や「ファッションセンターしまむら」、ヘアーカット、リラクゼーション、クリーニング、学習塾など、生活を支える数多くの専門店を集積した。

<店舗レイアウト>
店舗レイアウト

売上目標は、日商565万円、年商約20億5000万円を計画する。

いなげやでは、これまで青果・精肉・鮮魚部門で販売する素材を使用した生鮮惣菜を強化する取り組みを進めてきたが、店内調理の手間に比べて、売上高の伸びが低いといった課題があった。

そのため、川崎京町店では、生鮮惣菜を無くし、惣菜は惣菜部門のみで展開するベーシックな食品スーパーマーケットの運営を踏襲した。

成瀬直人社長は、「生鮮惣菜は品質も高く、いいものを作れば売れるとの思いもあったが、実際には手間をかけたほど、売上が追い付かない課題もあった。川崎京町店では、いなげやとしての基本に忠実な店を作る。従来型プラスアルファはないが、ベーシック食品スーパーマーケットとしての品ぞろえを訴求したい」と語る。

<店舗入口>
店舗入口

現在、東村山店で店舗オペレーション改革を進めており、川崎京町店にも店舗オペレーションを軽減する取り組みを取り入れた。

青果売場では、アイランド陳列を4台から3台に縮小し、取り扱いアイテム数の絞り込みを行うことで、商品補充頻度を低減させた。

<鮮魚売場の受注口>
鮮魚売場の受注口

鮮魚売場では、オープンキッチン方式は踏襲したものの、調理加工の受注カ所を1カ所に縮小した。

丸魚を三枚おろし、開きなどにする調理加工のニーズは、平日よりも土日に集中しているため、受注カ所を減らすことで、鮮魚部門の投入人時の削減を図る。

デリカでは、時間帯別品ぞろえを追求し、できたて作りたて商品を提供する。管理栄養士監修の「栄養バランス弁当」など、健康に配慮した商品を品ぞろえする。

<ベーカリー>
ベーカリー

ベーカリーは、バラエティ豊かな約50種類の100円パンを中心に、店内焼き立てのパンを提供する。

グロサリーは、入口などで季節感を演出した売場展開をすることで、積極的に情報発信する。減塩、特保、糖質制限、有機、低カロリーなど、健康を志向する商品を強化する。

ワインを軸としたメニュー提案(ナチュラルチーズ、生ハムなど)を強化。地元川崎の商品(銘菓、せんべい、キムチなど)も展開する。

43席を配置したくつろぎスペース(イートイン)では、買い物前後の休憩など、自由に利用できる。

<らくッキングコーナー>
らくッキングコーナー

すぐ調理ができる簡便性の高い商品を「らくッキング」の名称でコーナー化する。冷凍魚、冷凍肉をコーナー化し、品揃えの幅を拡げる。

ペットボトルは自動回収機を設置し、1本当り0.2円分を地域の小学校に寄付する。そのほか、セミセルフレジ(支払いセルフレジ)を導入する。

川崎市への出店は10店目となり、いなげやの総店舗数は138店(惣菜単独店2店除く)となる。

店舗概要
所在地:神奈川県川崎市川崎区京町2-22-1
TEL:044-355-1261
延床面積:5647m2
売場面積:1726m2
駐車場:117台
駐輪場:202台
売上目標:日商565万円(年商約20億5000万円)
営業時間:9時30分~22時
従業員:67人 社員18人、パートナー社員49人(166時間/月換算)

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