流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





イオンスタイル/新井宿駅前に「ここdeデリ」30席、朝・昼・夕食提供

2019年07月25日 21:01 / 店舗レポート

イオンリテールは7月25日、埼玉県川口市の埼玉高速鉄道「新井宿」駅前に「イオンスタイル新井宿駅前」をオープンした。

<イオンスタイル新井宿駅前>
イオンスタイル新井宿駅前

イオンスタイル新井宿駅前は、これまで総合スーパー(GMS)事業に特化していたイオンリテールが手掛ける食品スーパーマーケット。GMSで好調な施策をコンパクトな売場面積の食品スーパーにも取り入れたのが特徴で、新井宿駅前では、できたての惣菜やお弁当、ベーカリーなどが店内で楽しめる「ここdeデリ」を導入した。

敷地面積3262m2、売場面積964m2で、比較的交通量の多い県道に面した立地のため、平面駐車場29台のほか、店舗隣接地に18台の駐車場を設けた。

<フロアマップ>
フロアマップ

北関東カンパニーの打田智美埼玉県事業部事業部長は、「これまでイオンは大型店を中心に展開していたが、大型店の商圏内に食品スーパーやドラッグストアなどが進出して、商圏シェアを奪われている。イオンリテールとしても、既存の大型店の商圏内に食品スーパーを展開することで、商圏のシェアを高める」と食品スーパー出店の狙いを説明する。

イオンリテールでは、食品スーパー業態として、、3月29日に「イオンスタイル上麻生」(神奈川)を出店、4月13日に「同ベイパーク幕張」(千葉)、4月26日に「同美園三丁目」(埼玉)、4月27日に「同上所」(新潟)をオープンしている。新井宿駅前は、食品スーパー業態の5号店となる。

<リワードキッチン>
リワードキッチン

打田部長は、「GMSで好調な取り組みを取り入れたほか、商圏のニーズに合わせたワンストップショッピングに対応した品ぞろえが提供できるのがイオンリテールが作る食品スーパーの強みだ。ここdeデリの取り組みのほか、学習ノートなど文房具の品ぞろえの充実など、GMSのノウハウで他の食品スーパーにはない利便性を提供する」と語る。

第1次商圏は、車で5分圏の9300世帯・2万1000人とした。店舗から2km圏内は戸建てに住む40代のファミリー層が多い。また、新井宿駅の1日に乗降客数は約1万となっている。そのため、40代のファミリー層と駅を利用する単身者をメインターゲットとした。店舗面積は964m2と小型店だが、約30席のイートインスペース「ここdeデリ」を配置することで、駅利用者を中心に、店舗で購入した商品を店内で食べれる利便性を提供する。

<ここdeデリ>
ここdeデリ

打田部長は、「店舗面積は1000m2以下にこだわっていない。あくまで出店する商圏に合わせて必要なニーズを充足できるかを重視する。店舗によってはドラッグストアや調剤薬局が必要な場合もあり、1000m2以上の店舗面積の店舗もある。出店立地は、駅前だけでなく、既存大型店の商圏内でニーズがある場所があれば柔軟に検討したい」という。

<リワードキッチンの冷惣菜>
リワードキッチンの冷惣菜

リワードキッチンでは、冷惣菜8品、温惣菜6品の合計14種類惣菜を、店内加工で提供する。100gあたり税別198円均一で販売し、できたてのおいしさと選べる楽しさを提案。夕食のもう1品、ランチ、ディナーなど幅広いニーズに対応する。

新井宿駅店は、駅前立地の特性を踏まえ、「イオンスタイル美園三丁目」に続き、よくばりごはんセット(580円)を導入した。よくばりごはんセットはおかず3品とごはんを、テイクアウトに対応したワンプレートの容器で提供するものごはんは、白米か雑穀米を選択でき、隣接したイートイン「ここdeデリ」で食べると、みそ汁がサービスとなる。そのほか、ビーフカレー、欧風チキンカレーを各並盛458円、小盛398円で提供する。

<リワードキッチンの温惣菜>
リワードキッチンの温惣菜

リワードキッチンの取り組みは、改良を重ねており、一部の温惣菜では作り立てから時間が経つと煮詰まることで味が変化してしまうことを避けるため、湯せんによるディスプレイを採用した。あらかじめ、作り置きした惣菜を大皿に盛りつけることで、受注生産型のオペレーションを改善している。お客から注文を受けてから作るメニューを展開しないことで、店頭では、お客の好みの惣菜を盛りつけるだけのオペレーションとなり、商品提供スピードをアップするとともに、人件費の削減を図る。

打田事業部長は、「リワードキッチンの取り組みは、商品原価に人件費を含めても黒字する事業計画を立てている。今後もオペレーションの改善を進めていきたい」と語る。

<ベーカリーコーナー>
ベーカリーコーナー

インストアベーカリーでは、7時30分~11時に、パン・コーヒー・サラダ・卵をセットにした「モーニングセット」(250円)を提供するほか、11時~16時はティータイムで、コーヒーとワッフルサンドなどスイーツをセットにした「スイーツセット」(200円)を提供する。

<モーニングセット>
モーニングセット

11時~15時までのランチタイムには、地元鳩ケ谷のB級ご当地グルメとして、鳩ケ谷ソース焼きうどんコッペ(150円)、鳩ケ谷焼きうどんソースコロッケコッペ(100円)を提供する。モーニング、ランチ、ティータイムと幅広い時間帯別のメニューをそろえることで、店舗の来店動機を創出する。

<魚屋の鮨>

GMSで好調な取り組みである「魚屋の鮨」を食品スーパーのイオンスタイルで踏襲した。鮮魚部門のネタを使用した鮮度感のある寿司を、鮮魚部門に併設した厨房で作る。寿司のシャリは、冷すと固くなり食感が落ちるため、固くなりにくいシャリを独自に開発し、店舗にシャリロボットも導入。口の中で、ほぐれる食感のシャリを作り出した。

変色しやすいマグロやブリといったネタの鮮度を保つため、冷蔵ケースは0度から4度程度で管理している。惣菜部門では寿司は展開せず、鮮魚部門の寿司を惣菜売場で販売している。

<かみね野菜>
かみね野菜

新井宿駅店の総アイテム数は約9000SKU、うち食品8000SKU、その他1000SKUとした。グロサリーとデイリーの品ぞろえを既存GMSに比べて30%程度カットしている。惣菜部門を強化するだけでなく、生鮮食品では、地場野菜「かみね野菜」を導入するなど、鮮度感にこだわった商品も導入した。売上構成比では、生鮮食品30%、惣菜20%、合計50%を計画している。

打田部長は、「店舗面積だけであれば、近隣の競合店舗に負けてしまう可能性もあるが、コンパクトの店舗であっても生活に必要な商品は全てそろう店を目指した。ここdeデリの高い利便性や惣菜のおいしさなどの特徴を打ち出し、地域一番店を目指したい」と語った。

■店舗概要
所在地:埼玉県川口市大字新井宿95-1
敷地面積:3262m2
売場面積:964m2
建物構造:地上1階建
駐車台数:47台(平面駐車場29台、隣接駐車場18台)
駐輪台数:54台
営業時間:7時~23時
休業日:年中無休
従業員数:約80人
アクセス:埼玉高速鉄道「新井宿駅」2番出口から徒歩2分

関連記事

店舗レポート 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧