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コンフォートマーケット/アウトパック惣菜と新技術冷食で「即食・簡便」対応

セブン&アイ・ホールディングスは8月2日、品川区にオープンした実質的な新業態「コンフォートマーケット」中延店で、これまでにないマーチャンダイジングを導入した。

コンフォートマーケットは、スーパーでもコンビニでもない新たな食品スーパーで、「コンパクトで買い回りがよく、フレッシュな肉や魚もそろってる。ありそうでなかった!フードマーケット」をテーマにしている。新規取引先を開拓することで、セブン-イレブンやイトーヨーカドーにない新たな商品を多数、取り入れた。

<1階レイアウト>
1階レイアウト
※編集部作成

東急大井町線・都営地下鉄浅草線「中延駅」前に出店し、通勤・通学などで駅を利用する人の来店が見込めることから、1階は調理せずに食べられる即食商品を集めたフロアとした。

従来のスーパーとは異なり、店舗中央に惣菜を販売する円形のラウンドテーブルを配置。即食商品に強い店舗であることを印象付けている。惣菜・寿司・乳製品・デザート・パン・飲料・酒を配置した。

<1階入口から見た全景>
1階入口から見た全景
写真提供:セブン&アイ・ホールディングス

コンフォートマーケットは、さまざまなアイデア・テクノロジーを取り入れ、サービスレベルをしっかりと高めながら省人化と省力化を図る効率的なオペレーションを目指した。

中食から生鮮まで品位・品質にこだわった商品をそろえた。限られた店舗面積の中で、お客が便利に使える店舗レイアウト、設備を導入した。

店舗は4層構造で、1階・2階に売場、3階・4階に食品加工場、バックヤード、事務所を配置した。省人化と省力化を図るため、惣菜売場のラウンドテーブル内には、上層階の食品加工場に続く、商品専用のエレベーターを設置。できたての惣菜を店内で移動させずに、売場に並べられる工夫をした。

<アウトパック惣菜一例>
アウトパック惣菜一例

惣菜部門を強化する上で、店内作業の削減が大きな課題となっているが、コンフォートマーケットでは、アウトパック商品を多用することで、店内作業を軽減している。狭小店舗であってもアウトパック商品を活用することで、惣菜で全115種類のバラエティのある品ぞろえを実現した。

お弁当を中心とした米飯、サラダ、デザートなど多くの商品を、取引先の外部工場で製造したアウトパック商品とすることで、店内加工作業を削減する。一方で、時間が経つと食感や味わいに変化がでやすい、揚げ物、鮮魚を使用した寿司などは店内加工でできたてを提供する。

<コロッケ>
コロッケ
写真提供:セブン&アイ・ホールディングス

揚げ物では、オリジナルレシピの唐揚げ、コロッケ、春巻きなどをできたてで提供する。海老フライ、唐揚げなど一部の商品は店内加工で、鶏のから揚げ(100g当たり税別200円)など100g単位での量り売りに対応する。カルビーが提供するイモを活用した「カルビーのフライドポテト」(税別200円)など、こだわりの商品をそろえた。

オープン前に店づくりの参考にするために、地元サポーターと実施したワークショップでは、試食会を実施。じゃがいもを蒸してから、一つ一つ皮をむき、つぶしてと、手作りすることで、風味とうまみを高めたコロッケ(1個100円)が好評だったという。作り立ての鮮度感と対面販売による接客を打ち出すことで、おいしさにこだわった店舗を印象づけている。

<おうちレストランのチルド弁当>
おうちレストランのチルド弁当

アウトパック商品では、機内食の提供で実績があるティエフケーとティエフケーの関連会社インフライトフーズを活用した。これまで、食品スーパーやコンビニにお弁当や惣菜を提供していない新たなベンダーを開拓することで、アウトパック商品でも差別化を図る。

機内食を監修している専門シェフと共同開発した惣菜「おうちレストラン」を打ち出し、手頃な価格でワンランク上の味わいを提供する。和食、フレンチ、エスニックの3人の専門シェフが監修した商品を共同開発している。

オレンジ香るブロッコリーとサーモンのクリームパスタ(490円)、目玉焼きのせ麦ご飯の本格ガパオライス(550円)、野菜たっぷり麦ご飯のタコライス(570円)、茄子と枝豆のキーマカレー(680円)、柔らか豚肉の生姜焼き重(540円)、すき焼き風牛めし重(680円)など、一部商品は電子レンジで仕上げるチルド弁当にすることで、アウトパック商品であっても作り立ての味わいを再現できる商品を目指した。

サラダ、カットフルーツ、デザートのように、葉物野菜や果物など食材の鮮度管理が必要な惣菜もアウトパック商品で対応することで、食材段階のロスの削減も目指す。単身者に向けた対応して、店内加工の寿司では、鮮魚部門の魚を活用した2貫盛りの少量パックを約20アイテム展開し、選べる楽しさを提供する。うに2貫278円など、198円~338円の商品をそろえた。いなり寿司、太巻きはアウトパック商品で対応することで店内加工作業を減らした。

<1階ワイン売場>
1階ワイン売場
写真提供:セブン&アイ・ホールディングス

惣菜ラウンドテーブルを囲む形で、日本酒、ワイン、ビールなどの酒類を配置することで、惣菜を中心に酒類との関連販売を目指した。レジ前の壁面には、グロサリー担当マーチャンダイザーがこだわって仕入れた輸入食品を中心とした「大人のおやつ」を配置。つまみとしての菓子を訴求している。

日本酒に力を入れ、フェースブック上に「COMFORT MARKET 日本酒部」を開設し、商品や蔵元の情報を発信する。生酒の品ぞろえを拡大したほか、日本最古の酒蔵といわれる、茨木・笠間にある「須藤本家」から直接、取り寄せた数量限定の日本酒などを展開する。

ワインは、500円以上、1000円以下、1000円以上、2000円以下の4つのプライスラインで展開。1000円以上の一部の商品では、相性の良いつまみやメニューの提案もしている。

<ベーカリーコーナー>
ベーカリーコーナー
写真提供:セブン&アイ・ホールディングス

また、1階には冷凍生地を活用したインストアベーカリーを配置した。1階で唯一の食品加工場を持ち、焼き立てのパンを売場に最短で並べられるレイアウトを採用した。看板商品は6等分に手で切り分けることができるちぎりパンで、しろいちぎりパン180円、チョコチップ、ハムたまごなど全7SKUを展開する。そのほか、プチパン2SKU、スコーン2SKU、マフィン4SKUを提供する。

■2階は冷凍食品・ミールキットで時短・簡便料理に対応

2階は、従来のスーパーマーケットと同様に、料理に必要な素材を集積した。果物・野菜・鮮魚・精肉・加工食品・菓子・日用品・冷凍食品・調味料を販売する。

<2階レイアウト>
2階レイアウト
※編集部作成

エスカレーターを上がった2階入口には、従来のスーパーと同様に果物・野菜を配置し、旬を打ち出す。野菜では、オーガニック野菜を訴求。おためしサイズとして、小さめの量目を採用、関東近郊の生産農家から仕入れることで、物流コストを抑え、手頃な価格を打ち出した。

一方で、店舗中央には、冷凍食品のリーチインクーラーを配置することで、冷凍食品を活用した時短・簡便調理のニーズに対応する。

新しい技術を活用した新規MDとして「スーパーフローズン」製法を活用したオリジナルの冷凍食品を数多く販売する。アップルポークしょうが焼き320円、塩麴で漬けたさっぱりサラダチキン280円、ごちそうおにぎり(枝豆)280円など、「HAPPY DINING」と名付けてシリーズ展開する。

また、冷凍した日本酒「南部美人フローズンビューティ」720ml5000円・300ml2500円を販売する。純米大吟醸無濾過生原酒をしぼってすぐに瞬間冷凍した商品で、蔵元でしか味わうことができない味わいを食卓に再現する。

スーパーフローズンは、急速冷凍で鮮度を閉じ込め、解凍時のドリップが少なくうまみが失われないのが特徴。毎日の食生活をもっと便利に、豊かにするために、日持ちがして、時期を問わず使える冷凍食品に着目した。

<2階入口から見た全景>
2階入口から見た全景
写真提供:セブン&アイ・ホールディングス

スーパーフローズン製法は、店内加工商品でも活用されており、干物や鮮魚、まぐろ柵といった商品も展開している。本まぐろ(赤身)100g当たり730円、本まぐろ(中トロ)同980円、本まぐろ(大トロ)同1280円を展開加工の冷凍食品として展開。従来、変色しやすく取扱が難しかった商品を、冷凍食品として販売することで、鮮度を保ちながら、ロスを少なく長期間販売する取り組みにも挑戦する。

鮮魚部門の刺身にも、スーパーフローズン製法を活用しており、刺身も解凍した商品を使用している。宮城県産さば刺身1パック498円、宮城県産本まぐろ(赤身)1パック498円などを販売する。刺身は当日販売のため、ロスが発生しやすいが、冷凍素材を活用することで、販売数量にあわせた柔軟な商品づくりを目指す。

<鮮魚部門の全景>
鮮魚部門の全景
写真提供:セブン&アイ・ホールディングス

精肉部門は、一部商品はアウトパック商品で対応するが、ほとんどの商品をインストア加工とすることで、鮮度感を打ち出した。

また、コンフォートマーケットのオリジナルミールキットとして「クイックパンシリーズ」を投入した。フライパンで炒めるだけで、もう1品のおかずが簡単作れる商品で、時短料理のニーズに対応する。オープン時は、2人前の量目で、豚の味噌炒めセット、豚しょうが焼きセット、豚ねぎ塩炒めセット(各398円)とレタス包みやわらか牛焼き肉セット、レタス包み厚切り牛焼き肉セット、牛プルコギセット(各498円)の6品目を展開していた。

オープン時は、ダイレクトメール形式のチラシを配布していたが、今後のチラシ配布は未定となっている。店舗周辺には、オーケー、ビック・エー、まいばすけっとなど、価格訴求の強い競合店が多いため、ナショナルブランドの冷凍食品、飲料、カップ麺は、EDLPを意識した価格設定をしている。

中延店は、テスト店舗としての位置づけで、商品・販促・サービスなど、さまざまな要素を検証している。オープン前に、地域サポーターとのワークショップ開催するなど、これまでにない取り組みを実施しており、今後も取り組みを検証しながら、新しいスーパーマーケットの形を構築していきたいという。

<国道1号線からみたコンフォートマーケット>
国道1号線からみたコンフォートマーケット

店舗概要
所在地:東京都品川区中延4-6-8
交通:東急大井町線・都営地下鉄浅草線「中延駅」から徒歩2分
営業時間:10時~22時
駐車場:なし
駐輪場:40台
延床面積:1428m2
売場面積:566m2(2フロア合計)
従業員数:社員3人、パート・アルバイト31人(8時間換算)

■コンフォートマーケット
https://comfortmarket.jp/

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